風呂場にコンセントなし?台所に洗濯機?イギリスの家の日本と違うところ

ロンドンでの家探しや住宅事情については色々と書いてきたが、イギリスの家と日本の家との違いはあまり書いてなかったように思う。

ロンドンの基本的な住宅事情についてはこちらを。

ロンドンの家探し注意点と心構え&便利なウェブサイトまとめ

これまで結構な数のロンドンの家や集合住宅に住んできたので、それなりに色々なパターンを見てきた。ここでは、実際に住んでみて気づいた、日本と違う家事情を紹介しよう(※家によるので、もちろん例外もある)。

賃貸では家具が備え付けのところが多い

まず最初に、一番の日本との違いはこれ。基本的に、賃貸の場合、イギリスの家やマンションは家具が備え付けのところが多い。ベッドや布団、ソファー、洗濯機、冷蔵庫などの大きなものから、コップやカトラリーなどの細々とした日用品までついている(※どの程度ついているかは物件によるが、大きな家電や家具は基本ついている)。

物件を探す時にunfurnished/funishedという記載があるが、これが(家具付き/家具なし)に該当する。

身軽に引っ越せるので、なかなか良いシステムだと、ロンドンでめちゃくちゃ引越した経験のある私は思う。

ユニットバスが多く、風呂には洗い場がない

そして、多くの人がご存知の通り、こちらではトイレと風呂が一体になったユニットバスが多い。

そして風呂には日本のような洗い場がない。さらに、日本のように自動給湯も追い焚きもないシステムなので、浴槽に湯を溜めて入りたい時は溢れないように気をつける&冷める前にすぐ入ることが必須となる。正直めんどくさい。

さらに、浴槽に湯を張って浸かる時は、

  • 体を先に浴槽内で洗う→湯を張って浸かる
  • 先に湯を張って浸かる→湯を抜いてから浴槽で体を洗う

のどちらかになる。

1番目の選択肢は湯を溜めている間に体が冷えるし現実的ではないので、必然的に2番目の順序になる。
だが体を洗った後にもう一度湯に浸かることができないし、また、ヘアトリートメントでよくある「塗布後、数分おいてから流してください」という使用法に準じたい時に、その数分の間浴槽に浸かることはできず、震えながらシャワーをかけ流すという状態になる。イギリス人はそういう放置系トリートメントの時どうしているのだろう……。

こんな状態なので、私はイギリスに来てから湯に浸かるのが億劫になり、ほとんどシャワーだけですませるようになった。だが湯にも浸からずただ体と頭を洗い長い髪を乾かす行為は、私にとっては疲れがとれるどころかただの重労働である。

イギリスに来てから風呂が重労働になり面倒くさくなった。日本にいた時はお風呂大好きだったのに。本気で洗い場がほしい。

湯船がないところも結構ある

また、湯船の存在すらなく、シャワー室のみ持つ家も珍しくない。四方を囲まれた細長い狭いシャワー室の中ですべてを済ませなければいけない設備のところもあり、日本人の風呂観からはかなり隔たりがあるといえる。

あと、24時間お湯が出ない家も今どきある。賃貸物件情報を見ていると「24時間お湯使用可」という記載がメリットとして表示されているところがある(これがメリットになるということは出ない家もあるということ……)。

バスルームにコンセントがない(法で禁止)

また、バスルームにはコンセントがない。これはホテルに行っても同じである。イギリスでは、浴槽またはシャワーから3m以内にコンセントを設けることは法で禁止されているのだ。

ただ例外として、ひげ剃り用の特別な形状のコンセントはOKで、これはあるところも多い。

こういうやつ。電圧は110Vと書かれているが、イギリスの普通のコンセントの電圧は240Vなので、電圧の強さが許可に関係しているのかもしれない。

このシステムは、バスルームに普通にコンセントがありドライヤーなどを使うのに慣れた日本で暮らしてきた人間にとってはとても不便だ。

洗濯機がキッチンにある

また、洗濯機がキッチンにある家も多い。

イギリスの洗濯機は乾燥機能のついたドラム式(日本の家庭に多い縦型ではなく、コインランドリーにあるような正面に扉のあるもの)で、キッチンにある場合はシンクの下にはめ込まれている。水回りだから同じ場所に置く方が効率がいいのだろうか……。

