イギリスでは食べ歩きが普通で、外だけではなく電車の中でもものを食べる人をよく見る。日本人からすると「はしたない」と思うこともあるだろうが、これは文化なのでなんともいえない。
電車という密室・人と向き合う・揺れるという特殊な条件下で結構面白いものを食べている人たちを今まで見てきたので、今回はそれを紹介していきたい。
オレンジとかバナナとかハンバーガーとか、普通すぎて記事にするほどのものでもないものは省いた。
電車内で見た衝撃的な食事ランキング
第5位 パプリカ
イギリスでは、赤、黄色、緑のカラフルなパプリカが3個セットで袋に入って売っている。イギリスのパプリカはでかい。1つが日本の大きいリンゴのさらに1.5倍くらいある。
ガラガラの車内。たまたま前に座っていたお兄さんが、おもむろにその3つ子パプリカの袋を開け、1つをモリモリかじりだしたのだ。
シャクシャクと小気味よい音が響く車内。あんなに真剣にパプリカ食べる人初めて見た。しかも電車で。
1個目が終わり2個目。2個目が終わって3個目。芯と種は袋へ。スマートに3個のパプリカを食べつくしたナイスガイ。どれくらいの時間だったが覚えてないが、数駅の間に3個食べ終えていたので結構早いペースだったと思う。
なんでパプリカ? と思ったけれど、まあ単にパプリカ好きなのかもしれないし、ジャンクフードを食べるより匂いもないし健康にもいいからいいのかな……なんて考えなおした。
ちなみにパプリカは、イギリスではペッパーと呼ぶ。コショウもペッパーと呼ぶのでちょっとややこしい。
第4位 寿司
寿司パックを開け、箸で器用に食べる白人女性を見たことがある。イギリスではパック寿司チェーンがあるので、食べている人はよく見るが、まさか電車の中でとは。せめてホームとか、外でも公園とかで食べればいいのに。
イギリスの「SUSHI」という日本の寿司となにか違う食べ物を紹介する
第3位 立ちながらサンドイッチ
私が渡英して間もないころ、通勤時間の満員電車の中、立ってサンドイッチを食べていたお兄さんに出くわした。
私が必死に満員電車の中で踏ん張りながら立っている後ろで、奴は立ちながらサンドイッチを食べようと袋を開けていたようだ。
そこに電車が揺れ、私は思い切り背中から彼に寄りかかってしまったのだ。「OH」と慌てる彼に私も「ごめんなさい」と謝りながら目をやるとそこにはたっぷりのマヨがはさまれたサンドイッチが。
その場所……今私の頭当たったよね……? 髪にマヨついてないよね……? と降りる駅までハラハラしながらやり過ごした。
家に帰って鏡を見たけどマヨはついていなかった。というか立って食べるな。せめて座れ(感覚がマヒしてきている)。
第2位 ボトルワイン
これは堂々の第1位に入るくらい個人的にはインパクトがあったのだが、正確には電車内ではないので2位に。
駅内から改札へ向かうエスカレーターに上ろうとした時のこと、カップルがスーパーの袋に包んだワインボトルを一人一本持ってラッパ飲みしながらエスカレーターに乗っていたのだ。
女性は涼しい顔をしていたが、男性の方が顔が真っ赤。2人ともいい感じに酔っ払っているようで、大声で話しながら飲んでいる。
別に金曜の夜とかではなく、普通に平日の、しかも17時とか割と早い時間帯だったのも割と衝撃だった。
イギリスでは、公共の場での飲酒は禁止されている。道路上や、電車、バスの中なども禁止だ。だがあってないようなもので、普通に電車内でビールを飲んでいる人は結構見る。
だがボトルワインは初めて見た。しかもラッパ飲みという絵が実際に目撃すると結構な衝撃であった。
第1位 パスタ
正直、内容的にはボトルワインより衝撃度は薄れるのだが、ペンネのような短いパスタではなく、長いスパゲッティをあえて電車の中で食べるという行為に敬意を評して1位に。
アラブ系の女性だったが、この人も立って食べていた。席は空いていたのに。座った方が安定すると思うのだが。
なぜ家に帰るまで待てないのか、そんなに空腹なのか、時間がないのかよくわからないが、ソースも飛ぶ危険性があるし、フォークを駆使しなければ食べられないスパゲッティに挑戦するのはハードルが高い。
というわけで、イギリスでは電車内で物を食べるのは割と普通に見られる光景なので、最初は驚くかもしれない。
ただ、上記のような猛者はなかなかいない。どのような事情があってそんなことになったのか、謎は深まるばかりである。
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