「ロンドン中心部からやや郊外の住宅街に引っ越し。生活が全体的に向上した」の続き。
新居に越してから、よりバラエティに富んだ食材が手に入るようになって、食事を作るのが楽しくなった。
主な要因としては、以下のような感じ。
- 格安スーパー~高級スーパーまでさまざまなタイプのスーパー(しかも大型店)が徒歩圏内。日常使う格安食材からちょっとお洒落なデリまでさまざま揃う。
- 特に格安スーパーの存在は大きい。普通のスーパーだと高い魚介類などが遠慮なく買える。
- 日本人や中東人が多く住むエリアだからか、日本食材やアジア系食材が手に入りやすくなった。
要は、「以前は特定の場所に行かないと手に入らなかったものが近所で一気に手に入る」メリットがとても大きいということ。
それ以外にも、都心ほどではないとはいえ、レストランやデリバリーの選択肢も豊富なので嬉しい。イギリスで普及しているトルコ料理やインド料理、イタリアンはもちろん、ペルシャ料理や日本料理、東南アジア系などがあるので、ゆっくりと開拓している。とりあえず美味しいケバブの店とタイ料理の店は見つけた。ファンシーな高級レストランはこのエリアにはあまりないけどね。
多様なスーパー(大型店)が徒歩圏内
新居周辺は、スーパーのラインナップが大変素晴らしい。イギリスのチェーンスーパーには格安~高級までいくつかタイプがあり、以前住んでいたところは、普通の価格帯のスーパー~高級スーパーが近所にある環境だった。格安スーパーも隣町にあったが、便利な交通網がなく徒歩25分くらいかかるので、まとまった時間がないと行けなかった。
引っ越し前の場所でも不便はしていなかったが、現在は、格安スーパー~高級スーパーのどれもが、しかもすべて大型店舗が徒歩15分内にあるという恵まれた環境となった。
同じチェーンスーパーでも、大型店舗だと普通の大きさの店舗よりも抜群に品揃えが良くなる。テスコという中価格帯のスーパーで、エリンギや大根など日本でおなじみの野菜が売っていたのは感動した。小さい店舗のテスコでは見たことなかったから……。アジア食材コーナーで扱っている日本食材のバラエティが他店舗より多いのもポイントが高い。
また、特に格安スーパーであるドイツ系チェーンスーパーAldi(アルディ)が近くにあるのが大きい。ここでは、食材から日用品に至るまでとにかく他のチェーンスーパーより断然安いのだ。
かといって質が悪いわけではなく、普通に美味しかったり満足できるクオリティだったりするものが多い。まったく同じ商品が、普通価格帯・高級価格帯スーパーの2/3~1/2くらい安く売っている場合もある。
その恩恵によりこんな至高のおつまみプレートも一皿1ポンドしないくらいでできてしまうという事実。素晴らしい。
また、Aldiは魚介類も種類は少ないが安いので、一般的に魚の高いイギリスで躊躇なく魚介類を購入できる数少ない店である。
特にエビは、一パック(普通のスーパーだと3~4ポンドする)のむきボイルエビをこれまでは数回に分けて大事に大事に使っていた。だが、Aldiだと2ポンド以下で買えるのでふんだんに使えるのだ!
1パック丸ごと使ってエビだらけのお好み焼きを作れる! という感動(切ってみたけど画像だと全然エビわかんないね、そして青のりなどはない)。なんてささやかな喜び方なんだと自分でも思うが、エビを1/3パック使うのと1パック丸ごと使うのは大変な違いですわよ。
逆に、高級スーパーにしかない商品もある。過去の記事で絶賛したClearspringというブランドのパック豆腐なんかがそれである。あとはさまざまな具材を使ったパテとか、エスカルゴとか、ドライエイジングビーフとか、他スーパーでは見かけないものを売っていたりもする。
価格帯の違うスーパーはそれぞれ商品のラインナップも異なるので、うまく使い分けるのが吉。
大型店舗は品揃えが豊富と書いたが、時にはこんなレアなものに遭遇してしまうことも……。悪名高いウナギのゼリー寄せ(jellied eel)である。スーパーで売っているのは初めて見た。やはり大型店はラインナップが充実しているなあ。これは別にメリットではないしもちろん買ってない。
また、チェーンスーパーではないのだが、近くに小さなイタリアン食材店もあるので、普段お目にかかれない種類のパスタやすごく美味しいパスタソースも手に入る。イタリアン好きには嬉しいサプライズであった。
アジア系の野菜や日本食材が手に入りやすい
日系スーパーも徒歩圏内にあり、調味料や冷凍食品、インスタント麺や米などはもちろん、刺身も売っている(歓喜)。日本人が比較的多いエリアなので需要があるのだろう。
