イギリスの消費税(VAT)は20%!でも納得できるシステムなのはなぜか

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お金・経済

イギリスは物価が高いことで有名な国である。確かに、日本と比べればあらゆるものが高い。そして、消費税も日本よりはるかに高い。

しかし、私はなんだかんだイギリスの消費税には納得している。ここでは、イギリス政府が開示している情報を参考に、イギリスの消費税(VAT)について説明していく。

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イギリスの消費税はいくら? 

イギリスで売っている商品にかかる消費税は、VAT(Value-added tax)と呼ばれ、3種類にわけられる。

  • Standard……20%
  • Reduced rate……5%
  • Zero rate……0%

Standardが基本の消費税である。2011年に、17.5%から20%にアップした。

20%の消費税となると、ものすごく高く感じる。レストランで食事をすると、基本の価格の上にこのVATとさらにサービス料(最近はチップ制ではなく元からレシートにサービス料が含まれている飲食店も多い)が乗るため、結構な金額になったりする。

しかし、Zero rateに注目してほしい。そう、消費税がかからない商品もあるのである。

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基本の食材やベビー用品は消費税0%

zero rateやreduced rateに該当するのは、基本の生活に必要と考えられているもの。食材や赤ちゃん用品、また福祉関係のサービスなどである。ただ条件を満たしていないといけないものもあるので、例外もある。

なので、例えば食費は自炊すればかなり安く済む。常に自炊するとして計算してみたら、私1人だったら1ヵ月100ポンドくらい(現在のレートで1.5万円)ですんでしまう。実際は外食もするしもっとかかるけれど……。

以下、カテゴリ別の消費税をざっくりと訳してみた(元資料:VAT rates on different goods and services)。

以下の情報はすべて2020年10月時点のものです。今後変更になる可能性があります

飲食費

  • 0%……ほぼすべての食材、ベビーフード、ペットの餌、植物の種など。ペットまで含まれているのはすごい。
  • 20%……アルコール類、水を含むソフトドリンク類、お菓子やスナック、デリバリーやテイクアウト品、飲食店で提供する食事など。

娯楽やスポーツ

  • 免除(条件はいろいろある)……スポーツ教育のアクティビティ、賭け事や宝くじ、美術館や博物館への入場料など
  • 20%……上記に該当しないもの

衣服や安全用品

  • 0%……幼児または子ども用の衣服、工業用の防護ブーツやヘルメット、自転車・バイク用ヘルメットなど
  • 5%……子ども用カーシート、ベビーカーなど
  • 20%……上記に該当しないもの

健康や福祉関係のサービス

  • 免除又は0%……チャリティ団体による商品販売やイベント、活動、障害がある人のための生活補助用品、葬式費用、医療費や薬代など
  • 5%……高齢者のための移動補助、禁煙用品(ニコチンパッチやガムなど)、生理用品、マタニティパッドなど
  • 20%……上記に該当しないもの

教育費

  • 免除……各種学校や大学が提供する教育
  • 20%……上記に該当しないもの

出版物

0%……リーフレット、本、雑誌、地図などあらゆる出版物(これは印刷されたもののみで、電子書籍には消費税が20%かかるが、2020年5月より0%になると発表された)

エネルギー関連

  • 0%……家庭への水道水、下水道(工業用も含む)など
  • 5%……チャリティー団体運営の住居のガス、電気、燃料、また一般家庭用の省エネ用品(ソーラーパネルや断熱材、セントラルヒーティングなど)など
  • 20%……上記に該当しないもの

交通

  • 免除または0%……飛行機や船の修理、国内やEU外への荷物輸送やそのためのコンテナ類、家用ボートの停泊、公共の橋やトンネル、道路などの通行料金、ヘリコプター、軍用飛行機など
  • 0%または5%……キャラバンカー(サイズ規定あり)
  • 20%……上記に該当しないもの

その他住居関係や金融・保険関係のカテゴリもあるのだが、かなり煩雑なので割愛。基本的には福祉や高齢者関係の住居やサービスは0%か5%である。


こうして見てみると、全般的に、食べ物と水、子どもに関するものと教育、チャリティー関連、障害を持つ人、高齢者関係のサービスはだいたい免除か0%、5%の消費税になるということだ。

これは、国民からすればとてもいい制度だと私は思う。外食や旅行をしたり、嗜好品を嗜む余裕のある人は消費税をそれだけ多く払い、経済的に厳しい人や補助が必要な人(高齢者や障害を持つ人)は、消費税を払わなくても最低限生活に必要な物はだいたい確保できる。

ただ、今後はどうなっていくかわからない。EU離脱の影響でVATのシステムが変わることが予測されるからだ。

納得しているとはいえ、税率はこれ以上は上がらないでほしいな~というのが本音である。

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