ロンドンのテート・モダンで六本木ヒルズの「あのクモ」が見られる

©Dick Thomas Johnson

ロンドンの現代美術専門の美術館、テート・モダンに久々に行ったときに気がついた。

六本木ヒルズの待ち合わせ場所として名高い、あの巨大なクモのオブジェ「ママン」が、テート・モダンにもいるのだ。

「Spider」1994年

作者はルイーズ・ブルジョワ(1911~2010年)。フランス生まれのアメリカの女性彫刻家で、斬新な彫刻やインスタレーションを数多く作った作家だ。

彼女の作品を集めた部屋「ARTIST ROOMS:LOUISE BOURGEOIS」が、テート・モダンのフロア4(日本では5階)にある。

入口を入るとすぐ、六本木のものよりはだいぶ小さいクモが見える。タイトルは「Spider」。ママンに比べるとだいぶ淡白である。六本木の「ママン」の方は卵を抱いているから、「母親」がテーマなんだろう。

他にも面白い作品がたくさんあった。

「Couple」1996年

抱きしめあっているカップルが上から吊るされている。布でできており、ぬいぐるみのようで可愛い。

全体的にこの部屋は可愛い作品が多かった。可愛いといっても、その前提として彼女の作品は「肉々しい」のだが。

「Legs」2001年

3本の脚は、親子の象徴であるという。一番大きいのが父親、次が母親、小さいのが子供の脚だろうか。

背景に血管を描いた作品があるが、ルイーズは「肉体」に強い興味を持っていたようだ。

後ろから見るとこんな感じ。質感が想像できるくらいリアルな、生々しい脚。

奥にある小さい部屋に入ると、ここもまたストレートに「人体」が散らばっていた。

「Give or Take」2002年

「Eyes」2001~2005年

「Tits」1967年

Titsとは、女性の乳房のこと。そこだけくりぬいたような形がおかしい。乳輪もきちんと表現しているあたり、細かい。

「Femme」2005年

Femmeはフランス語で「女」の意味。身体が簡略化されていて、縄文時代の日本の土偶を思い出した。

「Ear」2002年

肉体をテーマにした作品は好きだ。肉体は生と死に直結しているモチーフで、一番「生々しさ」を感じる。

触ってみたい、匂いを嗅いでみたい、持ってみたい、と思う。特にこういう、質感がある立体作品は触って何かを確かめたくなる。できないけれど。

この最後の耳の作品なんか、穴に指を突っ込みたくなるし、耳たぶをぷにっと引っ張りたくなるし、衝動を抑えるのが結構大変だった。

展示室を出るときに気が付いた、小さい「Spider」。こんなところに隠れているなんて、なんか隠れたお宝を見つけたようでくすっとした(全然隠れておらず私が気づいていなかっただけなんだけど)。


Tate Modern 

住所:Bankside, London SE1 9TG

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おまけ

帰る際、テート・モダンとセント・ポール大聖堂をつなぐ「ミレニアム・ブリッジ」を渡った。先に見える聖堂が綺麗で、好きな橋だ。いつも観光客でにぎわっている、絶好のフォトスポット。

ふと足元を見おろした私は、ここにも現代アートがあることに気が付いた。

網目?を利用して何か描いてある。

モチーフは様々だ。竜や魚、UFOみたいなものもあった。

とにかく数が多く、たぶん橋全体だと100個は超えるのではないか、というくらい頻繁に描かれていた。

これは何だろう…宇宙人かな?

名前も書いていないし、誰がなんの目的で描いたのかはわからないけれど、こういうさりげないアートは見つけた側が得した気分になる。

ロンドンは素晴らしい美術館がたくさんあるけれど、こういう「隠れたアート」も街中にたくさんあり、現れたり消えたりするので、散策が楽しい。
人を楽しませる街だ、と思う。


Millennium Bridge

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