5泊6日でロンドン発・ポルトガル旅行に行ってきた。
二大都市であるリスボンに3泊、ポルトに2泊で、その魅力をたっぷりと味わってきた。行ってよかったところを画像つきでレポートしていくので、この記事は全体の目次的な役割にするつもり。
それと共に、私が見てきた範囲での、この2つの街の印象や、交通・天気などの情報、市内の様子を伝えていく。
目次
気候:2月でも暖かい(でも夜は冷える)
普段ロンドンに住んでいる私は、2月のポルトガルの天気に感動した。ロンドンでは、2月は冬真っ盛り(?)で雨が多く、日照時間も短い陰鬱とした天気が続くのだ。最高気温も一桁だ。
だが、ポルトガルでは画像のように毎日晴天で、真っ青な空が広がっていた。日中は20℃を超える日もあり、下手すれば直射日光が暑いくらいだった(これは私がロンドンの寒すぎる気候に慣れてしまったからという可能性もある)。
今回の旅は、6日中5日は晴れ。最後の日だけ雨に降られてしまったが、イギリスのミゼラブルな冬に鍛えられた私にとっては「えっ雨の日が1日だけでいいんですか……」となったくらい、天気には恵まれた。
ただ、夜は普通に7℃とか8℃とか冷え込むので、上着は必須。
建物のデザインが可愛い
オランダのアムステルダムに行った時も「建物が可愛いなあ」と思ったけれど、ポルトガルはまた違った可愛さがある。
屋根は赤レンガのような色で統一されていることが多いけれど、ポップカラーやパステルカラーの建物がたくさん並んでいる。
「写真を取りたくなってしまう街角」がいっぱい。
ストリートアートも多い
街を歩いていて抱いた印象は、「ストリートアートが多いなあ」だった。
リスボンもポルトも、坂が多くて小さくて狭い路地が多いので、遠くから見える公共アートはあまりない。
こっちを曲がるとアート発見、あっちに入るとアートが突き当りに見える、といった感じでちょっとお宝探し感のあるストリートアートとの出会いがある。
後で紹介するけど、街中には観光客用にトゥクトゥク(バイクと車が合体したような三輪タクシー)がよく走っていて、トゥクトゥクショップでは「ストリートアートめぐり」というプランも宣伝されていたから、観光としても需要があるのかもしれない。
英語は割と通じる
リスボンやポルトという都市部だったからということもあるだろうが、市内中心部や観光スポット周辺では割とどこでも英語が通じるので、観光には困らないはずだ。
ただ、基本の挨拶などはポルトガル語で覚えて行ったほうが現地の人も喜んでくれると思う。特に「ありがとう」は「オブリガード」と日本語にやや似ているので覚えやすい! ぜひ覚えていこう。
大航海時代の痕跡が今でも残る
ポルトガルでは、「大航海時代」の栄光を讃えるものを、随所に見ることができた。大航海時代は、15世紀〜17世紀に西洋諸国の人々が海を渡って見知らぬ地を発見して多くの国を支配し、交易を始めた激動の時代である。
ポルトガルはその航海を始めた最初の国の1つであった。ポルトガルからは、アフリカを開拓したエンリケ航海王子、インドへ到達したヴァスコ・ダ・ガマ、ポルトガルに到達したカブラルなどの重要人物が多く輩出された。
この未知の大陸発見により、ポルトガルは海外の植民地や広い交易網を獲得し、大いに栄えた。そしてこの動きこそが、世界的な物と人の交流を進めるきっかけとなった。今でも、歴史を大きく動かしたのが、この大航海時代だったのだ。
大航海時代の重要人物や光景を表した美術作品や、航海士たちの偉業を讃えて建てられた修道院など、その名残はそこかしこに見られた。大航海時代はポルトガルという国のアイデンティティの一部なのだろう。
彼らにとっては「栄光」
そうした輝かしい「栄光」の跡を見ていて、思ったことがある。
大航海時代のことを、ポルトガルでは「Era dos Descobrimentos」、英語では「Age of Discovery」という。「発見の時代」という意味だ。ここには西洋の人々の視点がよく反映されている。
ポルトガルを含む西洋諸国にとって、大陸はその時初めて「発見」されたのであり、新しい地を支配して新しい動植物や品物を西洋にもたらしたことは、「成功」であり「栄誉ある歴史」である。
だが当然、その地に元々いた人々からすれば、それは略奪と殺戮にまみれた悲劇であった。突然知らない場所からやってきて、すべてを奪い去り、原住民を奴隷として使う西洋人は、彼らの目にはどう映ったことだろう。
日本語では、もともとは上記の言葉をそのまま訳した「大発見時代」と呼ばれていた。現在浸透している「大航海時代」という言葉は、1960年代に西洋人の視点とは違う概念を提唱したいとして作られたものだという。個人的には素晴らしいと思う。
同じ物事でも、立場によって全く違った印象や見方が生まれるのはこの世の常だ。ポルトガルで大航海時代に関連したものを見るたびに、そんなことが頭をかすめた。
市内はとにかく坂が多い!
