「ロンドンで朝スープが食べられない!」という嘆き

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イギリスの食文化

朝、汁物が飲みたい人間は、ロンドンでは私一人なんじゃないかと時どき思う。

汁物が好きな私は、朝と言わずいつでもスープや味噌汁を飲みたいくらいだが、朝はとりわけスープが飲みたくなる。
そもそもしっかり朝食を食べる習慣がないので、朝はあまり胃腸が活発でない。だから固形物ではなくスープを飲みたい。

朝食を外でとりたい時にロンドンで困るのが、「朝スープ欠落状態」である。

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ロンドンでは朝にスープが手に入らない

ロンドンでは、朝食を家でとらず、移動中に買ったり、カフェでとる人も多い。

なので多数のカフェが朝早くから営業しており、多数のドリンクとともにサンドイッチや果物が売られている。
スープを置いている店もチェーン、個人店問わず多くある。

だが、なぜか朝はスープを置いていないのだ。具体的に何時からスープが出てくるのかは謎だが、とにかく朝ごはんの時間帯には置いていない。


↑このように、看板に「スープあるよ!」と堂々と書いてあるところでも、行って「スープある?」と聞くと「まだできてない」という。

開店時間には用意しててよ……と思うのだが、割とこれが普通であるらしく、何件もそれで断られたことがある。

イギリス人は朝に汁物を食べる習慣がない? 

また、私がよく利用するチェーン店のカフェ「Pret a Manger(プレタマンジェ)」は、いつも何種類かスープを置いているのだが、朝はスープの代わりにポリッジ(オートミール)が置いてある。

もう数十回朝に行っているが、スープがあったことは一度もない。

ポリッジは麦のおかゆみたいなものだが、写真のように、果物や牛乳、蜂蜜などを入れて甘くして食べるのが一般的だ(ちなみに私は塩味で食べるのが好き。変と言われるけれど)。
そりゃサンドイッチよりは汁物に近いが、やはり違う。

イギリス人は朝に汁物を食べる習慣がないのだろう。

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日本は汁物文化だった

日本は汁物文化だったなあ、としみじみ思う。

主食に必ず汁物(味噌汁)がついてくるって、実は珍しいのかもしれない。
鍋文化も多種多様だし、お雑煮、あとは麵料理でもそばにうどん、ラーメンなど、汁物が多い。

西洋は麺でも汁気のないパスタが主だ。他に汁物と言えばシチューくらいか。

そういえば日本では、スープパスタやスープカレーなど、本来汁物ではないものもスープにしてしまうという文化があって、いやあやはり日本人は汁物好きなんだな、と思う。

だから日本では、普通に生活していても知らないうちに結構な割合で汁物を摂取していたと今からすれば思う。
ロンドンで和食ブームであるとはいえ、朝開いている和定食屋などもちろんないので、日本の汁物は手に入らない。

スープストックトーキョーが懐かしい

だから、日本で「スープストック東京」のようなスープ専門店が人気になるのも、当然と言えば当然かも。

今ではスープストックが本当に恋しい。中華風、西洋風、カレーまであって、品ぞろえもよかった。値段も高くなかった。

何を食べようか迷ったらよく行ったものだった。

ロンドンにもぜひ「スープ専門チェーン店」ができてほしいと思うのだが……。

それどころかイギリス人はスープへの興味を失っているらしい

悲報である。スープ専門店どころか、スープの売り上げが落ちているという。

こんなニュースを見つけた。→Sales of canned soups fall as Britain fans out of love with liquid lunch

2016年10月と割と最近の記事。
スープ缶の売り上げが業界全体で8.2%、金額にして2870万ポンド落ちたとのこと。

©Epic Fireworks

売上下落のほとんどが、業界最大手のHeinzらしい。

記事の中で「スープ缶(業界)は沈みゆく泥船だ」とまで言われている。ヒドイ……。

若い世代からの人気がスープ缶から離れ、バラエティ豊かな冷製スープ(スーパーの惣菜コーナーなどで売ってるでき合いのスープのことだろうか?)へと行きつつあると分析されている。

だが、冷製スープの売上増加はは690万ポンドで、スープ缶の売上現象2870万ポンドと差し引いても、全然たりないので、やはりスープ業界全体の売上が落ちている。

今のところ、「朝スープ欠落問題」の自炊以外の解決策はない。

イギリスでは「スーパーフード」認定されると売上が一気に増える現象があるようなので、どうにかスープもそのヘルシーさでスーパーフードとして人気が出てくれないかな……。

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