慣れればどうってことはないのだが、洗濯をするたびにシンク下の洗濯機の扉を開けるのは最初はなんだか変な感じがした。今の家はキッチンから離れたところにあるので、日本の感覚に戻った感じ。

洗濯機がやたらうるさい

また、洗濯機がやたらうるさい。普通に洗濯しているだけなのに、轟音を出しものすごい振動する。2階建ての家に住んでいた時は、2階からも階下の洗濯機を回しているのがわかるくらいであった。

家具付きの物件では洗濯機も元々ついており、大家の許可がないと買い替えもできないので、必然的にこの轟音洗濯機を使うこととなる。ちなみにうるさくない洗濯機は高い。だから備え付けの家具はだいたい安い轟音洗濯機になってしまうのだろう。

洗濯機を回したことを忘れ、どこかから聞こえる爆音と振動に「地震か!?」と思い、そこは地震大国から来た訓練された国民として「まずはドアを開けて逃げ道を確保……!」と勢いよく部屋から飛び出したものの、その主は洗濯機であった、ということが何度もある。

食洗機はキッチン内蔵型で大きい

食洗機がある家とない家があるが、ある場合はキッチンにはめ込まれている内蔵型である。日本でよく売られているような、小型の食洗機はほとんど使われていないと思う。おそらく、こちらの食器は平皿が多いし、大きい皿もよく使うので、ある程度大きさが必要なのではないか。

かなり大きいので、たっぷり皿や調理器具を使ってもほとんどの場合1回で洗える。手で洗うより強力で汚れはかなり落ちるので便利なことこの上なし。もちろんしつこい油汚れや食材の切れ端は取り除いて入れないといけないけれど。

冷房:エアコンという発想がない

基本、家にはエアコン設備というものはないと思っておいてよい。

そもそも、イギリスという国自体が本来は年中涼しい〜寒い気候のため、冷房という概念があまりなく、家だけでなく交通機関や他の建物にも冷房設備が欠落している。さらに、一部の古い建物にはそもそもエアコン設置が許可されていないものもあるという。

また、日本の家には必ずある、壁に取り付ける型のエアコンはほとんどない。飲食店などにはあるが、住宅用には普及していない。

なので、冷房は基本ポータブル式のものを買うことになる。送風だけでなくちゃんと冷風機能もあるが、やはり日本の取り付け型のあのエアコンの性能には敵わない。

詳しくはこちらを。

欧州はなぜ暑さに弱いのか―イギリスが25℃で過ごしにくくなる理由

暖房:セントラルヒーティングで家全体を暖める

一方で、寒い国なので暖房設備はどの家でもしっかりと備えられている。セントラルヒーティングというシステムで、ボイラーを稼働して、すべての部屋にあるラジエーター(暖房器具)に熱を伝え、部屋を暖めるという方法だ。

ラジエーターは各部屋の壁に取り付けられていて、大きさはさまざま。

こんな風に、平たくて壁に沿うように取り付けられている。端についているつまみは温度レベル(1〜6とか大まかな区分け)を調節するスイッチである。

このシステムはイギリスだけでなく、ヨーロッパ全体で一般的な暖房システムのようだ。

かなり温まるので、冬でも室内は快適に過ごすことができる。ただ、ボイラーに何か問題が起きると家全体の暖房設備に支障が出る。そしてこの国では修理業者の対処が日本と比べて大変よろしくないので、なかなかに大変である。

例:約束を守らないイギリスの業者との体験談【イギリス生活トラブル】

※ちなみにこの時の問題はその後解決した。


住んでみると、結構いろいろな違いがあるなあと思う。居住環境はその国の気候や文化にも関係しているから、なかなか面白い。