以前住んでいたところには日系スーパーが近くになく、必要なものを買う時はオンライン通販か、電車で中心部の店まで行くか、またはやや近い韓国系スーパー(日本食材も一部売っている)を利用する必要があった。それが今は歩いて好きな時に行けるのだ……! それだけでもありがたい。
日本食材に関しては、個人的に価格よりも手に入りにくさがネックなので、入手しやすいだけで万々歳だ。なぜなら、どっちみち日本食材はどこでもそれなりに高いので、安い店でも遠かったら交通費も上乗せしなければならず、結果時間もお金もかかるからだ。
また、近所には小さな八百屋や個人商店も多数ある。たいていアラブ系やインド系の人が経営していて、エスニックなスパイスや食品を多く扱っているのが特徴だ。
前の家の近所にもそうした店はあったのだが、都心だからか飲み物やお菓子、日用品中心の小型店がほとんどだった。
新居のエリアには、こういう八百屋系のお店が多数ある。ここで、普通のチェーンスーパーでは手に入らない野菜を売っていることが多い。
こうしたお店で入手したものを紹介しよう。
イギリスではそこそこレアな大根。上述したように大型のテスコでも売っていた。前の家では大根を買うために一駅歩いて韓国系スーパーに通ったものだが、こんなすぐに手に入るなんて、すごい。
日本と同じキャベツ。ついに見つけた。八百屋は偉大。イギリスにはキャベツが数種類あるのだが、普通のスーパーでは日本と同じキャベツにはお目にかかれないのだ。
詳細はこちらをどうぞ。
コールラビという大根のようなカブのような野菜。私にはまったく馴染みがないが、ドイツ人の夫はドイツでよく食べていたらしく、とても懐かしがっている。普通の英系スーパーではほとんど売っていない、エスニックな位置づけの野菜。
生でも焼いてもシチューに入れても美味しい万能野菜だが、私は生でぽりぽり食べるのが一番好き。程よく水分があって、シャキシャキした食感。ちょっと大根ぽい風味に、甘みが加わった感じ。
この激でかスイカも初めて買ってみた。スイカ自体はすでに切ってパックされているのが普通のスーパーでも売っているんだけど、ここまで大きいのが丸ごと売ってるのはこういう商店だけなので、試しに購入。
でかい。
こんなに大きいけどちゃんと甘いのかなあ、なんて思っていたが、これが甘くて瑞々しくて美味しかった。数日間に分けて食べた。夏を感じる……。
フレッシュミント。もりもりわさわさで0.79ポンド。この量でこの価格はスーパーよりずっと安い。
暑い日に炭酸水&ライム&ミントで清涼感ある飲み物を作ってみた。これにラム酒と砂糖を入れてモヒート風にしてもよし。
その後の週には一気に天気が崩れ寒くなったので、今度はふんだんにミントを使ってミントティーに。ティーポット代わりにコーヒー用のフレンチプレスを使ったけど、なかなかイケる。冷やしてもよさそう。
和食づくりが捗る
さて、こうした商店や品揃え豊富な大型スーパーの恩恵を受けて色々な料理がずっと作りやすくなった。特に和食。
手に入れた大根と、日系スーパーで買ったぶりのアラでぶり大根。久々に食べた。うますぎる。
和惣菜的なもの。レンコンって美味しいよね。
これも和惣菜的なもの。全体的に茶色いな。でも茶色い料理って美味しいんだよな。左は残り野菜(キャベツとパプリカ)のお浸し。
里芋の煮っころがしなんて多分5年ぶりくらいに食べた。日本に一時帰国する時はいつも、寿司とか焼き鳥とかしゃぶしゃぶとか馬刺しとかを摂取するのに忙しくて里芋を食べている余裕がないからね。
炊き立てのご飯と梅干しでおにぎり。この時は疲れていたので自分を甘やかすために作った。こういうのが結局沁みる。梅干しをすぐそこ(日系スーパー)で売っているので、使いたい時に使えるという贅沢。
納豆キムチ卵ご飯。数年ぶりに食べたら美味しすぎて爆速で消えた。材料は手に入るけど、以前は入手がしにくくて納豆とキムチが同時に冷蔵庫にあることがあまりなかったから……。納豆は日系スーパーから、キムチはなんと大型テスコで売っていた。キムチが英系チェーンスーパーで売っているとは。使いたい時に使えるという贅沢(しつこい)。
卵黄乗ってることからわかるように、実はイギリスでは生卵が食べられる。詳細はこちら。
というわけで、新居で送る食生活には大変満足している。まだまだこれから近所を開拓していくので、どんなものが見つかるかな~とワクワクしている。
イギリスの食文化に関しての過去記事まとめはこちら。
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