美しいベルリン大聖堂の中に日本人アーティストの彫刻が展示されている

2018年6月22日

ドイツに旅行したときにベルリン大聖堂を初めて見学したのだが、そこで不思議な彫刻を見つけた。

ちょっと不気味な女性像の彫刻

ベルリン大聖堂は、ベルリン中心部の美術館島のすぐ近くにある巨大な聖堂で、綺麗な緑色のドームが特徴だ。

中は美しい装飾で飾られている。

巨大なパイプオルガン。このオルガンの下、壁沿いに1対の女性の彫刻が立っている。

これがなんとも奇妙な像だったのだ。

拡大すると、顔にぽっかり穴があいた女性の像だった。割と粗削りで、モダンなスタイルの彫刻だ。

もう一つの像は、似ているが片方の腕が2本ある…。何も説明がなく不気味である。
私の知る限りキリスト教の話でこのような姿かたちの女性は出てこない。何なのだろう。

この女性像だけが、荘厳な聖堂内でやたら浮いた存在のように思える。

聖堂内後方にも同じ像を見つけてしまった。しかもここは1体しかない。明らかに像を配置するスペースが2ヵ所あるのに1体しかいないのである。

実は日本人アーティスト、イケムラレイコさんの作品だった

ずっとこの像が何だったのか疑問に思っていたのだが、後日SNS経由で、日本人アーティストで現在ベルリン在住のイケムラレイコさんの作品だと教えていただいた。

日本人作家の作品がこんなところにあるとは思わなかったので、驚きとともになんか嬉しくなった。
そして大聖堂にコンテンポラリーアートを展示する斬新さにもびっくり。この聖堂では定期的に美術品を展示しているとのこと。

この作品は「叫び(Der Schrei/the scream)」というタイトルらしい。

実際に現代アートを展示するのは新しい試みのようで、「確かに聖堂にコンテンポラリーアートというのは見かけない組み合わせだが、この聖堂では伝統だけに縛られない自由な芸術表現、内面的な表現を重視している」という。特にドイツではナチス時代の独裁統治を抜けた後、個人の内面の自由や自由な表現が重んじられるようになったということだ。

手を顔に添えるポーズ、またぽっかりと空いた顔は、ムンクの作品「叫び」を思い起こさせ、見る人にさまざまな印象を与える。恐れ、悲しみ、絶望、虚無…そんな作品がベルリンを代表する聖域に置かれているのはなんだか不思議だ。でも綺麗ごとばかりでない、人間の内面がよく表されている作品が、内面的な活動を支える場所(聖堂)にあるのはなんらおかしくもない、とも思う。

これらの説明についてはこちらの関係者のインタビューに詳しく書いてある(ドイツ語なので、右クリックでグーグル翻訳で任意の言語にページを翻訳できる。日本語より英語への翻訳の方がより精度はいいだろうと思う)。

大聖堂全体が大変素晴らしい観光場所だった

ベルリン大聖堂は、どこを見ても素晴らしい建築物だった。

ドーム部分の天蓋は第二次世界大戦で被害を受け、1993年に修復されたものだからか、装飾も新しい。

昼間は外から光が差し込んで、厳かな雰囲気になる。一番天辺には、平和の象徴でありキリスト教では精霊の化身でもある白いハトの姿が描かれている。

ドーム部分は展望台になっていて内側から上ることもでき、ベルリンの街を一望できる。

地下には王家の墓

地下へ下ると、王家の棺がぞろりと並んでいた。

ひんやりとしている。広くほの暗い空間に多数の棺が置かれているのは、怖くはないが不思議な感覚。

奥の方で、1体の像を見つけた。女性なのか男性なのかわからない。顔は男性的だが、体つきは女性っぽくも見える。

十字架にかけられた布の表現が素晴らしかった。柔らかく滑らかな布の感触が見事に彫られていて、「滑り落ちてしまうんじゃないか」なんて心配しそうになった。

イリュージョンとはこういうことをいうのだ。

クマはベルリンの象徴

完全に余談だが、ドイツ人の夫によるとクマはベルリンのシンボルらしい。確かに街中でよく彫刻やマークを見かけた。

ドイツ語でもクマは「ベア」。ベルリンはドイツ語で「ベアリン」と発音するので、中にクマが入っている!ということでクマがシンボルとなったらしい。なんか適当だし可愛い決まり方である。それでいいのか。

ドイツにはテディベアの有名なメーカー「シュタイフ」もあるし、クマに縁があるみたいだ。


Berlin Cathedral Church

住所:Am Lustgarten, 10178 Berlin, Germany