イギリスで見かける商店「オフライセンス」とは何か?スーパーとの違いとは 

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ロンドン・イギリス生活

イギリスで生活をしていると、「Off licence(オフライセンス)」という看板を掲げた小型の商店をそこら中で見かける。

駅周辺や住宅街のそばなど、とにかく生活に便利な場所のあらゆるところにある。要はコンビニのような小型のスーパーのような店なのだが、普通の英系チェーンスーパーとは異なる特徴を持っているので、この記事で紹介していきたい。

※ちなみに、ライセンスのスペルはイギリス英語ではlicenseではなくlicenceとなる。

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イギリスの商店「オフライセンス」の特徴

「ライセンス」とは酒類販売許可証のこと

ここでいう「ライセンス」とは酒類販売のライセンスのこと。イギリスでは、地方自治体発行のライセンスがないと飲食店や小売店は酒類を販売できない。ライセンスには「On-licence」「Off-licence」の2種類があり、Onは店内での酒類の販売・飲酒を許可するもの、Offは持ち帰りのための酒類の販売を許可するものだ。

要は、オフライセンスとは酒屋(リカーショップ)を意味するイギリス英語であるということだ。

ただ、実際にはあまり「酒屋」というイメージで思い浮かべる雰囲気の店ではない。ほとんどの店が酒類以外にもちょっとした食品や日用品を売っており、酒はその一部という感じで、こじんまりとした商店やコンビニという立ち位置の方が近い。

個人商店が多い

渡英した直後、上記のライセンスについての事情を知らなかったので、「Off licence」という看板を掲げている店はすべて、そういう名前のチェーン店かと思った時もあった(笑)。実際には個人商店の割合が多い(チェーンのオフライセンスもあるにはあるようだが)。

なので、店の名前や看板の色合いなどは店によって一つ一つ違うのだが、まとっている雰囲気はなぜかどのオフライセンスも似通っている。

普通のチェーンスーパーと比べて面積が小さく、商品陳列がやや乱雑で、そのためか入口も狭く見えるところが多い。中に入っても通路がとても狭く、大人2人がすれ違うのは至難の業だ。その雑然とした感じは、それはそれでなかなか面白いのだが。

大手チェーンスーパーとは品揃えが少し違う

オフライセンスで扱っているのは、基本的に酒類、食品類(サンドイッチや総菜など軽食を扱っている場合もある)、紙類や洗剤などの日用品だ。店によっては新鮮な野菜や果物、卵などを販売している、半分八百屋のようなところもある。

だが、その品揃えは、普段買い物に使う大手チェーンスーパーとはやや異なる。

東欧や中東、インド系の食材が揃った店が多い

オフライセンスは移民の人が経営していることが多いようで、アラブ系やインド系、トルコ系の人をよく見る。そのため、普通のスーパーではあまり見ない食材を扱っている確率が高い。

インドのスパイス各種や東欧のソーセージやサラミ、アラブ諸国のチーズや、そうした国々の缶詰など。イスラム系の食品では豚肉がNGなので豚肉製品がなくチキンのハムやソーセージが並んでいるところもある。値段も安いことが多く、インド料理用のスパイスなんかは普通のスーパーよりも大容量で割安で買える(あと種類もかなり豊富)。

こうしたエスニックな食材を探してみるのも、なかなか斬新で良いものだ。普段の食事に飽きたらオフライセンスで珍しい食品を物色してみるのも楽しいかも。

逆にチェーンスーパーで普通に買える商品は割高な場合がある

ものによっては、普通のチェーンスーパーで買った方が安いものもある。今まで遭遇した割高だった商品は、トマト缶や有名メーカーのマヨネーズ、トイレットペーパーなど(もちろん店による)。

おそらく大手スーパーの方が大量仕入れで安価で提供できたり、プライベートブランドを開発していたり、まとめ売り割引をを頻繁にしていたりすることも関係していると思う。

イギリスには、「オフライセンス」ではないが上記のような特徴を備えた小型商店や、八百屋・肉屋を併設した商店も多くある。つまり酒類を扱っていないだけであとはおおむね似た構造の商店も多いのである。そうした店は「オフライセンス」という看板は出していない。

24時間オープンの店もある・祝日に左右されない店も多い

「24 hour open」を掲げたオフライセンス

私の住んでいるロンドンの場合、普通のスーパーはたいてい22~24時に閉まる(24時間営業している店舗も稀にある)。また、日曜日は17~18時に閉まり、バンクホリデーなどの祝日には営業時間が短縮される店が多い。そしてクリスマスにはすべての店舗が休業となる。

一方で、オフライセンスは24時間営業の店があったり、24時間ではなくとも早朝から深夜まで営業していたり、日曜でも普通に夜まで営業していたりするところが多い。また、国民の祝日やクリスマスでも営業しているところもある(クリスマスに関しては、移民の経営者が多いからかキリスト教の行事は関係ないという人もいるのかもしれない)。

なので、日曜日のスーパーの買い出しに間に合わなかったとか、早朝や深夜に急に日用品が必要になったとか、そうした緊急事態の時にはオフライセンスは大変便利である。

日本のコンビニのような機能は期待してはいけない

このオフライセンス(というかオフライセンスの有無に関わらず小型商店)、上記のようにコンビニ的と言えばコンビニ的な店なのだが、日本のような「コンビニエンス」を期待してはいけない。店によってはATMを備え付けているところもあるが、それ以外は客用トイレもなければ公共料金の支払いができるわけでもなし、コピー機なんぞもない。また、日本のように清潔で整然とした商品陳列がされているわけでもない。

まあでもなんだかんだで便利なこともあるので、生活しているとちょこちょこお世話になることもあるはずだ。

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