イギリスには青い卵がある。「blue egg」と呼ばれており、その名の通り本当に殻が青色なのだ。
今まで買ったことがなかったのだが、ふと気になったので、青い卵と普通の卵を食べ比べてみた。
目次
イギリスで多いのは茶色の卵
そういえば、日本にいた時は白い卵が普通だったよな、と思い出した。イギリスでは普通に売られている卵のほとんどが茶色である。
日本でも白色の他に茶色の卵があるが、中身はどちらも同じらしい。鶏の種類が違うだけとか。
青い卵も中身は一緒なのかどうか……?
ブルーエッグは本当に真っ青
スーパーで入手した卵。右がブルーエッグ、左が普通の(茶色の)卵。一応同じブランドのものを選んでみた。お値段は両方とも6個入りで2.40ポンド。高い。
私が普段買っている安い卵は、15個入りで1ポンドとかそれくらい。卵格差度は高い(なんだそれは)。
ブルーエッグだから高いというより、このブランドが高級なのね……。茶色の方もブランド鶏なのだと思う。
中はこんな感じ。ブルーエッグは絵具で塗ったような、ムラのない綺麗な薄青色。少し緑っぽくも見えるかも。
なぜブルーエッグは青くなるのか?
青い卵を産む種類の鶏は数種類いる。そのうち特に有名なのがアローカナで、南米、チリ原産の古い種だという。
今回買った、「Old Cotswold Legbar」という品種も、1920年代にチリからイングランド内のコッツウォルズという地域に運んできた原種から生まれたものなのだそうだ。なので名前には「Old Cotswold」とついている。
ニューヨークタイムズの記事によれば、この種の鶏の体内では、胆汁を生産する時に一緒にoosyaninという青い色素を生産する。
卵が卵管を通る間にその色素が吸収され、殻が青くなるのだという。
ブルーエッグと普通の卵を食べ比べ
早速、ブルーエッグと普通の卵の味の違いに迫るべく実食してみた。せっかくなので、生のものと過熱状態のもの、両方試してみた。
割ってみた状態
右がブルーエッグで、左が普通の卵である。どちらも同じ黄色だが、ブルーエッグの方が若干色が薄い。なんだ、ブルーエッグとはいえ中身は黄色なのか。
オムレツ
まず、火を通した状態で食べてみる。シンプルなオムレツはどうか。比較のためにあえてバターや牛乳や具は何もいれず、塩コショウだけでいってみる。
できた。右がブルーエッグ、左が茶色の。
卵1個だけで具もなしで作るとオムレツはこんなに薄くなるのだ、という知見が得られた。今更ながらこの記事はインスタ映えなどは一切重視しないのでご了承願いたい。
とりあえず実食。
ふむ……味は微妙ーーに違う。というか、味のベクトルは同じなのだが、ブルーエッグの方が、卵の味が濃い……! 濃厚に感じる。
ブルーエッグを食べてから茶色の卵の方を食べると、味が薄く感じる。後半はケチャップをかけてみたが、やはり同じ感想。ケチャップの酸味と卵の濃厚さが引き立て合って、ブルーエッグの方が美味しかった。
卵かけごはん
では生卵の状態で食べたらより違いがわかるのではないか……? と期待に胸を膨らませる。
イギリスでも生卵は食べられる。きちんとサルモネラ菌除去の検査を受けて、政府公認で「生食OK」とされた卵があるからだ。
詳しくはこちらの記事を参照のこと。
イギリスでは生卵が食べられる! 政府公認の安全な卵の見分け方とは?
要は赤いライオンマークがついている卵は生食OKなのだが、なんとこのブランドの卵にはそのマークがない……!
なんと、ここまで来て生食できない卵だったのか……! だが私は諦めない、とこのブランドの公式サイトに行ったら、「当ブランドの卵についている王冠マークは、単にライオンマークの代わりにつけているもので、すべての安全基準を満たしています」とある。
この青い王冠マークがそれである。これがライオンマークの代わりであるならば、生食も可能……! 茶色の卵の方にも同じ王冠マークはついていた。一安心。
というわけで、卵かけごはんもいってみよう。
(これ撮る必要あったか……?)
右がブルーエッグで左が普通の卵。
食べてみたけど……正直、違いがわからない。一応醤油も同じ量をはかって入れてみたけど……。あえていえば、ブルーエッグの方が茶色の卵よりほんの少し小さかったけど、醤油の味が薄いところかな。でもこれも誤差って感じ。
オムレツを食べたのと卵かけごはんを食べたのは違う日なので、その日の体調とか味覚にもよるのかもしれない。そうであるにしろ、それで左右されるほど、差は微妙だったということである。
というわけで、個人的な感想としては、ブルーエッグのメインの特徴は見た目のファンシーさだね! ということになった。
これはこれで、一度試してみたかったので良い経験となった。終わり。
イギリスの食文化を知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
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