3泊4日でアムステルダム旅行に行ってきた。
アムステルダム旅行の基本情報と、この旅の目次代わりの記事はこちらから。
この記事では、アムステルダムで実際に食べてきたオランダ料理を写真付きで紹介していく。
目次
オランダ料理は美味しいのか?
これまで、「アムステルダムはとてもいい街だよ」「オランダは観光にいいよ」とオランダに対する高評価を周りから多く聞いてきたが、オランダ料理の話になると皆口を閉ざすことが多く、私にとっては謎であった。
ネットで「オランダ料理」を検索してみると、どうやらシンプルな料理が多いという印象。しかも揚げ物系が多い、というざっくりした情報を得て「ああ、なるほどね……シンプルだったりジャンクなものが多いから日本人の口には合わないのかな……」と期待を低めながら、「よし、どんなものがオランダ料理なのか見てきてやるぞ!」と意気込んで旅立ったのだった。
結論から言うと、オランダ料理は美味しかった。
事前にいろいろ調べたり、地元の人やオランダに詳しい人に情報をもらった方が美味しいものに巡り合えることは間違いないだろう。
私の場合はラッキーであった。一緒に行ったドイツ人の夫が、ドイツと言語も文化も近いオランダのことをそれなりに知っていて、食事に関してもいろいろと紹介してくれたのだ。
今回のアムステルダム旅行では、美味しい食事をたくさん楽しめた。この記事では、今回の旅行で知ることができたオランダ料理、アムステルダムで美味しかったレストランなどの食事事情をシェアしたい。
オランダ料理はドイツ料理系統に近い
ただし。日本人にとっては、スペインやイタリア、フランス料理の方が、食材の幅も調理法も美味しいと感じるのは間違いない。オランダの料理は素朴だけどちゃんと美味しかったよ、というのがこの記事の趣旨である。美食大国と比べてどうのと言うわけではない。
特にフランスのように洗練された料理とはベクトルが違うので、そこは頭に入れておきたい(もちろん高級レストランではそういう系統のものも食べられる。ファインダイニングにも行ったので、その様子はこの記事の後半を参照)。
当然といえば当然であるが、基本的に料理は地理的に近いドイツに似ているものも結構あった。芋とかソーセージとかザワークラウトとか、そういったものがよく出てくる。またドイツの逆隣りであるチェコも似ている。ここら辺は全体的に同じ系統の食文化圏なのであろう。
ちなみに、隣国のベルギー、特にブリュッセルはフランスとオランダの真ん中なので両方の文化が混ざっている。以前行ったブリュッセルで食べた料理にも少し似ていたのはそういうわけか、と思った。
名物料理、生ニシンのサンドイッチを美味しすぎて毎日食べる
私が今回の旅行で大ハマりしたのがこれ。塩漬けした生ニシンのサンドイッチ。要は刺身をパンにはさんだようなものである。これが本当にとんでもなく美味しいのだ。3泊4日の旅行中、誇張なく毎日食べていた。
オランダ人のソウルフードであるらしい。塩のきいた、ぷりぷりっとしたニシンと生の玉ねぎのシャキシャキとした食感、そしてピクルスの酸味がたまらない……。
塩ではなく酢漬けのニシンバージョンもあり、それも食べたのだが、圧倒的にこの塩生ニシンの方が美味しかった。
パンに挟んでない魚だけのものもあり、元から細かく切ってくれているバージョンと、切ってないバージョンがある。切ってあるものは、上の写真のようにオランダ国旗の楊枝がついてきて、それを使って食べる。
切っていないものは、尾を掴んで持ち上げ顔を上向きにして口を開けてそのまま食べるのが、オランダ人流だそう。どっちも試してみたけど、食べやすいのはもちろん切ってある方だ。
書いていてまた食べたくなってきた。スーパーでもニシンと生タマネギが一緒になったセットが売っていたが、要は刺身なので、1日しか持たない。お土産に持って帰ることは断念した。
このニシンやニシン入りサンドイッチは、魚屋とか屋台で売っている。1つ3~4ユーロくらいで、朝食や軽食にぴったり。Hollandse NieuweやMatjes Haringという名で売られていたと思う。
これは屋台。
ちなみに、夫によるとドイツにも同じようなものがあり、ドイツ人はこれを二日酔いの朝に食べるらしい。
私はこれを「オランダの刺身」と勝手に命名した。特に日本人には絶対おすすめなので、一度トライしてみてほしい。
好きすぎて、住んでいるロンドンで見つけた際にはいろいろな食べ方をして楽しんでいる。
イギリスでも手に入る生ニシンの塩漬け。それでなめろうを作ってみた
オランダはチーズが有名
