アムステルダムの猫の美術館:余った時間でサクッと見られて猫好きにおすすめ

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オランダ

アムステルダムに旅行に行った際、「猫の博物館(KattenKabinet)」という面白そうな場所を見つけたので行ってみた。

動物好き(猫好き)には絶対おすすめしたい美術館だったので、ここでその内容を紹介していきたい。

アムステルダム旅行の基本情報と、この旅の目次代わりの記事はこちらから。

アムステルダム旅行レポ:アートと可愛い街並み&大麻と性風俗が共存する街
ユーロスターを使い、ロンドンからアムステルダム旅行に数日間行ってきた。 私にとっては初めてのオランダ。以前から、周りの人が口をそろえて「アムステルダムはいいよ」「大好きな街」と言っていたのを聞いていたが、実際に行って「なるほどね」と思った。今回は、アムステルダム旅行で見てきた面白い物、興味深い物を順次レポしていきたいと思う。 この記事はその目次の役割を果たす。そして、アムステルダムとはどんな街...

1階はチケットカウンターとギフトショップ、2階が主な展示室となっている。チケットを買って奥に進むと、階段の前にエジプトのバステト神のような彫像がお出迎え。

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中は猫のアートだらけ

階段を上ると、そこには猫だらけの空間が広がっていた。

鏡台によじ登る仔猫の彫刻が可愛い。古今東西を問わず、いろいろな猫モチーフのものが集められているようだ。日本の招き猫までいる。

建物自体は1667年に創建され、その後多くの人の手に渡り、1985年に全面改修されたそうだ。1990年にこの博物館がオープン。長い歴史を持つ建築物である。

この部屋は1886年当時の様子をそのままに残しているという。

招き猫の横に展示されていた、猫のミイラ。本物だろうか……? 

部屋の隅にひっそりと立っていた人形。一瞬ゾンビかと思ってしまったが、有名ミュージカル「CATS」に出てくる猫のキャラクターの一人であった。ヒロインである元娼婦の猫、グリザベラかな? 

さまざまなアーティストの猫作品を多数見ることができる。この絵は多種多様な猫を描いたもの。猫の日々の動きがよく観察されている。

中国の作品も。

シュールな彫像もあった。

人々と愛猫のツーショット写真を並べた一角も。それぞれの猫への愛情が伝わってくる。

レンブラントやピカソの猫の絵も

パブロ・ピカソ「猫」版画 1942年

さりげなく、ピカソやレンブラントなどの美術の巨匠たちの作品も紛れていた。特別扱いはされておらず、他の作品と同じようにざっくばらんな感じで展示されている。

ここは、大きな美術館や博物館とは違い、私設博物館らしく小さな空間にコレクションを詰め込んだ感じ。この雑多な雰囲気がとても良い。何かを見落としてしまいそうな雑然さや、展示品の隙間から猫がすっと出てきそうな、ちょっと怪しい魅力を醸し出している。

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テオフィル・アレクサンドル・スタンランの猫のポスターの部屋

「ルドルフ・サリスのル・シャ・ノワールの巡業」1894年

展示室のうち1つは、猫のポスターで有名なフランスの画家、テオフィル・アレクサンドル・スタンランの作品が集まった部屋となっていた。この作品が一番有名かな。

ル・シャ・ノワールというキャバレーのポスター。ル・シャ・ノワールとは、フランス語で黒猫を意味する。そのため、このキャバレーのシンボルとしてよく黒猫が登場する。

キャバレーというとダンスショーが行われる場と思われるかもしれないが、このル・シャ・ノワールはどちらかというと居酒屋であり、芸術家や作家が多く集まる、一種のサロンとして機能していた。スタンランもこのキャバレーに招かれ、後にそのPRポスターを描く仕事を請け負ったのだ。

「pure sterilized milk from Vingeanne」1894年

同じ作家の違うポスター。写真だと映りがあまりよくないので、ちゃんとした画像で。

ヴァンジャンヌというフランスの一地域で生産された殺菌牛乳を紹介するポスター。1894年当時、殺菌牛乳は目新しい商品であった。赤いドレスを着た可愛い少女は、スタンランの娘がモデルだという。

少女と猫、これ以上に甘美な組み合わせがあろうか。

奥にかけられているのも、同じ作者の「Clinique Cheron」という動物病院のポスター。猫だけでなく犬も登場している。女性と動物の組み合わせというモチーフと、よくできた構図は目を引く。

特に赤と黒の使い方が特徴的な画家で、しっとりとした雰囲気が作品全体に漂っている。

さすが「猫の画家」と言われたスタンランで、この「しっとり感」はやはり猫だよなあ、と思う。犬はカラッと明るいイメージがあるが、猫はしなやか、ひそやかに動き、しっとりとミステリアスな雰囲気を持つ動物というイメージだ。

この部屋には、他にも面白い猫の彫刻がいくつか展示されていた。

Gia Japaridze「Cat for Bob」2005年

ひょろりと長いブロンズ像。がりっがりである。が、猫の特徴はよく捉えている。

上の作品ほどではないが、ほっそりしなやかな美しい猫もいれば、

大砲みたいな形の猫もいる。というかこれは、猫なのか……? 

猫なのか……? 

顔は人間ぽく、シュールな彫刻であった。細い猫像とのギャップがすごい。

ギフトショップにリアル仔猫がいた

展示を堪能して1階に降り、ギフトショップを見回っていると、なんと本物の仔猫を発見。

目がぱっちりの美人……!! ここで飼われているらしい。人慣れしていて、まったく動じない。可愛すぎて撫でまくってしまった。

撫でられてスヤア……。ここはお気に入りのお昼寝場所なんだろうか。

鮮やかなポスターや本に囲まれた仔猫、なんとも雰囲気がいいのでパシャリ。これぞ猫尽くし。


この美術館はアムステルダム中心部から徒歩で行ける距離。人も少なくごく小さいスペースなので、ゆっくり回っても1時間あれば十分だと思う。

余った時間でさっと見学できるし、アムステルダム旅行に行く猫好きの人にはぜひおすすめしたいスポットだ。


猫の博物館(KattenKabinet)

住所:Herengracht 497, 1017 BT Amsterdam, Netherlands

料金:大人7ユーロ、学生4ユーロ、12歳以下無料

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