2年前の冬、2014年の11月にロンドンに降りたった私が、どうやってここで友達や夫と知り合ったのか書いていく。
目次
渡英時、知り合いはほとんどいなかった
渡英した当初、コネなど何もなく、ほとんど知り合いはいなかった。当時のビザはワーホリ。
当時唯一あった人脈と言えば、前職の会社に勤めており、現在ロンドン在住の方(面識はないが連絡先だけ知っていた)と、行く前に知り合っていたロンドン在住のインド人(会ったことはない)だけであった。
学校に通う必要は感じなかったので語学学校などには行かず、仕事も在宅でするフリーランスの仕事なので(のちに英系/日系の会社でも働いたりするけど)、当初は人と全く会わずに済んでしまう日々を送っていた。
最初の2~3週間くらいは環境を整えるのにばたばたしていたが、その後いろいろ住環境を整えて落ち着くと、「このままでは友達ができん、やばい……」と思い始め、割とすぐに「Meetup(ミートアップ)」に行き始めた。
Meetupとは
サイトで参加者を募り、いろいろなグループで様々なイベントを行う一大コミュニティサイト。
食事会、お茶会から、一緒にスポーツ、ハイキング、読書会、美術鑑賞、舞台鑑賞、ただの飲み会まで、本当にどんなジャンルでもある。
グループは承認制だったりフリー参加だったり様々。会費もイベントによって異なる。
友達作りは難しい
だが、友達作りはそう甘くない。そもそも、単身でイベントに乗り込んでいって自己紹介しただけで、仲良くなれる人がすぐ見つかるわけがないのだ。
今までできた友達は皆小中高学校とか、大学とかバイト先仕事先とか、そういう「ある程度一緒の時間を過ごして」できたものなのだから。
参加して連絡先だけ交換しても、それっきりということがすごく多かった。皆友達を作りたくてそういうイベントに参加している人ばかりなのに、だ。でもこれは誰のせいでもない。そういうものなのだ。
「今度飲み行こうよー!」「メッセージ送るね~!」も果たされない約束になるよくあるパターンばかりだった。
また、その後数回遊びに行っても長くは続かなかった、というパターンもある。
ロンドンは長く住む人が少ない
移民国家のイギリスでは、仕事を数年して母国に帰る、とか、インターンや留学で来てそれが終わったら帰ってしまう、という人が多い。私ももともとは期限付きの滞在のつもりだったし。
地元民(イギリス人)はすでに友達がいるため、友達を作りにイベントに参加することはない。基本的にイベントで来る人と知り合ってもすぐに母国に帰ってしまう、という人が多かった。
「ロンドンはこんなに人がたくさんいるのに、孤独を感じる街だ」という言葉を、私はいろいろな人から聞いた。
初めてのクリスマスは部屋で一人ワイン
渡英したのが11月17日。そして12月25日のクリスマス、私は部屋で一人赤ワインを飲んでいた。
12月の初旬くらいからやっとイベントに行きだしたので、まだ友達ができていなかったのだ。先述のインド人とは何回か会ったが、そこまで親しくはならなかった。
こっちのクリスマスは、電車からバスから何から交通網がすべて営業停止し、お店もほぼすべて閉まる(そこまでとは思ってなかった。完全にリサーチ不足だったのだが)。どこも行けず友達もいなかったので、一人で買っておいたワインを飲むくらいしかすることがなかった。仕事も少ししたかな、そういえば……。
人生で一番寂しいクリスマスだった。
30日間イベント連続参加計画
2月くらいまで、ちょこちょこMeetupに足を運ぶ、という生活をしていたが、ある日一念発起した。「このままダラダラやっていても状況は変わらないのだ! やるならがっつりやらなきゃいかん!」と。
そして「毎日(Meetupじゃなくても)必ず何かのイベントに参加するのを30日間続ける」という自己目標を自分に課した。
なぜ30日なのかは特に理由はないのだが、「30日毎日やって1人も友達できなかったらもう私人としてダメじゃね?」となんとなく思ったからだ。いや、ここでできていなかったら普通に延長していたと思うけれど。
ルールとしては、
- 1日1回必ずなんでもいいからイベントに行く
- 知り合った人と飲みに行くなども1回のイベントとして数える
- トークショーやレクチャーなども自分が本当に行きたいと思ったものは1回に数える(実際期間中1回好きな執筆家のトークショーに行った。人とはほとんど話さなかったが)
という感じでゆるく決めていた。
1人でイベントに乗り込むのは正直キツい
いやーきついっす。そもそも西洋人と日本人とではノリが根本から違う。日本人からすれば西洋人なんて皆パリピである。
なぜ出会ったばっかでべたべたスキンシップができるのか? その言葉はこの距離感で使っていいのか? というか何が普通なんだ? と最初ははてなマークだらけであった。