アムステルダムの街中には、チーズ屋さんがたくさんある。特にハードチーズが多い印象。なんだかパンのような見た目の巨大なチーズは、見ているだけでも楽しい。試食もできるので、食べながらお気に入りを探すのもよし。
特にゴーダチーズが有名で、熟成具合が、若い、熟成、超熟成など段階がある。熟成が進んだものは結構香りが強い。私はマイルドな方が好きだったので、若いゴーダをお土産にした。
チーズ専門店を巡るのもいいし、普通のスーパーにも安価でバラエティ豊かなチーズが売っているので、スーパーを見てみるのもおすすめ。
あと、牛乳だけでなくヤギや羊のチーズも売っている。私はヤギのチーズの癖のある風味が苦手なのだが、羊のチーズは全く違い、すごく美味しかった。すっきりしながらコクもあり、獣臭さが一切ない。これもお土産で購入。
オランダを代表する料理&おすすめレストラン
最初はちょっとジャンクなものから。
ブリュッセル旅行の記事でも「ヨーロッパでは『ベルギーのフライドポテトは特別』と有名」という話を書いたが、オランダも何やらフライドポテトで有名らしく、街中の至るところに「フライドポテト専門店」がある。
かけるソースをいろいろなものから選べるのだが、このスペシャルソースというのは、生タマネギとマヨネーズ、ピリ辛のソースを混ぜたもので、美味しかった。ニシンのサンドイッチもそうだが、オランダでは生タマネギをよく付け合わせとして食べるのかな。
どこかの店で見つけたジャンクフードの自動販売機。ハンバーガーやらポテトやら、何かのフライが入っていて、セルフサービスでとれる仕組み。温かい食べ物の自動販売機は日本以外で見たことがなかったので驚いた。
ここからは、オランダ伝統料理とモダンオランダ料理、それぞれでおすすめのアムステルダムのレストランを紹介しよう。
オランダ伝統料理
オランダ伝統料理のエンドウ豆のスープ、スネルトゥ(Snert)。今回の旅はすごく気温が低く寒かったので、こういう温かい汁物がありがたかった。
クリーミーなスープの中に、ソーセージや野菜が入っていて、ほっとする味。軽い昼食や、前菜にぴったり。
ビターバレン(Bitterballen)という牛肉のミートボールフライ。ただの揚げ物とあなどるなかれ、これ、外はサクサク、中はとろ~りとしていて、とっても美味しいのだ。
中を割るとこんな。ビーフシチューが中に入っているような感じ。マスタードをつけてもさっぱりして美味しい。
スタンポット(Stamppot)という、ソーセージとマッシュポテト、野菜のワンプレート。これはマッシュポテトにほうれん草が混ぜてある。
パリッとした肉厚なソーセージ、濃い目のグレイビーソースと、ふわっとしたマッシュポテトの往復が止まらない……!!
↑こちらは違うレストランだけど、同じくスタンポットで、ザワークラウトバージョン。ソーセージの他、ミートボールとベーコンがついている。マッシュポテトの下にはザワークラウトが敷かれていた。
白ワイン蒸しムール貝のポット。すごい大きさなので、シェアするのがいいと思う。ムール貝と言えばベルギーが有名だが、アムステルダムでも美味しいムール貝が食べられる。あとお決まりのようにフライドポテトがついてくる……笑
ぜひ白ワインと一緒に!! うまみ成分たっぷりのムール貝の出汁が存分に味わえる。
もちろん、伝統料理はこの他にもたくさんある。
どれを食べても美味しい、このオランダ伝統料理を出すレストランはこちら。店員さんもフレンドリーで、とても心地のよい場所だった。
The Copper Kettle
住所:Amstel 32H, 1017 AB Amsterdam, Netherlands
モダンなオランダ料理
良いレストランのランチにも行ってみた。ここはフレンチインスパイアの料理を出すところ。アムステルダムの街中にも、フレンチレストランは多かった。
「今日のシェフのおまかせランチ」的なコースを頼んだ。オーダー時に、シェフが各テーブルを回ってコース内容を丁寧に説明してくれる。
今回食べたのは3品コースで、前菜+魚料理+肉料理。デザートはなし(もちろん追加で頼むことも可)。私は甘いものが苦手でデザートを食べることはめったにないので、このメニューはありがたかった。
パンからしてすでに噛むと滋味溢れて美味。
これはコースの3品よりさらに前にくるアペタイザー。なので実質4品かな。カブ的な野菜+そのソースにひよこ豆を散らしたもの。日本のカブとはちょっと違う種類で、より甘みがある。
ホタテのグリルの前菜。レアに近いホタテはふっくらしていて最高。薄切りのシャキシャキとした野菜とベーコン、クリームの食感の組み合わせも抜群。
魚料理。何の魚か忘れてしまった……確かヒラメだかカレイだったような……しかし、美味しかったという記憶だけはあるぞ!
