チーズ転がしだけじゃない!イギリスの変な祭り10選

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ロンドン・イギリス生活

イギリスの「チーズ転がし祭り」は、変な祭りの代表格として知られているけれど、最近、ロンドンで「パンケーキ・レース」というものが開催されるらしい、と知った。

パンケーキを焼いているフライパンを持ちながらレースするらしい。しかも「パンケーキ・デイ」という伝統の祭日があり、その日にレースをするんだとか。そんなのがあったのか……。

実は私が知らないだけで、もっと変な祭りがいろいろあるのではないか? と思って調べてみたら、出る出る。結構いっぱいあった。

ここでは、そんなイギリスの変な(ふざけた)祭りを10種類紹介するよ。

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イギリスの変わった祭り10選

妻を運ぶレース wife carrying race

©Hamish Darby

これはフィンランドのものが有名だけど、イギリスでも最近行われ始めたレース。

サリーのドーキングで行われる、夫が妻を運ぶ速度を競うもので、793年にスカンジナビア半島からヴァイキングが北イングランドに侵攻してきた際、イングランドの修道院を破壊し女性を連れ去ったでき事からこのイベントができたらしい。

スカンジナビア半島はフィンランドがある場所でもあるので、フィンランドのお祭りと起源は一緒の可能性が高い。

このイベントは一度廃れ、イギリスでは2008年に復活したという。妻は体重50kg以上であることが条件だそうだ。

パンケーキを運ぶレース pancake race

©Pedro Figueiredo

「パンケーキ・デイ」は復活祭に連動したキリスト教の祭りで、イギリスではこの日にパンケーキを食べる習慣があるのでパンケーキ・デイというらしい。この日に、各地でパンケーキを乗せたフライパンを持ってレースをするという奇妙な催しがある。

「パンケーキ持ちながら走るなんてちょっと可愛いじゃん、アンパン食い競争とか日本にもあったよね~子どもが喜びそう」などと思い画像を検索してみると……。

©Richard Gillin

おっさんらが割とガチだった。ものすごい躍動感である。

チーズ転がしレース Cheese rolling

©michael warren

こちらは冒頭で言ったように割と有名かも? コッツウォルズのクーパーズ・ヒルという丘で行われる、円形のチーズを坂で転がし、競技者がそれを追いかけるレース。19世紀から続くともいわれる。

チーズを捕まえることが目的だが、ものすごい勢いで転がるので、捕獲はほぼ不可能だそうな。じゃあ何で勝敗を決めるのかというと、ゴールに着いた先着順で優勝者が決まる。

チーズはおそらく常に人より先にゴールしているのだろう。チーズ強し。

坂を駆け下りていくので、負傷者も毎年出る危険なレース。でも大人気のお祭り。

卵投げ祭り World Egg Throwing Championships

リンカンシャーのThorpe Latimerという場所で7月に行われる、卵投げ大会。農民がヴィンテージのトラクターの鑑賞会をする日として1994年から始まった「Swaton Vintage Day」に行われる。なぜこの日に行われるようになったのかは謎。

ちょっと調べたら、ヨーロッパではイースターのイベントとして、卵を投げる行事が中世から行われていたらしいので、こういうイベント自体は珍しくなかったのかも。

卵をターゲットに投げつけて、当たった箇所によりポイントを競う大会。頭=0点、腕/脚=1点、体=2点、股間=3点

絶対皆股間狙いになるので、ターゲットの人は本当にかわいそうである。

今や世界大会となっていて、世界中から挑戦者が来るらしい。World Egg Throwing Championships

変顔大会 Gurning World Championships

©rjp

1267年から開かれている変顔の大会。湖水地方のEgremont Marketという会場で毎年行われる。

古くから行われている(世界大戦時は中止)だけあって、かなり真剣に変顔を競い合う大会のようである。男性、女性、キッズとわかれてエントリーする。

変顔を競い合うだけと言えばそれまでなのだが、2017年は750周年にあたるという。これまでに何千人の変顔たちが挑んできたのだろうか。そう考えるとちょっとロマンである。

イラクサ食べ大会 World Nettle Eating Championships

イラクサは漢字で刺草と書くが、葉と茎にとげを持ち、触れると痛みが起こる。

ドーセットのMarshwoodという村で、このイラクサを生でそのまま食べる大会がある。1時間でどれだけ多くのイラクサを食べられるかを競う。

優勝者によると、「とげはそんなに痛くないけど、1時間顎を動かしているほうが疲れる」ということだ。

World Nettle Eating Championships held in Britain

プディングに乗って川を渡るレース The Yorkshire Pudding Boat Race

「ヨークシャー・プディング」というふんわりとしたパンのようなプディングで作ったボートで、川をレースするめちゃくちゃインパクトあるイベント。

1990年代前半から続く行事だが、2017年は開催されないらしい。

このプディングは本来、「サンデー・ロースト」というロースト肉の添え物として提供されるのだが、水と小麦粉と卵で作るシンプルな食べ物だ。

水を吸って沈まないのだろうか……と思ったが、ワニスを何度も塗ってコーティングして、水をはじいているのだという。そりゃそうだよね。よかった。

ちなみに、日本でいうプリンはイギリスではpuddingとは呼ばれていない。

イギリスでプッチンプリンを見つけるには? 

木に変装してパレード Jack in the green

©Duncan Price

サセックスのへースティングズ(歴史ではヘースティングズの戦いの場所)の5月のお祭り。

皆緑のコスチュームで仮装し、顔を緑に塗ったりして木になりきり、パレードをする。

16~17世紀ごろに、人々が遊びで植物や花で冠を作ったことが始まり。次第にそれは煙突清掃員の中での競争になっていき、だんだんエスカレートして、人が一人すっぽり覆われるくらい冠を作りまくるようになっていった。それが「Jack in the green」と呼ばれるようになった。→JACK IN THE GREEN

ジャックは特定の名前ではなく、「人、やつ」みたいな意味でも使われるので、この場合は「緑にうもれた男」とかそんな感じの呼び方。

火のついた樽を運ぶパレード OTTERY ST MARY TAR BARRELS

©gareth.fudge

危険なイベントとして知られる、デヴォンのお祭りで、11月に行われる。17の大樽にタールを入れて火をつけ、(主に男性が)肩に乗せて街中を運ばなければならない

めちゃくちゃ危険だが、一応まだ法律で禁止されていない、なんともワイルドなイベント。けが人は出ないのだろうか。

顔を黒く塗る男たち Nutters’ Dance

©Kezka Dantza Taldea Eibar

ランカシャーのBacupという町で。イースターに開催されるダンス。「ココナッツダンス」とも呼ばれる。

発祥は17~19世紀と複数の言い伝えがある。

顔を黒く塗った男性8人がノンストップでフォークダンスを踊りながら町を練り歩く、怪しげなパレードである。黒い顔は、異教徒または悪魔がダンサーに変装した姿、炭鉱夫を表しているなど諸説あるようだ。


奇妙なイベントがたくさん見つかったので、いつかこれを見に国内旅行をしたい。

パンケーキレースはロンドンでも行われるようで、2019年は3月5日のパンケーキ・デイに見られるよ。

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