欧州はなぜ暑さに弱いのか―イギリスが25℃で過ごしにくくなる理由

昨年(2018年)の夏、イギリスを含む欧州は記録的な猛暑に見舞われた。

イギリスは普段から寒冷なため、通常なら暖かくなる夏はベストシーズンである。

  • 気温が極端に上がらない。ロンドンでは夏に25℃を超えたら「今日は暑いねえ」という感じ
  • 日本に比べると湿気がかなり少ない
  • 日陰に入るとかなり涼しい

こういう天候のため本来イギリスの夏は快適なはずなのだが、昨年の夏は30℃を超える日が2週間以上続き、35℃を超えた日さえあった。日本でも、「欧州が熱波で記録的猛暑、死者も」のようなニュースの見出しが出たに違いない。

そしてこの記事を書いている今日の最高気温は33℃である。今年(2019年)もあのとんでもない夏がやってくるのか…? と恐々としている。

イギリスでは、少し気温が上がるとだいぶ過ごしづらい。20℃台後半ですでに外に行く気をなくす。

日本、特に東京の暑さは当然私もよく知っている。日本よりも湿気はないし、気温も日本ほど上がることは少ない。20℃台後半なんて日本の暑い日と比べたら全然マシな温度である。

なのになぜイギリスではこうなってしまうのか。その理由をお伝えしよう。

理由は冷房が整備されていないから

それは、ひとえに「暑い事態を想定していない」社会だからである。端的に言うと冷房設備が全体的に欠落している。暖房設備はバッチリなのにだ。

例を挙げていこう。

家にクーラーがあるのが普通ではない

こちらの家やマンションは、エアコンがない、またはエアコンを取り付ける前提がない。うちのマンションにももちろんない。

だが昨年の猛暑で、多くの人がクーラーを購入したようだ。我が家もかなり早い段階で手に入れた。しかし、日本のようなあの快適な取り付け式エアコンではない。あれは工事も必要だし(おそらく大家の許可は下りない)、そもそもあまり売っていない。

オフィスやホテルやお店なら取り付け式エアコンはあるが、一般家庭で取り付け式エアコンのある家はごく少ない。では暖房はどうしているのかというと、一つの熱源で家中を温めるセントラルヒーティングというシステムが普及している。
暖房はあるのに冷房がないのがイギリスだ。おそらく、フランスやドイツや北欧など他の寒冷な欧州国も同じような感じなのではないかと思われる。

こっちで一般家庭が手に入れられるクーラーといえば、これである。

これは我が家の愛機だが、後ろに太いホースがついているのがおわかりだろうか。このホースの先を窓からちょこっと出して、家の中の暑い空気を排出しなければならない。

しかも、内部にたまった水も別の管から外に出てくるので、バケツは必須である。

使う時にわざわざホースとバケツをセッティングしないといけず、使い終わったらまたそれらを引っ込めるのが面倒くさく、また雨の日は窓の隙間から雨が入ってくるし、日本のクーラーに比べると不便だ。そしてもちろん空冷だけで暖房機能はない。

交通機関にクーラーがない

これが気温の高い日に外に出るのを躊躇う一番の理由だ。

特にロンドンの地下鉄とバス。最新の線や車両なら冷房が整備されているものもあるが、ロンドンのほとんどの地下鉄は古いため冷房設備はなく、25℃を超えたらすでに蒸すし臭いし暑いしで地獄と化す乗り物である。
そして冷たい飲み物を売る自販機は存在しない。

ロンドンで地下鉄(チューブ)に乗る際に気をつけるべきこと

この記事↑でも触れたが、暑い日は必ず飲み物を持って地下鉄に入ること。

バスもバスで、外を走っているので蒸し度は地下鉄よりはマシだが、暑いことに変わりはないし、直射日光が窓ガラス越しに刺さってきて痛い。

店にクーラーがない/またあっても弱い

街中のお店でも、クーラーがないかつけていても弱めの設定(なんか空気がぬるい)のところが多い。デパートなどの大型店は、日本では空調がばっちり効いているが、ロンドンでは中に入っても汗をかくほど暑いことがある。

スーパーなど生鮮食品を扱うお店はもちろん冷えているので、街で手軽に入れる避暑地としてスーパーだけが救いである。

日本人の感覚としては、30℃超えてたら普通冷房つけるでしょ…となるが、それでもつけないで過ごしている(またはわからないほど微弱)のがこの国なのだ。なので高気温になった時は外出そのものがかなりしんどい。


これらの理由により、暑い日のロンドンは結構辛い。まあ、日本より過ごしやすい気候の方が年間を通じて多いのは確かだが…。

最近は夏に暑くなることが多いので、観光に来る人は上記のことを念頭に置きつつ、熱中症などに気をつけて外出してもらいたい。

観光にもおすすめ!ロンドン内を水上バス(Thames Clippers)で移動してみよう!

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