【料理・食文化】イギリスの「肉」事情について語ろう

2018年3月13日イギリスの食文化, ロンドン・イギリス生活

肉の話をしようと思う。

日本人から見たイギリスの「肉」事情について語ってみる。日本とはだいぶ異なる食文化が見えてくるはずだ。

※ここでは、家の近くにあるのでよく使うwaitroseというスーパーの肉を参考にしている。このスーパーはイギリスの中でも一番価格帯が高いので、他のスーパーではもっと値段は安くなる。

スーパーの位置づけはこちらを参照。

鶏肉について

もも肉よりむね肉の方が高級

これはスーパーで売っている鳥のもも肉である。

だいたい、肉はどの種類の肉も最低1パック500gぐらいから。日本と逆で、イギリスでは基本的にむね肉の方が人気でよく使われるらしく、もも肉の方が値段が安い。飲食店でもチキンのメニューは多くが胸肉である。

日本人からすると何か不思議な感じがする。もも肉の方が好きな私としてはちょうどいいんだけど。

皮なしの鶏肉も売っている

鶏肉は、スーパーにもよるが、大抵皮付きと皮なしどちらも売られている。皮を食べたくない人にとってはわざわざ皮を取り除く必要がないのでとても便利。

あと、そういえばなぜか鶏のひき肉は滅多に見かけない。七面鳥のひき肉は売っているところがあるのに。

丸鶏安すぎ!

私がイギリスでびっくりしたのは丸鶏がすごく安いこと。1.2キロとか1.5キロとかそれぐらいあって3ポンドぐらい。パーツごとに売ってる鶏肉より全然安い。多分捌いたりする手間がいらないから?

この丸鶏に、塩とスパイスハーブを適当にすり込んでオーブンに入れておけば、チキンローストが勝手にできる。

これが、↓(ハーブとか用具が散らばっててごめんなさいね)

こうじゃ。焦げているように見える部分は皮だけで、皮を取り除くとジューシーな肉汁溢れるローストが出てくる。

とてもお手軽かつ量が多いので、1羽で数日の料理に使いまわせる、結構重宝している食材なのだ。骨でスープを作ってもいい出汁が出て美味しい。

卵も生食が解禁されたので、日本人にとっては朗報。

牛肉・豚肉について

スーパーで買えるのは基本塊肉

これは日本人が一番最初にスーパーで気づくことだと思うが 、基本肉は塊でしか売っていない。

こっちに来てから、改めて日本食は薄切り肉を使うものが多いということに気づいた。

例えば豚バラ肉は大きな塊か、この写真のように 、やや小分けにしたものしか売っていない(sliceと書いてはあるけどね…)。これは約650gで4.43ポンド。

これ以上の細かい肉となると基本ひき肉である。

豚肉などはこういうものを頑張って自分でスライスする時もある。コツとしては、一度塊のまま凍らせてから 半解凍状態でスライスすると割と薄く切れる。が、やはり日本の薄切り肉と同じまでににはならない。

スライス肉はアジア系スーパーで買おう

日系スーパーやアジア系スーパーでは薄切り肉が売られているので、たまに行って大量買いしたりもする。

写真の薄切り豚バラは600gで8ポンドぐらい なので、スーパーの塊肉の2倍くらい…。 それでもたまには薄切り肉が食べたくなるのだ。

ステーキ好きにはぴったり

牛もだいたい、どの部位もこんな感じ。あとはシチューや煮込み用に大きめのキューブに切ったものと、ひき肉が売られているくらい。

脂肪分の割合が違う製品(5%、10%、15%など)が売られていたり、部位も、ランプ、リブアイ、サーロイン、フィレなどさまざま。テールや骨髄?など、珍しいパーツが売られていることもある。

また、vealと呼ぶ子牛の肉も普通に売られている。

どれもステーキに最適な大きさ、厚さなので、ステーキ好きな人にはとてもいいと思う。

牛は日本と同じく鳥や豚よりは高い。

内蔵は限られた部位しか売っていない

イギリスでは動物の内臓をほとんど食べない。モツ、ハツとか砂肝とかそういったものは普通のスーパーではまず手に入らない。鶏のレバーだけはスーパーでも売っていたりする。あと変わり種で、ラムのレバーも見たことがある。

