アイルランド旅行10日間へ行ってきた。
アイルランドのお酒と言えばギネスビールとウイスキー。アイリッシュ・ウイスキーは、世界で最も古いウイスキーなのだそうだ。
というわけで、アイリッシュ・ウイスキーの蒸留所を見学に行った。地方にぽつんとある、小さい蒸留所だ。
ウイスキー蒸留所「Walsh Whisky Distillery」
あたりは農地で、ウイスキーの原料になる大麦が栽培されている。地元で生産する材料でウイスキーを作り続けてきた小さな蒸留所だ。
1999年にできた会社だが、ウイスキーの蒸留自体は2007年から始まった。
メインの商品は「The Irishman」と「Writers Tears」の2つ。どちらもかなり最近生まれたブランドである。
待合室で待っているとガイドの人に呼ばれた。いざ蒸留の現場へ入る。
アイリッシュ・ウイスキーは、アイルランドの修道士がギリシャにキリスト教の布教に行った際に、現地の香水の技術を持ち帰り、それを応用して生まれたのだという。アイルランド語で「命の水」と呼ばれた。
この蒸留所がある地域は「Royal Oak」というが、当時アイルランドを統治していたイングランド王ジェームズ6世がこの地へ来た時に、オークの木(楢の木)に隠れたことに由来する。
当時アイルランドの民衆にとっては侵略してきたイングランド人は敵であり、何をされるかわからなかったからだ。
実際の生産現場を見せてもらう
実際に稼働中の機械を見せてもらえた。
大麦に70℃の熱湯を加えてよく混ぜる。攪拌しなくても自然に混ざり、糖分が抽出された砂糖水ができ上がるのだという。その砂糖水の香りをかいでみたら蜂蜜のように甘かった。
スタッフの人も作業中なのにもかかわらず、フレンドリーに説明してくれた。
これが内部。シャワーのように上から水を加えている。残った大麦のカスはまだ栄養があるので、牛や豚の餌にし、余すことなく利用する。
モルトウイスキー用の巨大な蒸留器。3機あり、液体は3回蒸留にかけられる。
3機目で蒸留された液体は蒸留の最初と最後に出た分(ヘッドとテール)を取り除き、真ん中の部分を次の蒸留器に移すのだという。
ヘッドとテールは次の回で、新しく蒸留される液体とともに再度蒸留される。
この作業が終わると、樽に詰めて保存される。アイリッシュ・ウイスキー製造の決まりとして最低「3年と1日」は樽で熟成されないといけないのだという。
ガイドの人が「もし『2年半熟成したアイリッシュ・ウイスキー』と謳って売っていても、それはアイリッシュ・ウイスキーではないので気をつけてね」と教えてくれた。
見学の後はまったりと試飲
ツアー後はこちらのバースペースで「Writers Tears」を試飲させてもらった。
アイルランドは有名な作家・詩人を多く輩出している。昔、作家たちがパブに集ってよくウイスキーを飲んでいた。あまりにも飲みすぎたので、ウイスキー味の涙を流したという言い伝えからこの名前が付けられたらしい。
リンゴのように甘い香りで、後味がナッツのように濃いというかねっとりしている、美味しいウイスキーだった。
「美味しいウイスキー」は自分が決める
テイスティングの時にガイドさんが言った言葉が、妙に印象に残っている。
「どんな風味がする? 自分が感じた味が本当の味なんだよ。正解なんてない」
「どの銘柄が一番美味しい? って質問に答えはない。自分が好きな味が、自分の好きな銘柄だよ。誰が何を言おうと、自分が好きでなければ意味がないからね」
住所:Royal Oak, Clorusk Lower, Carlow, Ireland
料金:ツアー15ポンド(テイスティング料金込み)
ツアー開催日:火~土曜日 10am、12pm、2pm、4pm
※私は当日予約をしていったが、予約せずそのまま直接訪問してツアーに参加していた人も見かけた。
以前、スコットランドのエディンバラでスコッチ・ウイスキーについて学べる施設にも行ったことがある。詳細はこちら。
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