ヨーロッパ旅行では墓地によく行く。半ば観光地化している有名な墓地だから入ることもあるし、緑豊かな公園だと思って入ったら墓地だった、ということもある。
骨を並べた洞窟・カタコンベなんかは、「未知の何か」な雰囲気が詰まっていて大好きだ。
ただ、お墓を写真に収めるのは倫理的にいいのだろうか、といつも戸惑う。他の人はどうしているのだろう。
日本なら、他人のお墓にカメラを向けるの自体不謹慎な感じがするし、そもそも撮りたいものでもないので、撮ることはない。
海外の墓は撮りたくなってしまう
海外のお墓はやはり日本と違うので、面白くてどうしても撮ってしまいたくなる。ヨーロッパのお墓には立派な彫刻が飾ってあったり、カラフルなオーナメントでデコレーションされていたりして、文化の違いが如実に表れている。
あとは著名な音楽家や芸術家、作家の墓なんかも記録におさめたくなってしまう。あ、でもそういえば、京都にある画家の伊藤若冲のお墓は昔写真に撮った気がするな……。
墓はものすごくプライベートな場所だ。自分が外国人だから興味深く感じるのであって、ここには代々お家の人がお参りにきているんだ、とか考えてしまうと、うーむ……となる。
でも有名人のお墓なんか皆写真を撮っていくから、いいのかな、なんて思ってたりもする。また、引いたアングルで墓地の風景として個人の名前が見えないように撮るのはいいのではないか、と個人的には思う。
ネットにあげるのは是か否か
撮影はともかくとして、撮った墓の写真をネット上に上げるのは是か非か。言ってしまえば個人の感じ方の問題に尽きるのだが、私は個人の墓を不特定多数の人が見られるところにアップロードするのは(有名人のものでも)気が引けるので避けている。
だからといって、人がネット上にあげているのを見て嫌だとも不謹慎だとも思わない。自分はやらないだけ。
カタコンベはok。なぜなら……
骸骨がずらりと並んだなんとも異様な空間であるカタコンベ。私はカタコンベは写真を撮ってもアップロードしてもいいと思っている。
なぜなら有料だから。
観光地として公認ならば写真を撮ってもいいだろう……と思う。カタコンベに限らずだけど。イタリアやスペインなんか、聖堂内に有名な作家や芸術家の墓があって、それを一大観光地になっていたりする。
カタコンベに限らず、商業化されていたらもうそれは観光地化されているということなので、撮影禁止でない限り、遠慮なく撮らせてもらう。
死者の生きていた時代にもよる?
不謹慎かそうでないかの違いは、どこから生まれるのだろう。
以前、ツイッターか何かで、上野の科学博物館の展示が話題になっていた。
200年前の女性のミイラが展示してあって、「晒し者にしてるわけではない」「撮影禁止」などいろいろ注意書きがあったのに、隣に展示してある縄文時代の人骨には何もなしだという。
200年前なら自分たちと近いから「不謹慎」になりうるのだろうか。縄文時代は不謹慎になるには遠すぎるのか。
バッハの墓は写真に撮ってもよくて、一般人の墓はやはり不謹慎なのか。1000年前の墓でも不謹慎なのか。
……なんて考えても、答えが出るわけではない。
世界を回っていて、珍しいお墓を見つけたらまた私はこっそり撮ってしまうのかもしれない。
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