【統計で見る】イギリスにイギリス人は何人いる?8人に1人が外国出身者

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統計

イギリスを統計から見るシリーズ。

今回は、「出生国別、国籍別のイギリスの人口(2015年最新版)」について。EU離脱前のデータだが、これが最新版である。

概要と、興味深かったものを抜粋して訳してある。

元資料:Population of the UK by Country of Birth and Nationality: 2015 (PDFダウンロードもあり)

※「出身国」「国籍」の違いに注意。この2つは必ずしも同じ国とは限らない。

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概要

  • 8人に1人(13.3%)はイギリス以外の国の出身であり、 2004年の11人に1人(8.9%)より増加している。特に2014年から2015年にかけて3.5%と大幅な増加が目立つ。

  • 外国出身者のうち、320万人がEU圏出身である。そのうち16%はイギリス国籍を取得しており、83%はEU圏の国籍を所有している。1%はそれ以外の国籍を所有している。

  • 外国出身者のうち、540万人がEU圏外の国出身である。そのうち54%はイギリス国籍を所有しており、5%はEU圏の国籍を所有している。41%はそれ以外の国籍を所有している。つまり、移動の制限がなかったEU圏出身者に比べ、EU圏外出身者はより多くがイギリス国籍を取得している傾向にある。

  • 外国出身者のうち、最も多い出身国はポーランド(9.7%/83万1000人)である。2004年には最も多い出身国はインドであったが、2015年には79万5000人とポーランドを下回った。

  • 外国出身者が最も多く住んでいる地域は、ロンドンであり、外国出身者の37%が居住している。

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イギリス居住者のうち8人に1人が外国出身者で、12人に1人が外国籍保持者

2015年の出生国別人口

単位:1000人

 
  • EU14=オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、アイルランド共和国、スペイン、スウェーデン
  • EU8 =チェコ共和国、エストニア、ポーランド、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、スロヴァキア、スロヴェニア
  • EU2=ブルガリア、ルーマニア
  • EU と EU27= EU14+EU8+EU2+マルタ、キプロス、クロアチア 

約8人に1人 (13.3%)、860万人が外国出身者で、そのうち3分の2がEU圏出身者である。

2015年の国籍別人口 

単位:1000人

約12人に1人 (8.7%)、560万人が 外国国籍である。 3.2 million (56.7%) held EU nationality and 2.4 million (43.3%) held non-EU nationality.そのうち320万人(56.7%) がEU圏国籍であり、240万人(43.3%) がEU圏国籍である。

外国出身者のうち340万人(40.0%)がイギリス国籍を所有している。

320万人(56.7%) のEU圏出身者の国籍の内訳は以下の通り。

  • 50万4000人(15.8%) ……イギリス国籍
  • 270万人(83.3%)……EU圏の国籍
  • 2万8000人(0.9%) ……EU圏外の国籍

540万人(43.3%) のEU圏出身者の国籍の内訳は以下の通り。

  • 290万人 (54.2%) ……イギリス国籍
  • 24万6000人 (4.6%)……EU圏の国籍
  • 220万人 (41.2%) ……EU圏外の国籍

出身国トップ5はポーランド、インド、パキスタン、アイルランド、ドイツ

青=ポーランド、黄色=インド、赤=パキスタン、水色=アイルランド共和国、灰色=ドイツ

ポーランドが出身国としては最多かつ、イギリス国籍を所有しない国民としても最多である。ポーランド出身者は2004年の8倍。
2004年~2015年の間は、インドが最多であった。 

イギリス以外の出身国トップ5は以下の通り。

  1. ポーランド (83万1000人)
  2. インド (79万5000人)
  3. パキスタン(50万3000人)
  4. アイルランド共和国 (38万2000人)
  5. ドイツ(28万6000人)

国籍トップ5はポーランド、インド、アイルランド、ルーマニア、ポルトガル

青=ポーランド、黄色=インド、赤=アイルランド共和国、水色=ルーマニア、灰色=ポルトガル

2015年のイギリス在住の外国国籍所有者で最も多い国籍はポーランドで、外国国籍所有者のうち約91万6000人(16.5%)がポーランド国籍を所有している。2004年から84万7000人増え、13倍の数値である。

イギリス以外の国籍トップ5は以下の通り。

  1. ポーランド (91万6,000)
  2. インド(36万2,000)
  3. アイルランド共和国 (33万2,000)
  4. ルーマニア (23万3,000)
  5. ポルトガル (21万9000)

ここにポルトガルがランクインしたのは初めて。ポルトガル国籍21万9000人のうち、ポルトガル出身は13万2000人、インド出身が2万6000人、イギリス出身が2万人であった。

インド出身者の50%はイギリス国籍を所有

出身国トップ2のポーランドとインドについて:インド出身者79万5000人のうち、イギリス国籍を持っているのは過半数(43万6000人、54.8%) だったが、ポーランド出身者は、91万6000人のうちイギリス国籍を持っているのはたった2万7000年 (2.9%)であった。

これは、ポーランドのようなEU圏出身者は、「移動の自由(ビザがなくてもイギリスで居住、就職する権利がある)」というEU内のルールにより、国籍変更の必要性が感じていないことを示している。

逆にEU圏外であるインド出身者は、イギリス国籍を取得しようとする人の割合が高い。


「8人に1人が外国人」は、街を歩くと実際かなり多い割合に感じる。私もそのうちの一人だが……。

ただ、人の見ためではイギリス人かどうかはわからない。例えば、インド人の家族出身で見た目はインド人だが、ずっとイギリスに住んでいて、生まれも育ちもイギリスでイギリス国籍であるという人もざらにいるからだ。

今後EU離脱でこの割合がどうなるのか、当事者ながら興味がある。

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