リスボンもポルトも、小さい街なのでほとんどの主要な場所は徒歩で行ける距離間である。
ただし。どちらの街も坂だらけ。
とにかくどこに行くにも坂。観光地に行くにも坂、ショッピングをするにも坂、カフェに行くにも坂。階段の他にエスカレーターがついている場所もあったが、レア。
私は「普段運動しないのだからこういう時くらい足腰を使わねば」と半ば意地でほぼすべてを徒歩で上り下りしていたが、辛い人は他の交通手段を使えばいいと思う。
バスやトラムを使うのもありだが、狭い道は通れないので、結局最寄りの停留所で降りて目的地まで少し坂を上り下りすることになる。目的地の直前まで楽に移動したい場合は、タクシーかトゥクトゥクを使うことになるだろう。
これがトゥクトゥク(現地でもtuktukと表記されていた)。東南アジアの乗り物だと思っていたが、リスボンとポルトでも市内にたくさん走っている。運転手さんがガイドもしてくれるようだ。
電車、トラム、バスなど交通機関は充実している
遠くに見えるのは、坂を上ってくるトラム(路面電車)。
リスボンもポルトも、地下鉄、バス、トラムと公共交通機関は充実しているので、遠距離でも近距離でも移動に困ることはないはずだ。
リスボンの交通機関の使い方
私達は(徒歩以外の場合)メトロ(地下鉄)とバスを移動に使っていた。メトロもバスもトラムも、またフェリーでさえ1つのカードで乗車できる。
それがこのViva card。1枚0.5ユーロで購入でき、チャージして繰り返し使う様式。これを使わずその都度切符を買うと、割高になってしまうらしい。
改札ではこのカードをタッチして通過する。
このカードは地下鉄や電車の駅で購入、チャージができる。バス停やトラム停留所では購入もチャージもできないので注意。
リスボンの交通機関の料金
料金は以下のようになる。
- メトロ、バス、トラムのシングルチケット(1回分の乗車。距離は関係ない):1.5ユーロ
- ワンデーチケット(24時間乗り放題):メトロ、バス、トラム6.40ユーロ、+郊外への電車は10.60ユーロ、+フェリーは9.55ユーロ
リスボンの空港から地下鉄に乗る際に、券売機で購入した。カードも現金も可。
ここには「知らないひとが券売機の操作を教えにきたらスリなので気をつけてください。指示を受けるのは専門の従業員のみにしてください」と注意書きがあった(実際に操作に手間取る観光客に声をかけようとしている、明らかに怪しいおじさんがウロウロしていた)。油断は禁物。
表示言語は英語、ドイツ語、スペイン語などいくつかから選べる。が、英語にしてもシステムがわかりにくく、「これでいいのか……?」と戸惑いながら操作。
でもウロウロしているおじさんの注意を引きたくないので頑張り、とりあえず5ユーロくらいあらかじめチャージしてカード購入に成功した。
※注意:余ったカードの残金は返金されないので、少しずつチャージした方がいい。
バス停ではチャージできないので、チャージしたい時は地下鉄の駅に行く必要がある。券売機にもいくつか種類があるので(フェリーとか他の鉄道用?)、地下鉄やバスのためのチャージはこの青い券売機を探すこと。
チャージの際は、シングルチケットの必要な枚数分(3枚なら1.5ユーロ×3)を選択するか、5ユーロごとの好きな金額を選択(Zappingという)できる。Zappingの場合は、シングルチケット1.35ユーロとそれぞれの交通費がやや安くなるらしい。
