イギリスの住所証明と銀行口座開設について知っていること全部教える

2018年5月9日

イギリスに住み始めた者を襲う最初の難関の一つが「住所証明」である。

この記事では、諸説あるイギリスの住所証明について、これまでのイギリス生活においての自分の体験かつ、人から聞いた情報など、私が知っているあらゆることを一つにまとめてみた。

住所証明とは何か

文字通り、現在住んでいる住所を証明する書類のこと。この住所証明、重要な契約やらビザ申請やらで何かと求められる。

多分、移住はじめに出会う一番多いパターンは、銀行口座の開設時。

銀行口座開設と住所証明

初めてイギリスで銀行口座を開設する際の住所証明は、とても大変である。逆に、一度銀行口座が作れてしまえば、後の住所証明はとても楽になる。その理由はこの記事の最後で説明する。

イギリスで大手銀行の代表と言えば、

  • バークレー(Barclays)
  • HSBC
  • ロイズ(Lloyd’s)
  • RBS(Royal Bank of Scotlandの略、Natwestもこのグループ)

これが「ビッグ4」と呼ばれる銀行である。イギリスに来た人はこの中で口座開設をすることになるだろう。

その際、住所証明の提出が必要になる場合がある。

何が住所証明になるのか

住所証明になるものは、

  • (イギリスの)パスポート
  • (イギリスの)運転免許証
  • 公的機関からの家への手紙(税務署からの手紙や銀行からの明細などの郵送物)
  • 個人で入っている保険関係の家への手紙
  • 光熱費の請求書
  • 所属する語学学校や大学が発行する住所証明
  • 所属する企業が発行する住所証明

などの、住所が載っている書類だ。

イギリスのパスポートや免許証なんて持っているわけないし、住み始めは家に手紙なんて来ないし、おそらく頼れるのは下3つになるだろう。

だが、もし家賃が光熱費込みの場合は請求書も来ない。イギリスではそういう物件も多く、私は今まで7回引っ越しをしたが、全部家賃に光熱費込みのところに住んでいた。

そして学生でもなく、仕事にもついていない(または求職中)という場合は、上記全部使えないのである。

なぜか賃貸契約書などはだめ

これが不思議なのだが、この国ではなぜか賃貸契約書や大家発行のレターなどは住所証明書としてカウントしてもらえないことが多い。少なくとも私はそれを住所証明の代わりにできたことがない。

賃貸契約書よりも、家に送られてくる銀行の明細の方が住所証明として強力なのだ。なぜかはわからない。銀行からの手紙だって、全然違う住所を登録して手紙をそこに来させるようにする偽装なんていくらでもできそうだが…。

実質、何が使えるかは銀行に行ってみないとわからない

ちなみに、銀行口座開設に住所証明は必ず必要なのか、他の在英邦人の皆様にも聞いてみた。

ツイッターでのアンケ―ト。お答えいただいた12人のうち、8人が口座開設に住所証明が必要だったとのこと。しかし、必要なかったという答えもあるわけで、証明なしでも乗り切れる場合もある。私も証明なしで開設した。

住所証明を用意した人は、大学に所属していた方で大学や学生寮からのレターを持っていったという答えもいただいた。

また、お答えいただいた方や私の体験から、あいまいな点や例外もある。

  • 終了間近の学校からのレターで断られたという人もいた(終了日が迫っているから?)
  • 家に届いたNIナンバー(仕事をする人は取得しなければならない個人ナンバー)の通知書類を住所証明に出来たという人もいた
  • 私の場合、NIナンバー通知の手紙は住所証明にできなかった

実際、行ってみないと何が住所証明として判断されるのかわからないこともある。

同じ銀行でも、人によって、支店によって言うことが違っていたりするのだ。そもそも担当者の知識が間違っている可能性もある。これは頭に入れておいてもらいたい。一番日本人が混乱する部分だからだ。

なんじゃそりゃ、って感じだが、日本のように、店員や係の人、担当者が正確にルールを共有、把握していると思わないほうがいい。そういう国ではないのだ。イギリスは。

銀行口座開設時の住所証明問題を突破する対策

この記事を書いている今より3年前(2015年)、私が渡英したばかりの時のこと。学校にも企業にも属しておらず、光熱費込みの家に住んでいた私の住所証明事情は詰んでいた。限りなく詰んでいた。銀行口座を開かないといけないのに、住所証明ができない。

