イギリスの最低賃金と生活賃金について説明するよ

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イギリスの最低賃金が、2018年4月から再び上がった。

この記事では、イギリスの最低賃金(minimum wage)と、生活賃金(living wage)について紹介したい。この2つは異なるのでイギリスに住む際には注意が必要だ。

イギリスの最低賃金

イギリスの最低賃金は、労働者の年齢によって変わってくる。

2018年4月現在、イギリスで定められている最低賃金(時給)は、政府の発表によれば以下のとおり。

16~17歳…4.20ポンド/時間
18~20歳…5.90ポンド/時間
21~24歳…7.38ポンド/時間
25歳以上…7.83ポンド/時間

前年より軒並み3~5%上昇した。

この最低賃金は、以下の人を除いてすべて適用されなければならないものだ。

  • 自営業者
  • 16歳未満
  • ナニーやオーペアとして住み込みで働き、部屋や食事を与えられている場合
  • 軍隊所属
  • ボランティアや職場体験
  • 囚人
  • インターン
  • 一部の農業従事者(適用されるかはこちらでチェック

しかし、実際の「生活するために必要とされる賃金=生活賃金(living wage)」はこの通りではないようだ。

イギリスの生活賃金

イギリスでは毎年、最低賃金とは別に生活賃金が算出されている。2016年までは、ロンドンの値はロンドン最大の地方自治体グレーター・ロンドン・オーソリティーが、ロンドン以外の地域の値はラフバラー大学によって出されていたが、それ以降は Living Wage Commissionという機関に変わったようだ。

Living Wage Commissionによると、最新の生活賃金は2016~2017年度のもので、ロンドンは10.20ポンド/時間、その他の地域は8.75/時間となっている。

最低賃金はこれよりはるかに低く、特にロンドンでは最低賃金と生活賃金の差が顕著である。ロンドンで最低時給で働いていると、なかなか生活は苦しくなる、ということは理解しておいたほうがいい(もちろんうまくやりくりできれば、やりようはあるだろうけど)。

しかし、ロンドンでも最低賃金程度の時給で雇用しているところはたくさんある。ホテルの最上階に入っているオシャレなバーのバーテンダーでさえ最低時給のところもあるという話も聞いたことがある。

最低賃金以下で働いている人が沢山いる

現実は厳しい。法で定められているにもかかわらず、最低賃金以下で働かされている人がイギリスにはたくさんいるようなのだ。

国家統計「Low pay in the UK: Apr 2016(最新)」によると、推定ではあるが、2016年4月時点で全体の1.3%の仕事が最低賃金以下であったらしい。数にすると36万2000。

フルタイムとパートタイムにわけると、フルタイムの仕事のうち0.9%が、パートタイムの仕事のうち2.4%が最低賃金以下。パートタイムの方が割合が多い傾向にある。

最低賃金以下の仕事が多い業界

※青が仕事の数、オレンジが割合

横軸は左から、美容師、保育、サービス業(飲食店など)、清掃、ソーシャルケア、小売、レジャー・旅行・スポーツ、食品加工、転職・就職エージェント。

上記統計のグラフより抜粋。一番割合が多いのは美容師業界で7%。その次に保育、サービス業が続く。

職探しの際は注意

ワーホリ等で来る人はパートタイムやフルタイムの職をイギリスで探すことが多いと思うが、職探しの時は、上記の最低賃金を守っている職場であるかきちんと確認するよう注意したい。

ちなみに、イギリスでは基本、企業から交通費は出ない(日系の会社なら出るところもある)。交通費が出ないのは違法ではないので、これも注意されたし。

もし最低賃金以下の支払いしか受けていない場合は、きちんと雇用主に話をするべきだ。

こちらは、そうしたときのためのガイドライン。もし雇用主と話をしても解決しない場合は、最終的に法廷まで持っていく手続きも紹介されている。

イギリス人の平均的な給料の統計はこちらから。