白身魚のグリルに、アクセントに鳥のレバーという組み合わせ。淡白な魚とこってりしたレバーがとっても合う。少し酸味と甘みのあるソースが全体に絡んで味をまとめあげていた。
最後の肉料理。牛のステーキに、右側は牛のタルタル(生・レアのミンチ肉)+卵黄という、ビーフ尽くし。肉も魚もこんなにたっぷり味わえるなんて幸せ……
また出てくるお皿というお皿もすべてスタイリッシュで美しい。
クリームと卵黄をたっぷり絡めて食べると、西洋版ユッケのような感じになるタルタル。重くない赤ワインと絶妙にマッチ。ステーキとどっちが主役かわからないくらい美味。
柔らかーく、素晴らしい火の通り具合だった、ミディアムレアのステーキ。一口頬張るたびに肉の旨味がギュッと出てくる。付け合わせの野菜もそれぞれが丁寧にグリルされていた。
アムステルダムで洗練された料理をお求めの人には、ぜひおすすめしたいレストラン。
住所:IJdok 185, 1013 MM Amsterdam, Netherlands
アムステルダムの外食の値段
個人的な感想だが、アムステルダムでの食事は、ヨーロッパの中では高め。感覚的にはロンドンと同じくらいかなあ、と思った。
サンドイッチやポテトフライなど、いわゆる軽食だけで済ますなら1つ数ユーロ程度で済む。でもレストランできちんと食べようと思ったら、前菜は5~10ユーロ、メインは15~25ユーロくらいはするかなあ、という感じ。一人当たり前菜とメイン1つずつ、お酒1~2杯で25~40ユーロくらいかな。お酒の量やデザートを頼むかでも変わってくると思う。
いいレストランはランチに行くとお得。モダンレストランのシェフのおすすめコースはランチということもありお値打ちで、お酒込みで2人で100ユーロくらい。高級ランチですね。
スイーツ編:アムステルダムもワッフル文化?
アムステルダムの中心部を歩いていると、とにかくスイーツ屋が多いという印象を受けた。
こんな感じ。多種多様なスイーツが売っている。
特にワッフルを売っているお店が多かったように思う。ベルギーのブリュッセルを思い出した。
食べてみた。シンプルなヌテラ(チョコクリーム)のワッフル。外側がカリカリしていて、中からじゅわっと甘みが出てくる。美味しいけど、とにかく甘いので、飲み物が必須。
ちなみに、「オランダのワッフル」として知られるのは、この普通のワッフルではなく、以下の画像のような小さく薄いワッフル。
ストゥループワッフル(stroopwafel)といって、クッキーに近い。薄いワッフル2枚に、砂糖やら蜂蜜やらの甘いソースが挟まっている。ソースにはいろいろなフレーバーがあり、チョコとか、キャラメルとか、ラベンダーなんてのもあった。
カフェでも売っているところはたまにあったけど、袋に包まれたお持ち帰り用という感じだったので、お店で出すものではないんだろうか……? スーパーならどこにでも売っている。
お土産に蜂蜜味をお買い上げ。
夫によると、温かい飲み物を入れたマグカップの上にワッフルを乗せ、少し待ってから食べるものらしい。やってみたけど、確かに硬いワッフルがやや温かく柔らかくなり、蜂蜜がとろりとして美味しくなった。
オランダの家庭的スイーツ「Vla」
このスーパーで牛乳パックのようにずらりと並んでいるVlaというものは、飲食店などでは出てこない家庭的なスイーツらしい。これも夫が教えてくれた。
カスタードクリームのようなとろっとした液体で、味はバニラとチョコの2種類。で、どちらか、または両方を混ぜて、上にチョコフレークなどをかけて食べるらしい。
ホテルで作ってみた。このようなことらしいです。ヨーグルトみたいな容器に入った小分けのVlaも売っているので、それを買って作った。
Vla自体が甘いので、チョコフレークはビターチョコを選ぶと良いのだそう。味はまあ想像通りだったが、フレークのプチプチ感とクリームの食感の組み合わせは確かに……ハマってしまうかもしれない。甘いものが好きな人はぜひ挑戦してみてほしい。
というわけで、オランダではなかなか美味しいご当地料理に多く巡り合えたので、グルメ的にも満足な旅であった。少しでもアムステルダム旅行の参考にしていただけたら嬉しい。
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