アイルランド旅行で石垣マニアになりかけてしまった話

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アイルランド

バイクでアイルランドを一周してきた。バイクに揺られて景色を見ている中、「石垣」が突如気になって気になってしょうがなくなってしまったのだ。

この旅の概要はこちらから。

バイクでアイルランド一周:「のっぺり旅」と農場ステイ

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アイルランドには石垣がたくさんあることに気づく

運転大好きな夫が運転してくれていたので、私はかなりゆったりと景色を見ることができた。バイクなので車より広い視野で周りを見ることができ、天気も良かったので大変気持ち良い。

ただ、時には何時間も乗りっぱなしという時もあって、景色も変わらないと、だんだん飽きてくる。

音楽は聞けないし、人とも話せないし、まあ景色を見る以外は逆に何もできない。なので「何もしない」を楽しもうかな、と思っても、私の脳はいろいろうるさい。黙ってくれないのだ。

過去のでき事を小学校・中学校・高校・大学・新社会人と勝手に掘り起こしたり、そのせいで黒歴史が発掘されて(聞こえないのをいいことに)「アアアーーーー」とか叫んで打ち消したりする。そんなことをしているうちに、遠くに古びたお城などを見つけて「あっ」となったりして。

そんなことをしながらバイクの後部座席で過ごしているうちに、いきなり石垣が目に付くようになった。暇すぎたからだろうか。なぜかはよくわからない。

「アイルランドには石垣がやたらあるな、イングランドにはこんなにあったかな?」と気づきだすと、それまで何も気にしていなかったのに、次から次へと石垣が目に入るようになった。

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観察しているうちに様々な種類を発見

無数にある石垣を見ているうちに、石垣の中にも種類があることがわかってきた。
覚えているうちに、カテゴリ分けしておこうと思う。

ベーシック型

漠然と石が積まれている、一番ベーシックというか原始的な形である。積み方に規則性などは特に見いだせない。

適当にでも石を積めば石垣になるのだという好例。

何もない野原や農場などの仕切りに使われていることが多かった。仕切りにすらなっておらず、何かの建物の跡なのだろうか? と思われるものも結構ある。

横並び型①

ちょっと整然としすぎている。プロ(石工職人)による物に違いない。こうなると一気にいい子ちゃんぽくなってつまらない。

まあ、他のタイプも時代が違ったりするだけで、当時のプロの手によるものかもしれないんだけれども……。

横並び型②

より細い板を使い、数で攻めるような感じになっている。が、結構ガタガタなので、あまり整然としていないところがポイントが高い。

この頃になると、新しい石垣を見つけては「おっいいねえ~新種だねえ~」と心の中で叫ぶようになってきていて、マニアっ気が出てきた。

凸型①

凸型でも、出っ張っている部分が細いタイプ。

これは本当によく見かけたタイプである。野原や道端などなんでもないところよりも、ホテルや人の住んでいる家、教会などの建築物を囲う石垣にこのタイプが多かった。

なので、このタイプは他のタイプよりもランクが上(=居住地に使われる)なのではないだろうか。

凸型②

凸型の亜種。凸の部分がかなり大きく、他の部分とほぼ同じ大きさの石である。

「ゴロゴロっとしてていいね~やっぱ整っているのよりこういうのがいいよね」と声に出してコメントを言うようになる。さすがにはばかられるので小声で。完全に石垣オタクの脳内になっていた。

凸型③

横並び型②と凸型の組み合わせ業。既存のものを掛け合わせて新たなものを作るのはものづくりの基本である。

凸型④

凸の部分が四角く、かなり整然とした印象。土台の部分も隙間をつなぎで埋めてあって、頑丈に作られている。これも家の周りの塀であった。

石垣発見にもだいぶ慣れてきて、「ちょっと整いすぎかなあ……」と普通の声でつぶやくようになっていた。末期である。

日本語なので夫(ドイツ人)には何を言っているかわからず、「なんでこんなに石垣に執着してるんだろう」という目線で見られていた。私が知りたい。なぜかはわからない。

カラフル型

使われている石そのものが大変カラフルでお洒落である。変に色を塗ったものよりもこういう素朴なほうが良い。日本人のわびさび心に訴えるものがある。形としては凸型の亜種ともいえよう。

野生化型

こんもりと緑に覆われ、野生に還ってしまったタイプの石垣。自然のたくましさと歴史を感じさせる。

野生化したタイプはベーシック型が多い気がした。ベーシック型はおおむね古い石垣なのかもしれない。

巨大&点在型

海近くの野原で見つけた石群。これはもう「石垣」ではないのではないか、という反論がありそうだが、石垣マニア(マニア歴は数日)の私が石垣認定するのだからこれは石垣なのである。仕切りとしての機能はなんとなく果たしている。

最終形態

大変機能的である。これは「垣」なのか、という疑問はおいておけば、誰も異論はないであろう。


ウェールズでもこのような石垣は少し見かけたが、アイルランドほど多くはなかったように思う。

ロンドンに戻ってきて周りにこんな石垣がなくなってしまったので、石垣熱はどこかへ行ってしまったのだが、またアイルランドに行けば復活することは請け合いだ。

次回の逢瀬を楽しみに待ちたいと思う。

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