イギリスでは、なめらかつるつるで冷やして美味しいあのプリンを見る機会があまりない。なので、最初のうち、イギリスには日本のようなプリンはないと思っていたが、少し経ってから見つけることができた。
イギリスでは、プリンはまったく予想外の名称で呼ばれているのである。だから見つからなかったのだ。
「プリン」=「pudding」?
「プリン」の英訳はpudding(プディング)だ。
だが、プディングには様々な種類があって、日本でいう「プリン」はプディングの一種である。
イギリスで「pudding」を注文して、日本のようなプリンが出てくることはまずない。
昔のヨーロッパではソーセージなどをさして「pudding」と言っていたようで、現在では蒸し料理全般に使われる。国によって、「pudding」が指すものは違うようだ。
イギリスのレストランのメニューでは、「pudding」を「デザート全般」という意味で使っていたりする。だから、「pudding」というセクションの中に「チョコムース」「アイスクリーム」なんかが並んでいたりする。
イギリスでは、日曜日に食べる「サンデーロースト」という、ロースト肉と蒸し野菜をプレートに乗せた伝統料理がある。
そこについてくるのが、写真の「ヨークシャー・プディング」だ。もはや見た目は日本のプリンとはかけ離れている。空気の多いパンのようなものだ。ヨークシャー発祥だが、今やどこでも食べられる。
では、日本風のプリンはイギリスにはないのかというと、ある。
日本でいうプリンはイギリスでは「creme caramel」
イギリスでも、日本風のプリンはスーパーで普通に売っている。ただし、「pudding」という文字を探しても見つからない。
探す商品名は「creme caramel」。もはや「pudding」要素は一切ない名前だ。
どこのスーパーでも売っている。4個入りで85ペンス。めちゃくちゃ安い。
味も限りなくプッチンプリンである。つるっとなめらか。
プッチンプリン風のしかけ
容器の底についている突起を倒すと綺麗にひっくり返してお皿に盛れるプッチンプリンだが、このイギリス産プリンにも同様の機能がついている。
突起ではなくてシールになっている。このシールをはがすと、うまくプリンが飛び出してくるらしい。
さっそく私も挑戦しよう。
お皿を準備して、蓋を開けて、このシールをはがした。
……。
……。
……。
出ないぞ(困惑)
無理やり容器を押したら出た。なんぞこれは。成功だけどシールの意味ないじゃないか。
もう一回、新しいプリンでやってみた。
でたぞーーーーー!!
というわけで、毎回この「押し出し機能」が機能するわけではないらしいが、することもある。
無駄に2個もプリンを輩出してしまったが、美味しかったのでよし。
以前、スーパーでこんな類似商品も見つけた。「キャラメル・パンナコッタ」と書いてあるが、見た目がどう見てもプリン。
2個で1.65ポンドと、「creme caramel」に比べると割高だが、味は違うのだろうか……?
いつか挑戦してみたい。
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