ポルトの交通機関の使い方
ポルトでもリスボンと同じように、トラム、バス、地下鉄に1つで使えるチャージ式カードがある。
andante card。こちらは0.6ユーロで購入できる。やはりチャージ残金の返金はないので注意。
ポルトはゾーン制で、ゾーン2〜4と距離によって料金が区切られている。中心部を回るにはゾーン2だけでほぼ大丈夫だと思うが、ポルト空港はゾーン4にあるので、空港に行く際はゾーン4まで行ける料金がチャージされていないといけない。
ポルトの交通機関の料金
料金は以下のようになる。
- ゾーン2:1.2ユーロ(24時間パスは4.15ユーロ)
- ゾーン3:1.6ユーロ(24時間パスは5.2ユーロ)
- ゾーン4:2ユーロ(24時間パスは6.4ユーロ)
Andante Tour Card
上記の24時間パスの他に、観光客だけが使えるAndante Tour Cardというものもあるようだ。
上記の普通のAndante cardとの違いは以下だ。
- チャージはできない使い切り型のパス
- 全ゾーンに使うことができる
- Andante Tour 1:24時間有効で7ユーロ
- Andante Tour 3:72時間有効で15ユーロ
私達はほとんど徒歩だったので、普通のカードに少しだけチャージして使っていた。
リスボン→ポルトの移動
今回はリスボンからポルトまで高速鉄道で移動した。リスボン〜ポルト間を走る電車はいくつかあるらしいが、今回は一番短時間(2時間40分)でつくAlfa Pendularという鉄道を利用した。
Santa Apolónia(サンタ・アポローニャ)という駅で直接チケットを購入した。1人あたり30ユーロ代だったと思う。電車はポルト市内中心部のCampanhã(カンパーニャ)という駅に着くので便利だ。
ポルトガル料理について
ポルトガル料理、ものすごく美味しかった……。日本人の友だちが口々に「ポルトガル料理は美味しい」というわけがわかった。ポルトガル料理は日本人好みのものが多い!
その理由と、実際にポルトガルで食べたもの、リスボンとポルトのおすすめレストランはこちらの記事をどうぞ。
リスボン観光地レポ
リスボンは教会や美術館、古い城や修道院の遺跡など、見どころがたくさんあった。
1755年のリスボン大地震の爪痕
1755年、推定マグニチュード8.5〜9とされる大地震がリスボンを中心に起こった。
この地震と、それにより引き起こされた津波により、5〜6万人が死亡、リスボンの建物の8割ほどが倒壊したと言われている。現在ポルトガルで見られる大聖堂や修道院、その他の古い建物のほとんどは、この地震で損害を受け、その後再建されたものである。
また、カルモ修道院のように再建されず廃墟となったところもある。リスボンではその歴史に触れるたびに、この大地震の爪痕が残っているのをいろいろなところに感じる。
行ったところでおすすめは以下。リンクから詳細レポに飛びます。
リスボン中心部の見どころ
中心部からやや離れているけれど必見のスポット
ポルト観光地レポ
ポルトは、リスボンに比べると小さく、見どころもそこまで多くない。それでも、美しい教会や聖堂はたっぷりと楽しむことができた。
観光レポは以下を参照。
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