クリスマス後から年明けまで南スペインのセビリアとコルドバに行ってきたので、見どころの観光地や見つけた面白い場所などを紹介していく。
この記事は、今回のレポシリーズの目次的な役割も兼ねている。
これからセビリアやコルドバに行く人にとって、少しでも参考にしていただけたら嬉しい。
目次
セビリアとコルドバのユニークな文化
セビリアとコルドバは、建築物から文化から、欧州の中でも特にユニークな場所だ。その一番の理由は、イスラム教の要素が未だに残る街並みにある。
イスラム教とキリスト教の融合
有名なグラナダと同じく、セビリアとコルドバは、キリスト教が広まったのちに、イスラム教王朝が支配し、その後キリスト教が再び支配した歴史を持つ。
イスラム教とキリスト教の要素が融合した、なんともエキゾチックな建築や文化が見られることで知られている。
現在は文化が融合した街として売り出しているためか、ナチュラルにそういう文化が続いてきたからなのか、街中の一般住宅や店内でも内装や細部にイスラム文様の要素が見られる。
これは通りすがりの住宅のバルコニーの裏側。イスラム風の装飾文様が施されている。
今回は、セビリアとコルドバで、そうしたイスラム教とキリスト教文化が融合したスポットをたくさん見学してきた。以下の記事で詳しくレポしている。
セビリアは画家ムリリョの出身地
セビリア出身の有名人に、画家のバルトロメ・エステバン・ペレス・ムリリョがいる。セビリアが誇る、17世紀スペインを代表する芸術家の一人だ。
作品は宗教画が中心で、柔らかく優美な雰囲気が特徴的だ。特に少女のような可憐な聖母マリアと、可愛らしい幼児(天使や幼子イエスなど)の表現で知られる。
特に↑の「無原罪の御宿り」は、世界一可愛い聖母マリアだと私は思っている。
彼の作品の多くはマドリードのプラド美術館が所蔵しているのだが、今回の旅では、主に聖堂や教会で貴重なムリリョの作品を堪能することができた(ものによっては複製もある)。
詳細なレポとムリリョ作品が見られる場所はこちら↓。また、スペインの教会は金ぴかで豪華絢爛、ド派手な内装のものが多いので見ごたえがある。
セビリア・コルドバ内の交通と2つの街の移動
今回はセビリア空港を利用し、セビリア3泊→コルドバに移動して4泊→セビリア1泊して帰国、という日程だった。
街の大きさとしては、セビリア>>コルドバ。どちらも中心部に宿をとれば主要なところはすべて徒歩で見て回れる。特にコルドバは、観光地が集まっているエリアは本当に小さいので歩くのがおすすめ。
公共交通機関は、セビリアにはバス、地下鉄、トラムなどが走っており、コルドバはバスが主要で、電車は通っていない。それ以外だとタクシーか、または馬車というオプションもある。
セビリアとコルドバはかなり近く、車で1時間45分、高速鉄道でだいたい45~50分くらいと、移動しやすい。
鉄道の料金は片道一人20ポンド前後だった(出発時間によっても異なるので、これより高かったり安かったりする)。
年末年始でいろいろな場所が閉まっていた日があったことを抜きにしても、コルドバは4泊も必要なかったな、という感想。
冬でも南スペインは基本的に暖かいが、朝と夜は寒い
私の住んでいるイギリス(ロンドン)に比べて、南スペインは暖かく過ごしやすい。冬でも日中は15℃を超えている。ロンドンは5℃超えたら暖かいくらい、寒い時にはマイナスになるので、かなりの温度差である。
またよく晴れているので、外の観光にもぴったり。セビリアもコルドバも、こんな風に街路樹としてオレンジの木が至る所に生えていて、爽やかな感じ。
あと気温には関係ないけど、鳩は白色のものが多く綺麗だった。
ただし。夜や朝は普通に寒い。時間帯によっては1℃とか極寒になる時もあるので、防寒対策はしっかりと。
また、日中でも太陽が出ている場所と日陰になっている場所の温度差が結構ある。
ちなみに、夏はかなり暑い。ヨーロッパ中で一番夏が暑い街は1位がコルドバ、2位がセビリアなのだそうだ。
午後のシエスタ時間はいったん店や観光地が閉まる