そして何がきついって1人で乗り込むことだった。ぽつんとしてしまうこともあるし、手持ち無沙汰になることもあるし……。別に差別などはされていないのだが、アジア人一人だけみたいになるとノリの違いからアウェー感を感じることもあった。
酒好きというのもあるけれど、「飲まなきゃやってらんねえ!!」というメンタルだったので、お酒ありのイベントしかいっていなかった。幸い弱くはないので、べろべろに酔って危ない目にあった、などはなかった。
イベントは選ぶべし
イベントは様々あるが、どれを選ぶかでその時の楽しさが変わってくると思う。
美術展鑑賞のイベントなどは、美術館は好きだけど展示は一人で見たいしな~と思ってパス。「決めつけるのもよくないか」と思って1度だけ団体で科学博物館を見に行くMeetupに行ってみたが、やはり見る時は個人だし、バラバラになってしまうので、知らない人と見に行くメリットを感じなかった。
とにかく自分が興味のあるものじゃないと続かないと思ったので、ベトナム料理が好きな人が集まりベトナムレストランで食事をする会、とかも行った。日本料理を食べに行く会も行ったが、高いお金を払っただけで交友関係はできずに終わった(その場でしゃべった人たちはいたけれど)。悲しかった。
あと日本人向けには、日英言語交換のイベントがたくさん開催されているけれど、日本人女子を狙うジャパ専西洋人と、西洋人男性を狙う日本人女子のたまり場となっているのでおすすめしない。最初数回トライしてみたが、実際ある人にものすごく嫌な粘着をされたことがあったので、悪い思い出しかない。
まあ目的が人それぞれ違うのでね、それが肌にあうならいいと思う。
親友・夫と知り合う
結果からいうと、この「30日間計画」の間に、今でも続いているイタリア人の親友と、夫となる人と知り合うことができた。グッジョブ、私。
実は親友と夫は、同じMeetupのイベントで、やや時期をずらして出会った。
親友との出会い
全言語を対象とした言語交換(ランゲージ・エクスチェンジ)のイベントで出会った。彼女も私とほぼ同時期に渡英していて、友達を作るためにイベントに来たのだった。30日計画をして2週目くらい。
2人ともものすごく社交的なわけでもなく、自分からガンガン人に話しかけるようなタイプではなかったが、なんとなく最初からウマがあう気がした。彼女も私も美術館や映画に行くのが好きで、お酒も好きだということで、話が合った。
その後2人で飲みに行く回数も増え、一緒に他のMeetupにも行き、彼女の彼氏や友達も紹介してもらったりして、交友関係が広がった。今では彼女の彼、彼女の家族とも家族ぐるみのお付き合いをさせてもらっている。
彼女とは別に、もう1人、カザフスタン人の女性とも違う会で友達になった。彼女も渡英したばかりで、ちょうどその日にFacebookで別れたばかりの元カレが他の女と婚約したというポストを見て泣きはらしたという重大事件が起き、1人になりたくなくてイベントに来て、入り口付近で最初に彼女に声をかけたのが私だった、という劇的な出会いだった。
その後イタリア人の友達も含めてよく3人で遊びに行っていたが、彼女は留学生だったので、もう母国に帰ってしまった。本当に残念。
夫との出会い
ちょうどカザフスタン人の彼女と出会ったのと同じ会で、彼とも出会った。30日計画を始めてから3週目のことだった。
彼女の失恋に深く同情し、「そんなんやってられんわ!! 飲もう飲もう!」と2人で飲みまくり、他の人にも話しかけまくり、そのうちの1人が彼だった。彼はドイツ人だがスペイン語を当時勉強していて、スペイン語ネイティブを探していたようだが、酔っぱらった我々はあまり関係なく絡みに行っていた。
最初から「よく笑う人で感じいいなあ」と思っていたが、後日飲みに行ったらやはりウマがあったのでそのまま自然に付き合い、結婚にいたる……という感じだ。あとめちゃくちゃ旅男だった。私も旅が好きなのでちょうどよかった。
結局、仲良くなっても帰ってしまった人たちやら、いろいろな動きがあって、今はイギリスの友達は数人だけど、とても大切な人たちと知り合えたので、「30日間イベント参加計画」はやってよかった。
もし友達が作れなかったとしても、だいぶ図太さや大胆さは手に入れられたと思う。海外で友達作りたい人、最初は恥ずかしいかもしれないけれどやってみよう!
「続けていれば、得られるものは必ずある」ので、何かを達成したい時は、30日でも、まずは続けてみるといいと思う。
コメント
以前ロンドンに住んでたのでMeet-upの変な西洋人の話、共感しながら読ませて頂きました!30日間ルールいいですね⭐︎私もロンドンにいた頃もっとアクティブに過ごせばよかったと塚田さんのブログ読んで少しだけ後悔しました。