イギリスで定番の朝食であるポリッジ(オートミール)の塩味バージョンを紹介したい。日本人にはあまり馴染みがないこの食べ物、結構不評も目にする。でも、お粥や雑炊に慣れている日本人なら、塩味だと食べられる人も多いんじゃないかな、と思って。
ポリッジとは
日本ではオートミールと呼ばれている、オーツ麦のお粥のこと。どうやらオートミールはアメリカ英語らしい。イギリスではポリッジ(porridge)という名前で呼ばれるのが一般的だ。乾燥した麦の状態で売られていて、自宅でふやかして粥状にして食べる。
イギリスの朝食でよく食べられているものの一つで、スーパーではどこにでも売っているし、カフェのブレックファーストメニューにもほぼ必ずある。
元々は、このタイプの麦がよくとれたスコットランドでよく食べられていた歴史を持つという。
オーツ麦は腸内環境改善に◎
オーツ麦には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がどちらも含まれており、腸内環境の改善に役立つという。全粒穀物なのでビタミンやミネラルも豊富に含まれる。
白米に比べるとGI値が低いことから、ダイエットにもよく取り入れられているようだ。またコレステロール値を下げるという研究結果もあるらしい。
まあ要はお粥なので当然と言えば当然だが、少量の穀物で満足できるのもいいところ。白米の粥よりもやや腹持ちがいいように感じる。
イギリスでの一般的なポリッジの食べ方
温かい水や牛乳でふやかしたオーツ麦を皿に盛り、砂糖や蜂蜜などをかけ、お好みで果物やナッツ類を加える。これがイギリスで出てくるポリッジである。粥状にしたオーツ麦はとろとろもっちりした食感。
※ネット上のフリー画像
こんな感じ。
うまく作ればめっちゃ映える。※これもフリー画像
だが、甘いお粥であるこの食べ物は、あまり日本人の口には合わないかもしれない。私は甘いもの全般が苦手なので、なおさらこのタイプのポリッジはきつい。また、基本的に温かい状態で食べるものなので、生の果物が温かくなってしまうのもなかなかきつい。生温くなったブルーベリーを食べたときには「うーん……」となったものだ。
そこで、私は日頃からこのポリッジを塩味で食べている(これを言うとイギリス人には「変なの~」と言われるけれど)。要は粥や雑炊を食べる文化圏で育ってきた人間なのだから、それに近づければいいのだ。
塩ミルクポリッジはリゾットみたいで美味し
少し調べてみたら、実はスコットランド伝統の食べ方も、塩を入れて煮てから牛乳に浸して食べるというものらしいから、この塩ミルクポリッジはむしろ伝統に近いのではなかろうか?
この食べ方、超簡単で即席ミルクリゾット風のものができるので、私は結構気に入っている。安い、早い、うまいの三拍子。
リアル3分クッキング。我が家での作り方を参考までにお見せしよう。簡単すぎて説明するまでもないが。
ベーシックな材料はこの3つ。ポリッジ用に売られているオーツ麦と、塩、牛乳。麦と水分の割合は、1:2~1:5まで人によってさまざまな意見があるようだ。個人の好みでいいと思う。
一食分は40~50gくらいかな。今回は50g。
私は麦と水分を1:5で作る。小さめの鍋に250mlの水分(水と牛乳を半々)を入れ、火にかけて沸騰するまで数分待つ。
沸騰したら麦を投入。
かき混ぜながら麦を浸す。30秒~1分くらいでいい(この時に割とさらっとしていても、皿に盛るとすぐとろっとなる)。自分の好きなあんばいで塩を振る。しっかり目に塩味をつけた方が美味しいと個人的には思う。
クリーミーさを調節したい場合は水の量を増減する。
完成。超簡単。見た目は確かにそんなにいいとは言えないし、果物とか入れたバージョンに比べると地味~な感じ。
もちろん本物のリゾットと同じとは言わないが、系統としては似ている。甘いバージョンよりずっと食べやすいと個人的には思う。米の粥よりもう少し噛み応えがある感じかな。
具を入れたり、雑炊風に作っても美味しい
この塩ミルクポリッジに細切れにした野菜や鶏肉、エビなんかを入れても美味しいし、水だけで作ってお茶漬けの素を混ぜたり、いろいろ具を入れて雑炊風に作ってもイケる。結構なポテンシャルを秘めている食べ方だと思うのだ。
食感そのものが苦手だったり、麦くささ? が気になる人はこれでもだめかもしれないけど……。日本でも、オートミールの処理に困っている人はぜひ試してみてね。
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