内臓を手に入れたい場合は、butchers(肉屋)に行く。お店にもよるが、だいたい内蔵も扱っているし、基本かなり安く手に入る。 それでも日本よりはバラエティが少ない。

肉の生食は基本しない

日本では肉の刺身をよく食べるが、 こちらでは肉の生食はまずない。

イタリアやドイツ、フランスなどは、生の肉をミンチ上にしたタルタルや、スライスしたカルパッチョを食べるので、そうしたヨーロッパ料理の店で生の肉料理を提供しているところはある。

ただ、もちろんステーキのレアなどのように「生に近い状態」で肉を食べることはある。

日本ではあまりお目にかかれない肉もある

国が変われば肉も変わるということで、日本ではあまり目にしない種類の肉も、普通にスーパーに売られている。

ラム肉が豊富

その代表格がラム肉だろう。イギリスでは羊肉をよく食べるが、マトンではなくラムが主流である。普通のヨーロピアン料理を出すレストランでも、インド料理やトルコ料理でも、ラムは豊富に使われる食材だ。イギリスではラム料理が食文化の一項目として成立している。

グリルやローストだけでなく、ラムカレーやケバブもすごく美味しい。

普通のスーパーでもどこにでも売っている。部位は、脚、肩肉、ラムチョップなど。肩1/2丸ごとなんて豪快なサイズで売られているときもある。

価格は牛と同じくらいか、やや割高くらい。

臭みもあまりないし(油が臭みの原因などで、食べるときは脂身を取り除くとほぼ臭くなくなる)、調理法によってはかなりジューシーで美味しく食べられる。

私はイギリスに来てからラムが大好きになった。

その他、鹿やウズラなども

  • turkey…七面鳥
  • duck…鴨
  • venison…鹿
  • partridge…ウズラ
  • game mix…野鳥のミックスパック

これはスーパーでも店舗によったり、その日の仕入れにもよるかもしれないけど。
「スーパーで普通に売っているんだ~」と、最初に見たときは感動した。

ちなみにウサギは見たことがない。

ソーセージやハムなどの加工品も充実

種類の豊富さは店の大きさに比例するけども、ハムやソーセージなどの加工品も大変充実している。ハムやベーコンにも種類や厚さ、味がさまざまで、選ぶのが楽しい。スペインのイベリコハムなども手に入ることがある。鶏肉やターキーで作ったハムもある。

サラミも、スライスはもちろん、丸ごと1本でも普通に売っていて、長持ちするのでワインのよいお供になったり。

イギリスのソーセージは、日本のパリッとしたソーセージに比べて、小麦粉などのつなぎが多く入っており、どんなに焼いても茹でてもあまりパリッとしない。肉の割合も60%とか70%とか、低めなのだ。

パリッ、が好きな人はドイツやポーランド系のスーパーでソーセージを探すのをおすすめする。

ベジタリアン向けの肉代替品

イギリスにはベジタリアンの人も結構いるので、スーパーや飲食店ではベジタリアン向け製品を置いたり、「ベジタリアン向け」というマークを料理や惣菜、食材につけるのが一般的になっている。

スーパーには、ベジタリアン向けの肉の代替商品もよく売られている。

「Quorn」というメーカーが有名で、ここはソーセージやナゲット、その他肉や魚を使った総菜を再現したベジタリアン製品を多数出している。

マイコプロテインという、キノコの仲間の菌であるタンパク質を主原料にして作られているらしい。実はこのマイコプロテイン、1980年代にイギリスで開発されたという、意外と歴史のあるものなのだった。味は鶏肉に似ているという。

以前Quornのチキンナゲット(を再現した商品)を食べてみたことがあったが、確かに本物のチキンナゲットと比べてもあまり変わらないくらいの味だったように思う。


肉だけとっても、結構日本と違うイギリスの食文化。スーパーの棚からその国のことが垣間見えるようで、ちょっと面白い。

イギリスの魚事情についてはこちら

イギリスの野菜事情についてはこちら