日本とこんなに違うイギリスの働き方―5つの「ない」

2018年5月22日

イギリスに暮らして、イギリス人の働き方が日本人とずいぶん違うことに気がついた。

私の小さな英系企業で働いた経験+大企業・中小企業で働く周りの人から聞いたことを参考にして、「イギリスのオフィスワーク」と「日本のオフィスワーク」の大きな違いを5つ紹介する。

イギリスにある日系企業は、日本式の働き方をしていることが多いので、ここで挙げることには当てはまらないことが多い。

また、イギリスの企業でも例外はあることを念頭において読んでもらいたい。

上司・同僚が残業してるからという理由で残業しない

これは大きく日本と違うところ。そもそも残業は日本よりはるかに少ない(職種にもよるが)。

もちろんやるべきことがあればイギリス人も残業はするが、「他の人が残っているから」という理由で残業をすることはない。というかそういう発想がないのかもしれない。

やるべきことが終わったらさっさと帰る。人の仕事は人の仕事、自分の仕事は自分の仕事、というスタンスだ。

日本だと「(特に新入社員は)他の人が仕事が残っているかどうか自ら聞くべき」という声がよく聞かれるが、イギリスだと「他の人に手伝ってほしい仕事を抱えているときは自分から言うべき」または、「仕事量をマネジメントするのは管理職の仕事」という意識が強い。
私は本来仕事とはこうあるべきだと思う。自分から言いもせずに、他人の仕事量について察すようなエスパーを求めないでほしい。

また、もし「残業して手伝って」と言われて、「予定があるから残れません」と断っても普通に納得される。理由も訊かれないはずだ。

休日には働かない

基本、土日は働かない。というより金曜は週末の前準備という感じで、リラックスした雰囲気になる会社も結構ある。一時期いた英系の会社では、金曜日は顧客とのアポなどがない限り、ジーンズなどカジュアルファッションで仕事をしていいというルールがあった。

また、イギリスの会社では、金曜日の午後に職場でビールがふるまわれるところも結構あるようだ。

週末の「休む」ことへの情熱がすごいのだ。

そして、もちろん休暇もばっちりとる。法律でしっかり守られていて、実際にちゃんと有給がとれる。有給制度があってもほとんどとれない日本とは大違いだ。

だいたいの年間有給はどの企業も20~25日くらい。2週間や1カ月、まるまるホリデーで海外旅行という人もたくさんいる。

交通費が出ない

これはこのリストの中で唯一、日本の方が優れている点だ。

イギリスの会社は交通費が出ない。従業員に交通費を支給すると、政府から給与として計算されるのだそうだ。どんな大企業でも交通費は出ない。感覚としては交通費込みの給料と考えたほうがいいのかもしれない。

日系の会社だと、日本のルールにのっとって交通費が支給されるところも少しあるようだ。

なので遠方から通勤する人には結構な負担だ。ただでさえイギリスは電車賃が高い。

ただ、職場の近く(ロンドンだと中心近く)に住めば住むほど交通費は安く済むが、家賃は高くなる。遠くに住めば、交通費は高くなるが、家賃は安くなる。ここがジレンマだ。またロンドン中心部は土地もないので、高い家賃を払っても狭い部屋しか住めないというデメリットもある。

ロンドンの住宅事情について、詳しくはこちらを参照。

社内の飲み会・接待の飲み会は頻繁にない(※だがパーティーはある)

これは社長とか役員のような上の人ではなく、一般社員の話。詳しくは知らないが、上のポジションの人は、国関係なく賓客を招いて接待とか、ゴルフ接待、会食などあるだろう。

イギリスではクリスマスが日本の新年にあたる一大行事なので、部署や会社全体でのクリスマスパーティーはどの会社もある。

だが、日本でよくある頻繁な部署の飲み会、上司や部下との飲み会はしない。※追記 月一くらいなら食事会や飲み会がある会社も結構あるそう。それでも、日本ほどガチガチな上下関係や、座席の位置や飲み物の量を気にしなければならないほど、硬苦しくはない。

仕事の接待としての会食や飲み会もあまりない。あってもランチミーティング程度。だいたいは会議室やカフェでコーヒー片手に商談、という感じだ。

※…だが、日本と違う付き合い方がイギリスにはある。イギリスはパーティー文化である。

同僚のホームパーティーや誕生日会など、パーティーに呼ばれる機会はイギリスでは断然多い。もちろん断ってもいいが、やはり断りにくく時間と出費がかさむと嘆く人もいるらしい。

イギリスのパーティーはフランクで、会社のパーティーでも恋人や配偶者、または取引先の仲のいい人を連れていけるものも割とある。他人との垣根が低い、というか日本人からすると「皆友達」みたいな雰囲気に見えるかもしれない。

なので、これは日本とイギリスどっちもどっちというか、「集まり」に関してある程度のプレッシャーはあるかも。

ダラダラしたミーティングはしない

日本と比べれば、仕事のミーティングはおおむね短い。

30分~1時間で終わるようにと最初から所要時間をきっちり決め、目標を明確にして会議に臨む。「所要時間がわからないミーティング」というのはイギリスにはあまりないのではないか。

まあ、「何も決まらない非生産的なミーティング」になる場合もあるそうだが…(友人が愚痴っていた)。

これは職種にもよるだろうが、現場を離れている人はテレビ電話で会議参加、という選択肢もイギリスの方が多いように感じる。実際、企業に所属していても週に1日は在宅で働くなど、リモートワークをしている割合も高いのだ。


全体的に、イギリスの働き方のほうが、長時間労働が慢性化し効率化を求めないブラック企業が蔓延する日本よりは、はるかによい「働き方」をしていると感じる。心身も健康でいられるし、自分のプライベートも確保できるからだ。