【イギリスお取り寄せ飯】ロシア系スーパーが日本人にとって桃源郷だった話

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イギリスの食文化

ロックダウン中のお楽しみとして何回かやったお取り寄せのうち、ロシア系ショップからのお取り寄せ食材のレポ。

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ロシアの食材が気になる

ロシアは行きたいと思いつつ行ったことのない国のひとつなのだが、私は食文化についてもうっすらとしか知らないことに気づいた。でもこれまでに食べた数少ないロシア料理は美味しかった記憶があるから、もっと試してみたい……。

イギリスであまり売られていないイクラやたらこがロシア系スーパーでは売られていると聞いたこともあり、魚介大好きな身としては気になっていたのだ。

今回は見つけたのは、ロシア、ウクライナの食材を売っているイギリスのお店「Babshka」。

商品を少し覗いてみたら、なんとも日本人が狂喜乱舞しそうな魚介だらけのラインナップだったし、イギリスの魚介類の値段に比べてやたらと安い。一つ一つの商品の量がそこまで多くないこともあり、興奮していろいろ買いまくってしまった。

結論から言えば、ロシア系ショップは日本人には天国のような店だった。詳しくは以下で紹介していきたい。

今回頼んだもの

  • イクラ(瓶詰と缶詰)
  • ボルシチ
  • プロフ(ピラフ)
  • ニシンの塩漬け
  • サーロ(塩漬けの豚の脂身)
  • 黒パン
  • タコの燻製
  • さきいか
  • カペリン(カラフトシシャモ)の干物
  • タラの肝(缶詰)
  • たらこ(缶詰)
  • ニシンの卵(缶詰)
  • ミニウォッカ(50ml)

イクラ

イクラ大国ロシアだけあり、イクラだけですごい数の商品があった。ちなみに魚の卵はロシア語ではすべてキャビア(Kaviar)という。イクラ以外にもいろいろな魚の卵を売っていた(今回それらも一部購入した、後述)。

今回は、プレミアム品質であるらしい瓶詰(100g/18ポンド)と、普通のグレードの缶詰(95g/10ポンド)を買ってみた。今回食べたのは瓶詰の方。缶詰は半年くらい持つので、また後でイクラを楽しめるぞ……とニヤニヤしながら保管。

イクラだけちょっと高いけど、この店は他の商品はおおむねとても安い。

半熟卵にカニの身(カニ缶は普通のスーパーで売っている)とイクラを乗せたおつまみ。安定の美味しさ。これまでに食べたイクラと同じなので、プレミアムの品質どうこうはよくわからないが、とっても満足。

夢だったイクラ雑炊もやった。日本に一時帰国した時に食べて、また食べてみたかったんだよね。めちゃくちゃ美味しいのでイクラ雑炊、おすすめ! 

魚介系の雑炊なら何でも合いそう。今回の雑炊は、余ったカニ缶を使ったカニ雑炊。卵も入れているので、上のおつまみと材料が一緒だな……。

ボルシチ

ロシアと言えばボルシチだよね、と思いきやボルシチはウクライナの伝統料理だそうで、これもウクライナボルシチ。500mlで2ポンド。ウクライナとロシアは元はソビエト連邦で同じ国だったので、食文化も共有しているのだ。

鍋で温めるだけで完成。サワークリームを乗せるらしいのだけど、なかったのでプレーンヨーグルトを代わりに。ちょっと味付けが濃い目だったけど、ヨーグルトが緩和してくれてバランスがとれた。

これはこれで美味しいけど、作り立てはもっと美味しいだろうな~。

プロフ

プロフとはウズベキスタンの伝統的な米料理で、ロシアを含め中央アジアの国で人気の料理の一つ。肉、野菜と米を一緒に煮込んだもので、ピラフの一種である。

これはラトビアのメーカーのものらしい。500gで3ポンド。ちなみにウズベキスタンもラトビアも元ソ連の構成国である。このお店で手に入るのは旧ソ連圏の食べ物が中心なのだろう。

すでにできている総菜なので、レンジでチンするだけ。たまたまあったパセリを添えてみる。

うん、美味しい! なんだか懐かしい味がすると思ったが、トマトベースなこともあり、オムライスに入っているチキンライスに似ているのだ。細かく切って入っている肉は、旨味が凝縮されている感じ。何の肉だろう、羊、豚、牛? パッケージに英語がないため原材料は読めていない。

