イギリス人はキュウリが大好きだ。「イギリスの上流階級の間で定番のサンドイッチはキュウリとバターだけのシンプルなキュウリサンドイッチである」というのはよく知られているが、それ以外にも、イギリスで暮らしていると飲み物+キュウリの組み合わせを頻繁に見かける。
なぜか知らないけど、「キュウリ=清涼感のあるお洒落なアクセント」として飲み物に使うことが多いようだ。ここでは日本人にとってはちょっと不思議な、イギリス人のキュウリ愛を紹介したい。
水にキュウリを入れる
レストランやカフェではよく、レモン入りの水みたいな位置づけで、「キュウリ入りの水」がある。
味は、キュウリそのままで青臭い。
ただの青臭い水だ。入れなくていい。というかない方がいい。
と日本人的には思うんだけど、イギリス人に聞いたら「すっきりしていいよね」とのこと。イギリス人にとっては、キュウリの青臭さがリフレッシュな風味に感じられるようである。
レモンやミントと一緒に入っていることもよくあるのだが、レモンやミントの香りを完全にキュウリの青臭さが邪魔している。逆効果である。
カクテルにもキュウリを入れる
イギリスのカクテルの代表であるジントニックにもキュウリを入れる。ただこれはジンの種類によるらしく、ボンベイ・サファイアで作るジントニックにキュウリが紛れ込んでいることが多い。
以前パブでジントニックを頼んだら出てきたもの。イギリスのキュウリは日本のものよりはるかにでかいため、水面からはみ出しているのもシュールである(ちなみに、トニックを自分で入れる方式なので、これはジンだけがグラスに入っている状態)。
キュウリ入りのジントニックの味はというと、ライムとジンのハーモニーを完全にキュウリの青臭さがぶち壊している。
キュウリだとわかってしまっているからダメなのかもしれない。どうしてもキュウリはサラダや漬物や酢の物やサンドイッチに使われるものという観念があって、飲み物に入れるのは抵抗がある。
「これはちょっと癖のあるリキュールをアクセントに加えているよ」とか言われたらそんなもんかも、と思って飲んでしまうかもしれない。
夏のイギリスの飲み物ピムス(Pimm’s)にもキュウリが入っている。複数のリキュール、ハーブ、果物を入れて作るイギリスの夏には外せない飲み物だ。
キュウリ×飲み物という方程式は、イギリスでは普通に浸透している。
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