「アイアイサー」という「了解!」の意味のフレーズについて、疑問に思ったので調べてみた。
「イエッサー(Yes Sir)」と似ている。
漫画などでしか見たことがないが、軍隊などで上司に命じられたことに対して部下が「かしこまりました!」の意味で使っている場面がすぐ思い浮かぶ。どちらも同じような用法で使われているように思える。
だが、「アイ」とは何か。私は、この「アイ」がスコットランド人が「Yes」の意味で使う「Aye」であり、「Aye Aye Sir」なのではないか? と思っていた。起源を調べてみると、まあまあ遠からずといったところのようだ。
「Aye」を「Yes」の意味で使う文化
「Yes」の意味で「Aye(アイ)」を使うのは、スコットランド英語の特徴として良く知られているが、スコットランドだけでなく、アイルランド、北イングランドでも使われるらしい。
同じスペルまたは「ay」と書く古英語で、「永遠に」という意味の単語もあるようだが、こちらは今ではほぼ使われない。
さて、この単語の起源だが、おそらく中英語の「a ye(oh yes)」が由来ではないかと言われている。音はそのままに、oh yesがyesの意味になったというところだろうか。
中英語とは、中世の時代の英語という意味で、細かく言うと1066年のノルマン・コンクエストから15世紀後半までに使われていた英語を指す。
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議会と海軍で使われるようになった「Aye」
この「アイ」は、16世紀後半~17世紀前半頃に、スコットランドやアイルランドなどの地域語だけでなく、普通の英語にも取り入れられるようになった。しかし今日では、普通の英語で使われるのは、議会と海軍という特殊なコミュニティにおいてのみである。
イギリスの議会では、法案の可決・否決を決める際、「yes」「no」の代わりに、「aye」「no」を使うのが正式であるという。オーストラリア、ニュージーランドでも同様だという。カナダでは少し変わって「yea」「nay」となるらしい。
海軍での「アイアイサー」のルール
海軍でも「Aye」は使われる。冒頭で述べたように、「Aye Aye Sir」としてである。
また、「Aye」の数によっても微妙な違いがあるようで、「Aye」1回だと、単に「命令を理解する、了解する」という意味で、「Aye Aye」だと「命令を理解し、実行する」という意味になるらしい。つまり後者は実行を確約している、という意味がプラスされるのだ。
ちなみにアメリカも「アイ」を採用しているが、この回数の決まりについては、海兵隊や海軍など機関によってルールが異なるようである。
「イエッサー」と「アイアイサー」の違い
では「イエッサー(Yes Sir)」との違いは何なのかというと、
Yes Sir=命令ではない話題に対する同調
Aye (Aye) Sir=命令に対する同調
であるらしい。つまり命令ではない普通の質問に対しては「イエッサー」を使い、命令に対しては「アイアイサー」を使うということだ。
「アイアイサー」から発展して調べてみたら、なかなか面白い歴史を持っていることがわかった。
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