野菜もたくさん入っていて、さまざまな具材が味わえて楽しい。

ニシンの塩漬け

一口サイズの生ニシンの塩オイル漬けが入っているパック。210gで2ポンド。これは以前から私が「西洋の刺身」と言い続けているものである。ロシア限定ってわけではないのだが、あると頼んじゃう。

一切れがかなり小さい(フォークは比較用)ので、食べやすそう。このお店には、他にもいろいろなニシンのマリネが売られていた。サイズもさまざま。ウォッカ漬けなんてのもあり、一瞬カートに入れようか迷ったものの、ウォッカがあまり得意ではないのでやめておいた。

イギリスでもたまに売っているんだけど、これはそれよりも塩がきつくなくてより美味しい。オイル漬けなのでさっぱりしたサラダなどと合わせるのが吉。

サーロと黒パン

サーロもウクライナの伝統料理で、豚の脂身を塩漬けしたもの。昔は、寒い国では貴重なカロリー減であり、ビタミンが豊富なので栄養食として重宝されていたのだそうだ。黒パンに乗せて生のまま食べるらしいので、ライ麦パンも一緒に購入。いろいろな種類のサーロが売っていたが、お試しなのでとにかく一番小さいサイズのものを購入(違いがわからないし)。

サーロは250gで3.5ポンド、黒パンは280gで2ポンド。

ライ麦パンの賞味期限がすごく長い。10カ月くらい持つんだね。びっくり。

さて、サーロはどんな感じかな? スライスしてこのパンに乗せて食べればいいんでしょ? と開けてみると……

いや、いやーーーーー……これは……脂身だけだと思ったら肉もついているし、完全に生の豚バラ肉……だめだろ……塩漬けにされていたとはいえ、これを生で食べるのはさすがに攻めすぎでは……? 

お腹が壊れかねない……食べ方とかも書いていないし……生食には向いていない種類を買ってしまった可能性もあるし……。

ということで結局焼く。完全にただの豚バラスライスですねこれ。でもサーロは焼いたり煮たりして食べることもあるらしいから、これもありだろう。

ほどなくして豚バラ焼きができた。

にんにくと一緒に食べることもあるらしいので、パンににんにくを擦りつけて香りをつけてみる。

ウォッカと一緒に食すということで、普段は全く飲まないウォッカも今回は用意してみた。同じ店で買った50mlのミニミニボトル(3ポンド)。ショットグラスがないからお猪口を使う。

実食。うん、普通に豚バラ乗せ黒パンの味がする! 美味しい!

ここでウォッカをくいっといき、気分はウクライナ人……と思ったが、ストレートはきつすぎてお猪口の半分も飲めず終了した。残念。

あまり特別感がなかったサーロだったが、ドイツ人夫には大ヒットしたらしく、喜びながらバクバク食べていた。私としては、いつか生で味わえるサーロを試してみたいものだ。

一緒に食べていたニシンの塩漬けも、パンに乗せて食べたりもした。

タコの燻製

燻製したタコの脚。150gで3ポンド。想像していたより大きい。

とりあえず切って、オーブンで少しあぶって食べてみることにした。

この日は疲れていたので、見栄えも付け合わせも気にせずどーん。申し訳程度にマヨネーズを添えて。

これは正直、燻製の香りが強すぎて個人的にはいまいちだった。燻製が大好きな人なら気に入るかも。食感は固すぎず、噛み応えもあって良い感じ。

さきいか(乾燥イカ)

商品画像を見て、「これさきいかでは?」と思ってポチったら本当にさきいかそのものみたいな食品が届いた。36gで2ポンド。

パッケージをよく見てみると、メイドインチャイナだった。中国からロシアに来たものがイギリスを経て日本人の私の口に入るのか。なんか不思議な感じ。

食べてみたらもうね、完全にさきいか。これ以上ないくらいさきいか。強いて言えば日本のさきいかよりもっとしょっぱいかな。ロシア(旧ソ連圏?)と日本でここまで同じものがあるのか……。

カペリン(カラフトシシャモ)の干物

カラフトシシャモとも呼ばれるカペリンは、日本では当初シシャモの代用品として入ってきたらしい。ただ現在シシャモとして一般的なのはこのカペリンなんだとか。本来のシシャモは希少で高価な食べ物となっている。