メインストリートや、賑わっている界隈のお店は1日中通しで開いているところも多いが、それ以外の小さな店や個人店は、3時前後くらいに一旦店を閉めて、5時から再オープン、というところも結構あった。飲食店も同様だ。
また、観光地となっている個人邸宅や教会などもこの午後の休憩時間をとるところがあるので、公式サイトで営業時間を調べてから計画をたてた方が良い。
飲食店のランチタイム、ディナータイムが遅い
ランチの時間帯で料理を提供するのは午後1時から、ディナーの料理提供は午後8時から、というお店が多かった。その前に行っても食事ができないので、注意。
詳しくはこちらにまとめたので参考にしていただきたい↓。セビリアとコルドバで食べられる料理も写真満載で紹介している。また地理的にモロッコと大変近いため、モロッコ料理のレストランも結構ある。
英語があまり通じないので翻訳アプリの利用がおすすめ
セビリア、コルドバでは、街中であまり英語が通じない(マドリードやバルセロナなどの大きい都市ではまた事情が違うと思うけれど)。
有名な観光施設とか、観光地ど真ん中のお店なら英語が話せる人もいるが、大半の場所で英語が通じないと思っていたおいた方がいい。ちなみに、通じないのレベルは「本当に通じない」である。ワン、ツー、スリー、フード、チキンなど基本的な単語でも通じない(もちろん人によるけど)。
私もスペイン語を話せないので、翻訳アプリで調べて、ヘタなスペイン語を駆使して意思疎通させてもらった。
ちなみに私が旅行中に覚えたかつ一番利用頻度の高かった単語は、挨拶の他に「お会計」「ワイン(白、赤、ドライ)」「ビール」「炭酸ナシの水」「トイレ」である。実用性は常に優先される。
今はオフラインで使える翻訳アプリが出ているので、それを利用すると便利だと思う。私もかなりお世話になった。
グーグル翻訳アプリをオフラインで使う方法はこちら。
クリスマス~年末年始の街の様子と注意事項
ちょうどクリスマス後の12月26日にスペインに飛んだのだが、まだまだ街中はクリスマス一色である。欧州は正月よりもクリスマスの方を重要視するので、年が明けてもなおクリスマスの装飾が見られる。
多くの家で、このような幼児の姿のキリストが描かれた幕をかけている。
サンタがたくさん登っている可愛い家。
クリスマス前後には、このようなイエスの生涯を再現したジオラマが街中や教会内に展示される。
このシーズンは営業時間の変更や休業に注意
基本的に、クリスマス当日の12月25日はすべての店やサービスが休業する。クリスマス前後、元旦前後も、店や施設は営業時間を短縮したり休業したりするので、観光にはあまり向かないシーズン。
美味しいものを食べてワインを飲んで、暖かいところでのんびりする、というのが目的ならこのシーズンでもいいかもしれない。
飲食店は割とこのシーズンでも多くの店が開いていたが、12月31日の午後はほぼすべての店が閉まるので、食べ物は事前に確保するか、食事サービスのあるホテルを利用するなどしたほうがいいだろう。私たちは夕食難民になった。
年越しでブドウを12粒食べる習わしがある
ヨーロッパは基本、クリスマスと正月の過ごし方が日本とは逆だ。クリスマスは家族で集まり、年越しは友達とパーティーをしたり外に出て皆で騒ぐことが多い。私たちは今回コルドバで年越しをしたが、多くの人たちが街中の広場に集まって年越しの瞬間を祝っていたようだ。
現地の人に教えてもらったが、スペインでは年越しを告げる教会の鐘の音に合わせて、ブドウを1粒ずつ食べる伝統がある。12時なので、全部で12粒。
スーパーでは年越し用に、ちゃんと12粒入りのブドウが売られていた。私たちもその慣習にのっとって食べてみた(寒すぎるので広場には行かず、ホテルの部屋でだけど)。
見るものも食べるものもたっぷり堪能できた今回の旅行、それぞれの観光スポットは各レポート記事で詳しく紹介しているので、ぜひ読んでいただきたい。
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