同じような人のために、考えられる対策をここに書いてみる。
私が口座開設をした方法は、対策③である。

対策①住所証明不要のオンライン銀行を先にオープンする

私が渡英した当時はオンライン銀行のサービスはなかったが、今はイギリス内でも様々な選択肢がある。

これらのオンライン銀行は住所証明がいらないので、渡英したばかりの人でも開設しやすい。

オンライン銀行口座を開くと、カードが郵送で送られてくる。その郵送時の手紙がもしかしたら住所証明として使えるかもしれない。

オンライン銀行の口座さえ開ければ、他の銀行の口座は必要ないよ!と思うかもしれない。確かにオンライン銀行でもできることは同じなので、機能的には他の銀行は必要ないのだが、システム障害やその他の問題を考えると、大手の銀行の口座も開設しておいた方がいいと思う。

そのことも含めて、詳しーくこの記事に書いたので、参考にしてもらいたい。

対策②とにかく就職をしてしまう

ワーホリなどで来ていて、就職する予定の場合、就職先をまず決めてしまうというのも手かもしれない。「口座を開いてないと働けないんじゃないの?」と思われるかもしれないが、そうでもない。私の周りには、就職してから企業のレターをもらって口座を開設した人が何人もいる。

実際、私もある会社に所属してから、「口座開設用のレターいりますか?」と聞かれたりした。その時はすでに開設していたから必要なかったのだけど。

事情を話せば、受け入れてもらえるところは多いはず。

対策③ロイズ銀行はねらい目…かも?

在英法人の間でも、銀行の中でもここは厳しいここは緩い、などいろいろな噂が飛び交っている。

どこの銀行が緩い厳しい、というのは個人の体験によるので、一般化は難しい。先ほど言ったように、同じ銀行でも担当者や支店によって対応も異なるからだ。

私の場合、ロイズ銀行で住所証明なしで口座を開設した。

ロイズ銀行の中でもピカデリーサーカス支店は、日本人なら証明なしで開設できるという噂を聞いて行ってみたら、本当に開けた。以前そこに、日本人の行員の方が勤めていたことがあり、日本人は開設しやすかったという話を聞いたことがある。

私がここで口座を開設したのは3年前なので、今もそうかはわからないけど、トライしてみる価値はあるかも?

実はその前に違う場所(ゾーン4)のロイズの支店にも行ったのだが、上で書いたように、NIナンバーのレターを持っていってもそれは使えず、他の証明を持ってこいと追い返されてしまった。

日本人の体験談を探すと、ロイズ銀行は日本人に優しく、住所証明なしでも口座開設ができたという声が他にもちらほらあった。だが2017年から、どうやらロイズ銀行でも住所証明が必要になったらしい、という情報をウェブで見つけた。
確かに、ロイズの公式サイトにも住所証明が必要とは書いてある。

対策まとめ

銀行口座開設を成功させるコツは

  • まずオンライン銀行で口座を作る
  • ビザや通学の期間には余裕をもって申し込む(終了間際に行かない)
  • 学生なら学校の最寄りの支店にトライ
  • 先に就職をしてしまう
  • ロイズ銀行はワンチャンスあるかも…?

ってところだろうか。保証はできないけれど…。

銀行の郵送明細は大切!!

さて、銀行口座が開けたら、オンラインバンキングも使えるようになり、取引明細書をオンラインでの閲覧のみにするか、定期的に郵送でも家に送るか選べるようになる。銀行側は「エコだから」的なことを言って、郵送停止を奨励しているが、それに従ってはならない。

声を大にして言いたいのだが、郵送されてきた銀行からのレター、それは大事な大事な住所証明になるのだ。
送られてきた銀行の紙明細は絶対に捨てないこと!いざ住所証明が必要になった時、一番手間もかからずそのままさっと使えるのが銀行からの手紙である。

他の公的機関からの手紙、税金関係や保険関係は確定申告やその他に使う場合もあるし替えがきかないので他のところに提出しづらいが、銀行の明細ならオンラインでも見られるし、紙バージョンをどこかに提出しても問題ない。私は現在のビザや、イギリスの運転免許証を申請するときにも銀行の明細を活用した。

慣れたとはいえ、未だにこの住所証明は不可解というか、解せないシステムである。

この記事がこれからイギリスで住所証明が必要になる方にとって、少しでもお役に立てれば幸いだ。