「おっシシャモの干物なのでは?」と思って注文してみたが、思ってたよりもずっと乾いている。煮干しをそのままでかくした感じ、と言えば伝わるだろうか。100gで2ポンド。

これ、このままぼりぼり食べるのかな……? それは想定していなかった。よくわからないままオーブンでそのまま焼いてみることにした。

まあ当然、乾燥も乾燥、パッサパサである。尻尾の部分は食べるには固すぎた。そしてかなり塩辛い。味はシシャモそのもので、なんと卵まで入っているではないか。子持ちシシャモをイギリスで食せるとは。

これは何かしないときついな、と思い、意味があるのかわからないが2晩ほど水につけてみる。

その上でオーブンで炙ってみたら、同じとは言わないが、身が少し柔らかくなって、日本で食べていた焼きシシャモに1歩近づいた気がする。しかし塩辛さはあまり変わらないので、喉が痛くなった。

タラの肝の缶詰

「たらの肝」は日本でも食べたことがないが、パッケージを見て「これは絶対つまみとして美味しいに違いない」と酒飲みのレーダーが働いてポチった。240gで4ポンド。

恐る恐る開けてみる。ひたひたの油に肝が浮いている。油があふれまくって掃除が必要になった。開缶の儀式は皿の上でやるべきだった。

油を切ってから適当な大きさに切り、そのまま食べてみる。

こ、これは……!! あん肝に近いな!? 同じとは言わないけど、イギリスで手に入る代用としては十分かも。あん肝はねっとりしているけど、タラ肝はぷりぷりしているのと独特の風味がある。

塩味が十分ついているからそのままでもつまみにぴったりだし、ポン酢やレモンを垂らしても美味しい。

たらこの缶詰

たらこの缶詰。130gで4ポンド。イギリスのチェーンスーパーにも店によってはたらこの缶詰が売っていることがある。そちらは缶詰の中に押し固められた感じのもの(pressedと書いてある。イギリスではたらこをフライにするらしいので、圧縮されて固い方が便利なのだと思う)なのだが、このロシア缶詰はいかに。

開缶。鮮やかなピンクだし、圧縮もされておらず、なんともまろやかで美味しそうなたらこではないか……。このまま一口食べてみたら日本で食べていたあのたらこと同じ味。

たらこが手に入ったら、何をおいても真っ先に作るのがたらこパスタ。少量のバターとたらこを合わせて、茹でたてのスパゲッティにあえるだけで超美味しいたらこパスタのできあがり。バターとたらこだけなのにこってりクリーミーで、旨味が詰まっている感じで申し分ない味。永遠に食べ続けたい。

たらこパスタ1食分に使うたらこはだいたい30g前後なので、この缶詰1つで4食分程度は賄えることになる。良い……良いぞ……。

もちろん白米のお供にしても超優秀。このたらこ缶は今後も定期的に買っていく決意をした。

ニシンの卵の缶詰

ニシンの卵、要はカズノコである。110gで4ポンド。

まあ日本のカズノコはカズノコにするために処理されているし、さすがに同じ味ってわけではないよな~と思いながら開けた。黄金色が美しいじゃないか。スプーンですくってこのまま少し食べてみた第一印象は、「結構思ってたよりカズノコだな……!」であった。

味はほぼ一緒で、あの独特のプチプチ食感はカズノコより弱いとはいえ、健在。嬉しい驚きだった。

そのままだと結構塩気が強いので、キュウリと混ぜてみた。これは本当にいい酒の肴になるし、何より美味しい。まさかこんなに美味しいとは。これもたらこと一緒にリピートしていきたい。


いやー、未知のロシア食材だったけど、いろいろ試せてかなり楽しかったし美味しかった。タラ肝、たらこ、ニシンの卵を中心に、今後もこのお店では定期的に物資調達をしていきたいと思う。

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コメント

  1. 匿名 より:

    結構思ったよりカズノコだな…!の言葉が個人的にすごく面白かったです。笑
    とても参考になりました。ありがとうございます!

    • 塚田沙羅 より:

      ありがとうございます!ロシアのカズノコ、機会があったらぜひ試してみてください♪