海外に住む動機は、意識高いものより「好奇心」の方が後々いい

2017年12月12日

海外に住んでいると、現地の人から、そして同じ地に住む日本人から、「なんでここに来たの?理由は?きっかけは?」とよく聞かれる。転勤、留学、ワーホリ、結婚…いろいろな要因があるけれど、とくにその中でも、留学とワーホリは理由の種類が人によってさまざまに違うだろう。

私の住んでいるイギリスを例に考えてみよう。私が最初に渡英したビザはワーホリだった。今は欧州人と結婚して配偶者ビザ。

「日本でも同じことができる」症候群

私の場合は、2つの理由があった。

  • イギリス美術・文化が好きだから。それらの本物を見たいから。美術館をただで巡りまくれるから(詳しくはこちらを参照:「耽美」とイギリスの強烈な関係
  • イギリスで生活(働くのも含めて)を経験したかったから

時期によってどっちかが代わる代わる優勢になる、という感じで、下がどちらかというと意識高い系に入る。笑

特に海外での「起業」「就職」「フリーランス」とかが目的で来ると、最初はエキサイティングなんだよね。「自分イギリスで仕事してるよ~/会社設立したよ/フリーでやってるよ」とか。でもだんだん人間は環境に慣れてくる。

だから、それが日常になるとエキサイティングではなくなる。就職しても日系の会社で、同僚はほとんど日本人で社内の雰囲気も日本と変わらないというパターンもあったりする。

そうすると、「あれ…?これ日本でもできるんじゃね?(というか日本の方がスムーズにいくんじゃね?)」という考えが頭をもたげるようになってくる。ほとんどの方は日本の方が楽だ。就職活動なんかイギリスは本当に大変。イギリス人にとっても難しいけど、英語ネイティブじゃない日本人にはさらに難関。

フリーランスはクライアントがどこの人かによるけど、日本のクライアントだとそもそも新規を見つけにくいし、仕事は減る傾向にある。対面で会えないし。

ワーホリでイギリスに来ていた人のブログをちょこちょこ読んでいた時期もあったけど、だいたいそういう仕事関係の目標を掲げてきた人は、途中で「これ海外にいる意味ないんじゃ」と気づいて(がっかりして)、期間満了前に帰国するというケースがちらほら目についた。

それ自体はいい。もちろんまったく意味がないわけではないし、実際に来ないとそれもわからなかったわけだ。タイトルでは「意識高い動機」と書いたけど、つまりは「行動を動機にする」と、長くもたない。その目標が達成されたら、もう終わりだからだ。

イギリスで働く/起業する/大学の授業を受ける/(私の生活する、もこれに入る)というような「行動」が目標になると、それが達成できないとわかった時点で、または達成された時点で、もしくはしばらくして達成した状態に慣れた時点で、自分がそこにいる意味を見失ってしまいやすくなる。

下手すると、そこに「落胆」「絶望」なんてものもくっついてくることもある。

私も一時期悩んだ。そういう「行動」は、経験するのは素晴らしいことだけど、それだけを動機にしてしまうとどこかで息詰まる。日本に帰りたくないのに、帰りたくなる。

あと、悩んだのは、「イギリスの文化が好きだから」というぽやっとした動機でいいのか、と変なプライドにとらわれるときもあったから。人に言うときも説得力に欠ける気がするし…(へー、それだけ?という目で見られることも確かにあった)。

「ワクワクするもの」ベースの動機の方が海外生活は長続きする

でも、ぽやっとした動機の方が、結局長くモチベーションを維持できるんだなと思った。無理なく。

ぽやっとした動機とは、私の場合は上に書いた「イギリスの美術・文化が好きだから触れたい」というもの。つまり、行動ではなくて、感情とか好奇心とかそういうもの。

この動機があって本当によかったと思っている。だって、どんなに美術館を巡っても、面白いものに出会っても、どこに行っても、まだまだ好奇心は尽きないから。がっかりもしないし、帰りたいとも思わない。むしろもっと知りたいし見たい。

今でこそ結婚して、当初考えていたより長くイギリスに住むことになったが、私のイギリス生活の目的が「海外でフリーランスで生活する(または働く)」ひとつだったら、結婚も迷ったと思う。日本にいるほうがクライアント獲得も簡単だし。

もしいつか好奇心が尽きてしまったら?その時はもうしょうがない。その時が来るかもしれないし来ないかもしれない。

でも「ワクワク感」は基本「行動を達成する期間」よりも寿命が長いので、そっちの方が息が長い。

その他、イギリスへの旅行、移住に役立つ情報はこちらから。