【統計から読む】約半分が未婚の母…イギリスの出産事情

2016年11月26日ロンドン・イギリス生活, 統計

イギリスの国家統計から読み解いてみるシリーズ第2弾。

今回は、イギリス国家統計の「イングランドとウェールズでの母親の出産状況(2013年最新版)」について。

概要と、興味深かったものを抜粋して訳してある。日本の統計との比較もところどころでしてみた。

元資料:Live Births in England and Wales by Characteristics of Mother 1: 2013 (PDFダウンロードもあり)

概要

  • 2013年に出産した女性のうち、51%が30歳以上であった。

  • 父親の3分の2 (66%)も30歳以上であった。 

  • 母親全体の平均年齢は30.0歳で、前年の29.8歳からやや上昇した。

  • 初産の平均年齢は28.3歳で、前年の28.1歳よりやや上昇した。

  • 新生児の親の84%が夫婦、同性同士のカップル、同棲中のカップルのもとに生まれている。

出産年齢について

母親の年齢別

figure-1-live-births-by-age-group-of-mother-1938-20132013年にイングランドとウェールズで出産した母親のうち、一番多いのが25~34歳の年代で、59%を占める。25歳以下は21%、35歳以上は20%だった。

日本では、25~34歳が62.4%、35歳以上が29.2%、25歳以下が8.4%。(「平成27年(2015)人口動態統計(確定数)の概況」内の母の年齢(5歳階級)・ 出生順位別にみた出生数より)

比較すると、35歳以上の出生率は日本の方が随分高く、25歳以下の出生率はイギリスが日本の2.5倍あるという結果となった。

現在、イギリスの25~34歳での出産は25歳の2倍以上だが、この傾向は1993年から始まった。1967~71年では25歳以下の方が多かった。

全体の出生数はどの年代でも前年より減っている。

両親の年齢別

figure-2-live-births-by-age-group-of-mother-and-father-2013

父親の年齢は母親より高い傾向にある。66%は30歳以上であった(父子家庭を除いた統計)。2003年には67%であり、過去10年でこの割合がさほど変わっていない。 

逆に20歳以下で父親になる人は、母親になる人より少ない。

母親の平均年齢について

母親全体の平均年齢は30.0歳で、前年の29.8歳からやや上昇した。

1940年代から70年代にかけて、母親全体の平均年齢は3歳ほど下降した(1944年に29.3歳→1973年に26.4 歳)。

1973年以降平均年齢が上昇しているのは、高齢出産・育児が増加したことによるものだ。この背景には、教育水準が高くなったこと、女性の社会進出、キャリア形成を重要視することの増加、育児費用の高騰、労働市場の不安定性、婚姻関係の不安定性など様々な要因が挙げられる。

2013年の初産する母親の平均年齢は28.3歳で、2003年の27.0歳と比べると1.3歳上昇している。
ちなみに、日本の初産平均年齢は30.4歳(「平成25年(2013)人口動態統計(確定数)の概況」より)。

世帯構成について

婚姻関係・同性婚・同棲カップル

figure-3-live-birth-by-type-of-registration-1986-2003-and-2013

Joint registrations, same address=同棲しているカップル
Joint registrations, different addresses=別居しているカップル
Sole registrations=母子又は父子家庭

※イギリスでは、同性婚のことをCivil Partnershipと呼び、統計にも取り入れている。以下の統計では、異性婚と同性婚と組み合わせて「婚姻関係にある世帯」としている。

全体では、新生児の親の84%が婚姻関係にある世帯、同棲中のカップル世帯のいずれかである。

婚姻関係にある世帯が一番多い。しかし、1960年代から、こうした世帯の割合は落ちており、1963年には93%だったが、2003年には59%、2013年では53%になった。逆に未婚世帯は2003年と比べると上昇傾向にある。

全体の未婚世帯の割合は47%。子供を持つ同棲中のカップルは増加しており、1986年には10%であったのが、2003年には26%、2010年には31%であった。2013年の割合が2010年とほぼ横ばいである。これは、結婚せずに同棲を続けるカップルが多い昨今の傾向と合致している。

別居しているカップルは11%、シングルマザーは5.6%だった。

日本の現在のシングルマザー世帯は1.6%だが、この数字はある年の特定の新生児の親ではなく、現在子供を持つ全世帯中の割合なので、統計方法がイギリスの統計とは異なる。

ただ、この統計では、「シングルマザーの割合はここ10年で下降傾向にある。2003年には7.2%だったが、2013年には5.6%となった。」とあるので、昔はシングルマザーはもっと多かったようだ。子供のいる全世帯の統計を比べても、イギリスの方が日本よりシングルマザー率は高いと言えそうだ。

母親の年齢別で見る世帯構成

figure-4-live-births-by-type-of-registration-and-mothers-age-group-2013全体の未婚世帯の割合47%のうち、年代によって割合は大きく変わる。25歳以下で出生した母親の96%は未婚で、同棲中のカップル世帯が一番多い。
また別居中のカップルやシングルマザーは、25歳以下の母親の割合が、25歳以上の母親よりも高かった。

一方、30~34歳、35~39歳の世代では、婚姻関係にある世帯が多数を占め、未婚世帯の割合はそれぞれ32%だった。

日本の新生児の未婚世帯の割合は、2013年の統計で2.29%(政府統計e-Stat 「嫡出子-嫡出でない子別にみた年次別出生数及び百分率ファイル」より)。ここには同棲カップル、別居カップル、シングルマザーが区別なしに含まれている。イギリスの47%に比べると相当に低い割合だ。


イギリスでは、日本より初産年齢は若く、未婚の母親、シングルマザーの割合が高いようだ。
イギリスというよりも、西洋全体で結婚率は下がってきていて、籍を入れずにずっと同棲し続けるカップルが多い。