南スペインのセビリア、コルドバに1週間ほど行ってきたので、その時に実際食べた料理を紹介したい。
この2つの街の概要と見どころ、クリスマス・年末年始の街の様子などはこちらから。
この記事では、セビリア、コルドバではどんな料理が食べられるのか、郷土料理とタパスを中心に写真多めで取り上げていく。
目次
ぜひタパスを楽しんで+美味しいお店はグーグルマップで調べる!
街中には、数えきれないほどたくさんのTapas Bar(タパスバー)がある。バーと言っても中はレストランと変わらない。
タパスはいわゆる小皿料理のことで、一皿3ユーロ前後。店によってもタパス一皿の量は異なるが、日本人なら2人で5~6皿頼めば満たされると思う。
いろいろな種類のタパスを頼むと、日本の居酒屋のように異なる料理を少しずつ楽しむことができる。ワインとよく合うものが多いので、一緒にスペインワインを味わいながらどうぞ。
スペインでは安くて美味しいタパスバーに行くのがおすすめだ。そして、ほとんどのお店で味が安定している。つまり味の最低基準が高い。あまりに店の数が多い+どこに入っても割と美味しいので、そんなに気を張らなくても大丈夫だ。
1つ、美味しい店を探すコツとしては、グーグルマップで「Tapas bar」で検索し、評価星4以上の店を探すことだ(たくさんある)。そこに入っておけばだいたい間違いないだろう。
ランチは午後1時~ディナーは午後8時~のところが多い
注意したいのは、食事を提供し始める時間帯が遅いこと。ランチは午後1時から、ディナーは午後8時からのところが多かった。早くから開いていて飲み物は飲めるけれど食事の注文を受け付けるのは8時から、または8時からオープン、という2タイプがある。
午後6時~7時台にしっかりした夕食がとれるところは少ないという印象を受けたので、食事の時間は少し考えた方がいいかもしれない。
少し調べたら、スペイン人は1日に5回食事をとるらしい(皆が皆そうかは知らないけれど)。早めの夕方に食事をとり、夜(午後8時以降)はタパスバーなどで友達や家族と飲みながら軽いおつまみを食べるのだとか。食文化がだいぶ異なるようだ。
コルドバ名物のスープ「サルモレッホ(Salmorejo)」はおすすめ!
さて、まず紹介したいのは、私がこの旅行で一口目から虜になってしまったスープである。
コルドバ名物の冷製スープで、サルモレッホ(Salmorejo)というもの。トマトベースのとろりとしたスープに、生ハムと茹で卵が散らしてある。
ガスパチョと似ている(ガスパチョもアンダルシア名物らしい)が、こっちにはパンが多く混ぜ込んであるらしい。だからとろりとなるのかも。口当たりの良いスープに、カリカリしたハムがアクセントになって美味。
コルドバの名物だが、セビリアでも多くの飲食店が置いていた。
これがとっても美味しく、1日目に食べてからというものサルモレッホ依存症となってしまい、毎日食べていた。
これが旅中に私の食べた全サルモレッホたちである。一番上は、焼いたナスにサルモレッホがかかっているというひねった一品で、これもこれでとても美味しかった。
そしてもちろん家用にもお土産で買った。サルモレッホを愛する人間なら当然のことである(もったいなくてまだ食べられていない)。
とはいえ、そこまで特別でもないこのスープになぜここまで虜になってしまったのかはよくわからない。きっとその時の私に何かがぴったりとはまったのだろう。まったり系のスープが好きな人なら好きになると思うので、セビリア、コルドバではぜひご賞味いただきたい。
コルドバ名物の白いスープ「Mazamorra」
こちらもコルドバの料理、白いMazamorraというクリーミーな冷製スープ。
アーモンド、パン、ガーリックなどからできているらしい。これには洋ナシと松の実が乗っていて、ほんのり甘い。優しい味でとても美味しい。私たちが行った店で置いているところはあまりなかったように思うが、これも見つけたらぜひ食べてみたい料理の1つ。
コルドバ名物のオックステールシチュー
ラボ・デ・トロと呼ばれる、牛の尾(オックステール)の赤ワイン煮込みも、コルドバ名物だ。
トロットロで旨味が詰まっていてとても美味。ボリューミーだけど、タパスサイズもあるので少量で食べられるのが嬉しい。
西洋版牛筋煮込みといった感じ。付け合わせのポテトにソースをつけて食べるのもまた良し。
パエリアはセビリア、コルドバの郷土料理ではない
パエリアももちろん食べられる。が、パエリアはもともとバレンシアというスペイン東部の地域の郷土料理で、セビリアやコルドバの特産ではない。だがスペインと言えばパエリアということで、観光客用にパエリアを出すお店もたくさんある。
種類はシーフード、チキン、ベジタリアンなど。普通に美味しいので、米が恋しくなった時にどうぞ。
ちなみに、スーパーにはパエリアの素的なものも売っているので買ってみた。
これだけあれば塩以外に他の調味料はいらないらしい。家でも美味しいパエリアできるかな~。
豚肉料理のレパートリーが豊富
有名なイベリコ豚に代表されるように、スペインは豚肉料理が豊富。
これは豚肉のグリル、部位はたぶん膝? だったかな。これはタパスではなくメインディッシュ。すごい量が来た。ジューシーで柔らかく、脂が甘い。
イベリコ豚の肩のグリルにグレイビー系のソースがかかったもの。肉はさっぱりとしてる分、こってりしたソースと相性がいい。
スペインでは常に肉料理にポテトが何らかの形でついてくる。
