イギリスに花粉症があるかどうか知っているだろうか?
直球に言えば、答えは「ある」だ。だが、日本の花粉症とは少し事情が異なる(症状は同じ)。
目次
イギリスも花粉症はある
イギリスでは花粉症はhay feverといい、日本と同じく多くの人を悩ませるアレルギー症状である。
花粉症の症状
イギリスの国民保健サービス(NHS)のウェブサイトによると、イギリスで花粉症とされる症状は以下の通り。まあ日本と同じである。
- くしゃみ、咳
- 鼻水、鼻づまり
- 目のかゆみ、涙目
- 喉、口、鼻、耳のかゆみ
- においを感じなくなる
- こめかみやおでこの痛み
- 頭痛
- 耳の痛み
- 倦怠感
喘息を持っている場合は、さらに以下の症状が現れることがある。
- 胸が苦しい
- 息切れ
- ぜえぜえしたり咳が出る
だが、日本人の多くの悩みである「スギ花粉症」はイギリスにはない。
杉は日本にしかない
日本の杉は、英語ではJapanese Cedarといい、日本固有種である。イギリスには日本の杉はない。
なので、スギ花粉症の人がイギリスに来ると、花粉症から解放される可能性がある。現に私がそうだ。大変快適な春を過ごしているのである。
しかし、イギリスには他の種類の花粉症がある。
芝アレルギーかもしれない?
日本ではあまり聞かないけれど、イギリスではよく聞く花粉症の1つに、芝花粉がある。
イギリスでは芝生が至る所にある。公園はもちろん、個人の住宅の庭、住宅街のちょっとしたグリーンエリア、広場など、どこにでもある。この芝が出す花粉によりアレルギーを発症する人は多い。イギリスに住んでいる日本人でも芝花粉症になっている人を、私は数人知っている。
花粉の種類によってかかる時期も違う
花粉の時期は、植物の種類によって異なる。
イギリスでは、以下が一般的な花粉症のサイクルとされる。
- ハシバミ……1~4月
- イチイ……1~4月
- ハンノキ……1~4月
- ニレ……2~4月
- ヤナギ……2~4月
- ポプラ……3~4月
- カバノキ……3~5月
- セイヨウトネリコ……3~5月
- スズカケノキ……3~5月
- オーク……4~6月
- 松……4~7月
- ライム……7~8月
- 芝……5~9月
- ヨモギ……7~8月
- イラクサ……5~9月
- アブラナ……4~6月
- プランタン(オオバコ)……5~8月
調べてみて、こんなに種類があるなんて驚いた。日本にいた時はスギとブタクサくらいしか聞いたことがなかった(日本でももっといろいろ種類があるんだろうけれど)。
自分でできる対処法
NHSが推奨している自己対策は以下の通り。
やってみたほうがいいこと
- ワセリンを小鼻につけて花粉を防ぐ
- 目の周囲を囲むサングラスを着用する
- 外から帰ってきた後はシャワーを浴び服を変える
- できるだけ室内にとどまる
- できるだけ窓やドアを閉めておく
- まめに掃除機をかけ濡れ雑巾でチリを取り除く
- 車や掃除機に花粉フィルターをつける
やめた方がいいこと
- 除草作業や草のある場所を歩くこと
- 外で長時間過ごす
- 生きた花を室内に置く
- 喫煙または喫煙者の傍にいること……症状を悪化させる
- 外で洗濯ものを乾かす……花粉がついてしまうため
- ペットを家に入れること……外から花粉を持ってきてしまう
薬局で抗アレルギー薬をもらう
ドラッグストアや薬局では、市販の抗アレルギー薬も数ポンドで手に入る。アンチヒスタミンの錠剤や、喉・鼻用スプレーや目薬などだ。または、カウンターの薬剤師に花粉症であることを相談すると、症状に適した薬を選んでくれるだろう。
どのアレルギー薬が効くか効かないか、人によって個人差があるので、何種類かトライしないといけないこともあるかもしれない。
医者で花粉症の対処はしてくれるのか?
NHSのウェブサイトには、医者にかかるとステロイドで治療をする場合があり、それも聞かない場合は免疫療法を行う場合もあると記載がある。
ただ、イギリスは普通の病院は数週間先まで予約で埋まっていることが多いので、「今すぐこの花粉症をどうにかしたい」という状態でもかかれないことがほとんどだろう。薬局で薬をもらったほうが早いと思う。
イギリスの医療制度について詳しくはこちら。
花粉症かどうかわからない、または何の花粉のアレルギーなのか知りたい場合は、医者で調べてもらえる場合もある。パッチテストや血液検査などだ。
私はアレルギーテストはしたことはないが、過去に血液検査をしたことがある。その時のことはこちら。
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