プラハの隠れた名所:洞窟のような要塞と墓地、教会とミュシャの墓

2018年5月23日チェコ

プラハ旅行で見つけた、隠れた名所をこの記事では紹介したい。日本語で検索してもほとんどヒットせず、また実際観光客もとても少なかったので、実際知る人ぞ知るスポットなのだと思う。

観光客のいない南プラハのエリア

今回偶然見つけたのは、プラハの観光地が集まっている中心街からずっと南へ行ったところ。中心街から行くなら電車やトラムが便利かも。

プラハの交通についてはこちらでも説明しているのでご参考までに。

石壁に覆われている一角に、このゲートから入っていく。1841~42年に建造された門である。


Brick gate(これは入口)

住所:V Pevnosti, 128 00 Praha 2, Czechia

奥深い洞窟のような回廊

ここを通るとすぐ、「Gorlice」という、洞窟のような人工建造物がある。

入場料金は大人60コルナ(300円)。英語のツアーか個人見学かを選べる。
私たちが行ったときには、その日のツアーはもう終わっていたので、普通に個人で見学することにした。お金を払うと、係の人がパンフレットを手渡してくれ、チケット売り場の向かいの壁にある古そうな木の扉を開けてくれた。

扉を抜けると、暗く長い回廊が現れた。

空気がひやりとしていて、暑い外とは全く別の世界のようだ。

ここは地下ではない。地上に建てられた要塞だ。こうした場所は、外部に知られてはならない策略を告げる時に、軍隊を招集するために使われていたようだ。

パンフレットによれば、この要塞は元神聖ローマ帝国皇帝兼ボヘミア王であったフェルディナンド2世の命により1654年に建設が開始された。ボヘミアで起きた、神聖ローマ帝国(カトリック)とプロテスタント派の一大宗教戦争である三十年戦争(1618~1648年)の終戦後、割とすぐに作られたものである。

1678年までに現在の姿と同じものが建設されたが、実際に軍事行動に使われたことはなかったそうだ。

しばらく歩くと、こんな開けた空間に出た。まばらに置かれた彫刻が怪しい雰囲気を出しまくっている。

この広間は、18世紀の戦争の時代は火薬庫として、その後は長年シェルターとして、また野菜や芋を貯蔵する空間として使われていたそうだ。

J.B.Kohl トレンティーノの聖ニコラウス 1708年

中では彫像を何体か見ることができる。これらはどれも、1700年代前半にプラハを流れるヴルタヴァ川にかかるカレル橋に設置するために作られたものだが、この場所に運ばれたのは1990年代だということだ。

B.Braun 聖リュドミラと若きヴァーツラフ1世 1720~1724年

ヴァーツラフ1世とは10世紀のボヘミア王で、聖人化されて聖ヴァーツラフとも呼ばれる、チェコで崇められている人物である。聖リュドミラとはその母で、やはり聖人化されている。
このたっぷりとした、立体的なドレープの表現が素晴らしい。またヴァーツラフ1世と天使の、子供特有のぷくぷくとした体もよく表現されている。

ヴァーツラフ1世は、プラハで一番有名な大聖堂、聖ヴィート大聖堂を作った人物でもある。

この部屋の一番奥には、群像が設置されている。

M.V.Jackel 聖ベルナールと聖母子 1709年

聖ベルナールは12世紀のフランスに実在した神学者。イエスを抱えて立つマリアを頂点に、それを見上げるベルナール、左側の天使たちと十字架が大三角形を構成している。この三角形により、鑑賞者の目が頂点である聖母子へと向かうようになっているのだ。


Gorlice/Vyšehrad Casemates

住所:V Pevnosti 5B, 128 00 Praha 2, Czechia

入場料金:大人60コルナ(300円)

美しいゴシック様式の聖堂

要塞を出て丘を上へ向かうと、壮麗なゴシック式聖堂が現れた。

Saint Peter and Paul Basilica(聖ペテロと聖ポール大聖堂)という名前の聖堂らしい。11世紀に創建された。

門の彫刻とカラフルな装飾が美しい。

中はこれまた聖ヴィート大聖堂に負けないほどの美しさ。ここはほとんど人がおらず、ガラガラだった。入場料は50コルナ(250円)。

ここでも、見事なステンドグラスを多く見ることができる。最奥のメインの祭壇画。

柱や壁は聖人像と複雑な装飾文様で彩られている。

左右の壁沿いには、小さな礼拝堂が並ぶ。ここもキリスト教芸術の質と量で攻めてくる感じで、なかなか迫力がある。

ピエタ像 1898~99年

聖母マリアが磔刑に処されたイエスを抱き上げる像があったり、

聖リュドミラと聖ゲオルギウスの聖遺物箱

その横にはロココ様式のジュエリーだらけの聖遺物箱が展示されていたり、

天使が舞っていたり、

ふと天井を見上げると、これまた(おそらく)聖書のシーンを描いた壁画と植物文様がびっしり施されていたり。

もうなんだかすごいのである。

いやあ、恐れ入りました。まるで空間恐怖症かと思うほどの装飾性。

チェコの守護聖人の祭壇 1910年

中でも一番印象に残ったのが、この鮮烈な色合いがとても美しい祭壇。

磔刑のキリストを見上げる聖人たち。この中にはヴァーツラフ1世(聖ヴァーツラフ)もいるようだ。

土台側面にあるのは、チェコの国章。赤地に2つの尾を持つ銀色のライオンだ。このシンボルは、プラハを観光していると何度も目にすることになる。


Saint Peter and Paul Basilica

住所:120 00 Prague 2, Czechia

入場料金:50コルナ(250円)

脇には墓地も

脇には大きな墓地があり、ここは無料で入ることができる。西洋のお墓は日本とだいぶ違い、人によって1つ1つ墓の形も大きく異なり、また彫刻や浮彫などが施されている。

ひとつ気づいたのは、チェコ独特の日付表記があること。左は生年で1848年7月21日、右は没年で1922年6月2日を意味するのだろう。なんだか算数のようである。他の国でこの書き方は見たことがない。

街中では見かけず、墓地のみで見る表記だったので、お墓特有の文化?なのかもしれない。

ある共同墓に堂々とした天使がいた。おそらくこの墓地で一番高い建造物。まるで守護神のよう。

実はここ、後から知ったのだが、プラハ出身の画家ミュシャの墓もあるのだ…ちょうどこの天使像の下、墓が並んでいる一角にある。


その他にも、このエリアにはもう1つの聖堂と、歴史的モニュメントがいくつかある。

また自然が豊かで、散策にはもってこい。プラハに行ったらぜひ訪れてみてほしい。


Brick gate(入口)

住所:V Pevnosti, 128 00 Praha 2, Czechia

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