そして忘れてはいけないのが生ハム! イベリコも、セラーノハムも、どちらもとっても美味しい。特にセビリア、コルドバがあるアンダルシア地方はセラーノが特産らしい。
ハムはスペイン語でJamonという。食事用に覚えておきたい単語。
スーパーでは普通に生ハム原木が売っている。ツリーのようだ。
そしてデパートでは普通に生ハム原木を切るためのスライサーが売っている。さすが。
シーフード料理は種類が豊富で食べ応えあり
スペインはヨーロッパの中でもシーフード料理に定評がある。特に、イカ、タコ、マグロ、貝類が多く、質も高い。
マグロのタルタル。身がぷりぷりで感動的な美味しさ。ここはタパスバーではなくワンランク上のお店で上にはアップルシャーベットが乗っていた。この組み合わせもまたさっぱりといただけて◎。
マグロのたたき的なもの。実際、Tatakiとメニューに書いてあった。スペインにも日本料理が進出しているようで、いくつかの店で「Tataki」の表記を見た。
豆とホワイトアスパラガスとマグロのサラダ。
これとは違うが、いわゆる普通のグリーンサラダ(トマト、レタス、キュウリ、コーンなど)にもツナ缶のようなマグロが乗っていることが多かった。
タコのグリル+焼野菜。普段住んでいるイギリスではタコはめったに食べられないので、一口一口噛みしめながら堪能した。柔らかいけど歯ごたえはしっかりあり、日本料理とはまた違うタコの美味しさを知ることができる。
イカのグリル。イカ料理もどこでも食べられるので、好きな人にはたまらない。また、後で揚げ物のセクションでも紹介するが、イカのフライもかなりの頻度で置いてある。
coquinaという二枚貝。これは絶品。アサリを小さーくしたような感じで、身にはほんの少し甘みがある。オリーブオイルベースのソースと貝からの出汁が合わさって素晴らしい味になる。
こちらはアサリ。これも西洋版酒蒸しのようで良かったけれど、coquinaの方がもっと美味しいのでそっちをおすすめする。
生ガキ。何も付け加えることがないくらい美味しゅうございました。
スズキのグリル。ほろっと崩れるくらい身が柔らかい。焼野菜が結構油っぽいので、淡白な白身魚とぴったり。冷えた白ワインと一緒に食べると充実したディナーになる。
エビも多くの店に置いてある。これはグリルで、自分で頭を外して食べる。この時の付け合わせはキヌアだったが、店によっていろいろ。スペインは素材を生かしたシンプルなシーフード料理が得意なようだ。
アンダルシア地方の料理は揚げ物が多いらしい
アンダルシア料理は揚げ物が多いことでよく知られているらしい。
確かにそうだった。メニューを見渡せば揚げ物天国である。
そう毎度毎度は食べられないけれど、美味しいものもいっぱいあるので、トライしてみるのがおすすめ。
食べかけなので半分の量なのだが、エビのフライで、中にクリーム系のソースが入っているもの。
食べた瞬間「これはあれだ……エビフライだ……」と懐かしくなった。味は完全にクリームの少し入ったエビフライであった。美味しかった。
これは面白いスペイン料理の1つ。ナスのフライに、サトウキビシロップのソースをかけたもの。見た目はチョコみたいに見える。
これ以上ないほどジューシーなナスと、塩気がきいた衣と、甘いソースがなんとも病みつきになる一品。ただ油の量がすごいので、タパスサイズでも複数人数でないと食べきれないと思う。
イカのフライ。安定の美味しさ。
余談だが、スペインの外食では野菜をとるのがなかなか難しく、サラダくらいしかオプションがない。そしてサラダもオリーブオイルに浸りまくっている。焼野菜もオリーブオイルに浸りまくっている。
これはラタトゥイユ。もとはフランス料理らしいが、スペインではPistoと呼ばれていて、セビリア、コルドバの飲食店では頻繁に見かけた。ここでは目玉焼きが上に乗っている。いわゆる野菜煮込みなので、野菜をとりたい時にはいいと思う。油分はやはり多い気がするけども……。
スペイン旅行での油控えめの野菜不足をどうすればいいのか私も未だに正解がわからないが、ヘルシー志向のお高めのレストランに入るとか、果物やちょっとしたサラダを買っておやつや朝食にホテルで食べるとか、そういうことをしたほうがいいかも。私たちはたまにサラダをスーパーで買って食べていた。
朝食の定番の1つらしいチュロス
コルドバでの定番の朝食の1つはチュロスらしい。チュロス屋さんが街中にぽつぽつとある。
試しに頼んでみた。チュロスとディップ用のチョコレート、あとコーヒー。これで5ユーロか、それより少ないくらいだったかな。結構すごい量のチュロスが来たのでびっくりした。
販売員の女性が「あっちに行くとベンチがあるよ」と教えてくれたので、その広場に行って食べていたのだが、そこにもやはりチュロスを食べながら雑談している地元の兄ちゃん(多分)たちがいた。
砂糖をかけるか聞かれ、チョコも頼んだので砂糖はなしでいいかな……と思ってNOと言ったのが間違いだった。チョコが甘くない。びっくりした。そしてチュロスには全く甘みがついていない。私は甘いものがそもそも苦手だが、甘くないチュロスは美味しくないのだと知った。ただ油っぽい。そもそも朝から揚げ物を食べるべきではない(食べるなよ)。
というわけで、朝チュロスする時は砂糖をちゃんとかけてもらおう!
以上、南スペインで学んだ食の教訓である。
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