イギリスの医療システム:GP、NHS、プライベート病院すべて解説

2018年5月9日健康・医療

イギリスの医療システムは、日本とはかなり異なるので、日本人には最初はわかりにくい。この記事で簡潔に説明しておきたいと思う。

イギリスの医療システム

要約するとこの2点である。

  • イギリスにはNHSとプライベートという2つの保険システムがある。
  • どんな症状でもGPという専門医にかからなければならず、最初から専門の科(耳鼻科、皮膚科、外科など)に直接かかれない。

ひとつずつ説明していこう。

プライベート診療とNHS診療

イギリスの病院は、2種類にわけられる。プライベートとNHSだ。

プライベート

プライベート病院とは、NHSは使えず、自費診療または個人で加入している保険を使って治療を受ける病院。日本の海外旅行保険が使える日本人対応の日系病院などはプライベート病院に属する。

メリット

  • NHSと比べるとサービスはいい。
  • 自分で行く病院を選ぶことができる。
  • 予約も比較的すぐとれる。

デメリット

  • 自腹で払うととんでもなく高い。
  • どの保険にどの病院が使えるか確認しなくてはならない

NHS

NHSとは国民保健サービス(National Health Service)で、要は国民健康保険が使える病院だ。日本はどの病院でも基本保険診療が使えるが、イギリスは「NHS専用」の病院しかNHS保険を使えない(といっても数多くある)。

メリット

  • 外国人でも使える
  • 無料で診療を受けられる(薬代はかかる。一律で1アイテム8ポンド)

デメリット

  • 予約がとれない。最低2週間前などざら。風邪などには使えない(ただもちろん緊急の場合の救急対応はある。)
  • 適当な医者もいる

というのは、無料なのでいつも混んでいるのと、NHS提携病院の医師は、プライベートの医者とは違って、どんなに患者を診ても収入が変わらない。なのでモチベーションが低い医師も多い。

※NHSの保険料はイギリスで働く場合、給料から天引きされる。だが、2015年から外国人に対しては特別に、ワーホリなどのビザを事前に申請する際、その年月分(2年滞在のビザなら2年分)のNHS料金の支払いが義務付けられた。就労ビザなどのTier2ビザに関しては不要(2018年5月現在)。

あともちろん、NHSでは日本語対応のところはないし、日系病院でも必ず日本語対応のお医者さんに当たるとは限らない。持病がある人などは、自分の症状や普段使っている薬を英語で言えるようにしておくといい。

NHSの薬代についての記事はこちらも参考にしていただきたい。

GPという制度

これは日本人にはさらに馴染みのない制度である。

イギリスの病院で診察を受けるには、まずGP(General practice)という「かかりつけ医」に自分の住んでいる地域内で登録しないといけない。なので、選べる医院は限られている。

Find GP services

上記はNHSのページ。ここから自分の家のポストコードを入れると、登録できるGPのリストが出てくるので、その中から選んでオンラインで登録する。実際に訪問しての登録も可。

※2015年から、この範囲外のGPにも登録できるようになったそうだが、その申込みを受け入れるか受け入れないかはGPが判断するとのこと。

引っ越しなどでGPを変えたら変更登録をする必要がある。診察履歴は受け継がれるようになっている。

NHS病院には必ずGPがおり、プライベート病院でも総合病院にはGPはいるので、必ず最初はGPの診察を受けることになる。

プライベート病院の場合は、普通に病院に予約をし、行った先でGPの診察を受けることになる。

どんな症状であろうと、まずこのGPにかからないといけない。このGPは幅広く一般的な症状を見られる医師とされていて、包括的にどんな症状でも診てくれる。

最初から専門の科に直接かかれない

日本のように、症状によって「今日は耳鼻科に行こう」「内科に行こう」などができない。

まずGPの診察を受け、GPが「これは専門医にかかった方がいい」と判断したら専門医に紹介状を書いてくれて、そこで初めて専門の科にかかれるという仕組みだ。

この場合、通常NHSの専門医を紹介されるが、個人で保険に入っていて希望すれば、プライベートの専門医にもレターを書いてくれるはずだ。

日本では、最初から眼科、耳鼻科、内科、外科など、専門医に診てもらえるが、ここではワンクッションおかなくてはいけない。
私はいまだにこのGP制度に慣れない。はっきり言って非効率だと思う。

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