コルドバの美しいモスク✕教会「メスキータ」とその他観光スポット紹介

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スペイン

スペインのセビリア・コルドバ旅行で行った、コルドバのメスキータと、その他街中のちょっとした見どころをレポ。メスキータはスペイン語で「モスク」を指す言葉。イスラム建築とキリスト教建築が見事に融合した、唯一無二の建築物だ。

今回の旅の概要と見どころ、クリスマス・年末年始の街の様子などはこちらの目次代わりの記事から。

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イスラム教建築にキリスト教建築が増築された「メスキータ」

メスキータがあるところには、元々7世紀からキリスト教の聖ビセンテ教会があった。

その後イスラム教がこの地を支配し、同じ場所にモスクが785年に創建された。その後キリスト教がこの地を再び支配し、1236年にキリスト教の聖堂として礼拝堂などが加えられ、2つの宗教が融合した珍しい姿になったのだ。世界遺産にも登録されている。

つまり、キリスト教の教会→イスラム教のモスク→キリスト教の教会 という過程を経ているわけで、今でも最初の教会の遺跡を見ることができる。

月~金曜日の朝8時半~9時半は無料入場できる! 

このメスキータ、通常の開館時間に入ると入場料は10ユーロだが、月曜日から金曜日の朝8時半~9時半は無料公開されている。予約も必要なく、ただその時間にそこに行けば誰でも入ることができる。

10時からの正式な開館に備えて9時半で強制的に退出させられてしまい、滞在時間はきっかり1時間なのでそこは頭に入れておこう。ただ、1時間フルにあれば十分に見学できるので、開館と同時に行くと良いと思う。私は今回、8時半ぴったりに入るようにし、退出時間までたっぷりと見学できたので満足であった。

中に入ると、美しい円柱の並ぶ広間が現れる。広い空間に、多数のキリスト教のチャペルや祭壇、そしてイスラム教の装飾や内装が織り混ざっており、見どころは満載だ。

イスラム教とキリスト教の装飾や調度品が混合した不思議な場所

このイスラム式の円柱には、聖母子、聖人の絵がかけられていたり、

スペインにお馴染みの金ぴかの祭壇が設置されていたりする。

かと思えば、天井を見上げると美しいアラベスク文様の装飾が目に飛び込んでくる。交互にイスラム教、キリスト教の要素が視界に入ってきて、現実感がない。

これは、西洋建築とイスラム式の円柱が隣り合わせになっていた場所。こんな絵がとれるのは世界広しと言えどなかなかないだろう。

こちらもゴテゴテに装飾を持ったキリスト教の祭壇(?)。イスラム教のアラベスクも、キリスト教の装飾も、違うベクトルに盛りまくっており、なんだか「どこまで派手に飾れるか対決」を見ているような気分になる。

アビラの聖ヨハネのチャペル。彼は15世紀にスペインのアンダルシア地方で活動したとされる教会博士だ。とても精巧な彫像で一種の生々しさと、モダンな蝋人形のような雰囲気が入り混じっている。

美しい文様のミフラーブは必見

奥に進んでいくと、これまた美しい複雑なアーチ形の円柱が現れる。

このアーチを抜け、さらに奥に行くと、ミフラーブが現れる。私はここがメスキータの中で最高に美しい空間だと思った。

ミフラーブとは、モスク内のメッカの方向の壁に設けられたくぼみのこと。モスクには必ずミフラーブがある。つまりメッカの方角を指し示す、イスラム教徒にとってはとても大切なものなのだ。

ここには3つのミフラーブがあった。カラフルで繊細な文様で彩られている。これは中央のミフラーブ。何やら修理? 調整? が行われていた。

これは左右に1つずつある同じデザインのミフラーブ。

装飾部分の拡大。文様化された金色のアラビア語がぐるりと周りを囲っている。

そしてこのミフラーブの上には、万華鏡のような天井。夜空を装飾文様だけで作ったらこうなりそうだ、と思った。窓から日の光が差し込み光る様子が美しい。

広い内部は歩き回るだけで楽しい

メスキータの現在の教会としての名称は聖マリア大聖堂で、現在でも一部はキリスト教の教会として機能しているという。

ところどころに遺物が展示されていた。これらは18世紀のミサ典書や福音書。マドリードなど他の地域で制作された(使われていた?)ものらしい。

中央のスペースには、巨大なパイプオルガンが見える。ここは現在でもキリスト教の儀式にも使われる身廊で、中には入れないが奥に祭壇がある。

キリストが描かれた鮮やかなステンドグラス。

メスキータ内を歩いているだけで、多種多様な空間を見られるので楽しい。時間があっという間に過ぎてしまう。この正面部分は、イスラム様式のアーチ形に後からキリスト教の彫像装飾をつけたようになっている。

この部分の天井は西洋風のもの。アラベスク文様に負けじと埋め尽くし系装飾だが、金と白で統一されたデザインは優雅で洗練されている。

メスキータ外壁にも巨大なミフラーブがある。中のものと似たデザインだ。

コルドバ随一の名所であるメスキータは、アンダルシア地方では間違いなく必見スポットの1つだろう。セビリアと近いので、二都市を一緒に回るのがいいと思う。

コルドバは小さな街なので、観光名所がそれほどたくさんあるわけではないが、メスキータの他にあと2つ、街中の素敵な場所も紹介しよう。


メスキータ

住所:Calle Cardenal Herrero, 1, 14003 Córdoba, Spain

入場料:10ユーロ(月曜日~土曜日の朝8時半~9時半は無料。予約の必要もなし)

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メスキータから出ているローマ橋

街中心部を流れるクアダルキビール川にかかるローマ時代の橋が、メスキータと川の向こう岸をつないでいる。

そんなに長くはない橋だけれど、太陽の下、ここをゆったりと渡るのはとても気持ちがいい。向かい側にある建物は中世の要塞で、現在は街の博物館となっている。

1世紀にローマ人が建設したというこの橋は、900年代に拡張され今の姿になったという。脚の部分は綺麗なアーチ形になっている。土台の高さから当時は今よりももっと川の水面が高かったのだろうと予想される。


ローマ橋

住所:Av. del Alcázar, s/n, 14003 Córdoba, Spain

極小の美しい教会

コルドバは小さい街なので、中心部は徒歩で十分移動ができる。街中を歩いている最中、とっても小さいけれど内部が美しい教会を偶然見つけた。

入場料はかかるのだけど、たった1~2ユーロなので、この付近に行くなら立ち寄ることをおすすめしたい。

14世紀後半に創建されたムデハル様式建築の建物。ムデハル様式とは、ムーア人(ベルベル人とも)、つまりアフリカ系イスラム教徒のテイストが混じった建築様式のことだ。メスキータとシナゴーグと並んで、コルドバで見られるムデハル様式の建築物ベスト3に入る建物だという。

礼拝堂の美しい青色の幾何学模様の施されたタイルと漆喰の壁は、15世紀当時のものだというが、タイルの模様はとてもモダンに見える。人間の美的感覚はこの600年の間変わっていない(そして多分古代からずっと変わっていない)。

礼拝堂上部には壁画がところどころ残っている。

この教会は本当に小さく、青い礼拝堂と、外にこの祭壇が設置されているスペースだけだ。多分所要時間は5分くらい。それでも、来る価値はあると思った。

あの礼拝堂は、時を超えて当時の人たちの素晴らしい美的感覚を今に伝えてくれている。


Capilla Mudéjar de San Bartolomé

住所:Facultad de Filosofía y Letras, Calle Averroes, S/N, 14004 Córdoba, Spain

入場料:平日1.5ユーロ、週末・祝日2ユーロ

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