日本の3階はイギリスの2階!世界には「階数の数え方」が2種類ある

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ロンドン・イギリス生活

イギリス(というかヨーロッパ)では、建物の階数の数え方が日本と異なる。地味だが、日常生活についてまわるものなので、日本から来た人は最初は結構混乱してしまうことがあると思う。

ここでは、イギリスでの「階数の数え方」について説明したい。

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日本の1階はイギリスでは「グラウンドフロア(0階)」

日本の1階、つまり地上階は、イギリスを含むヨーロッパでは「Ground floor(グラウンドフロア=地上階)」と呼ばれ、「0階」扱いになる。複数階ある建物のフロアマップやエレベーターでは、グラウンドフロアは「G」または「0」と表記される。

これはエレベーターの画像だが、1階にあたるグラウンドフロアが「0」と表記されている。「1」を押して1階に行っても地上階の出口には出られないので注意。

そしてグラウンドフロアの次の階、日本で言うところの2階がFirst floor(1階)だ。このように、日本の階数の数え方から1つずつ数字がずれる。つまり、ヨーロッパで「3階に行ってください」と言われた時には、日本で言う4階に行かなければならない。

「地下」と「半地下」

地下は「basement」という。日本の「B1F」のBはこのベースメントから来ている。看板やエレベーターでは「-1」「-2」のように表記されていることもある。

だが、グラウンドフロアから地下1階に行く途中にあるフロア、つまり半地下は「LG(Lower ground floor)」という表記となる。

普通は建物内の表記に従えば大丈夫

このヨーロッパ方式に慣れていない人だと、耳で聞いただけでは混乱してしまうこともあるかもしれないが、たいていの建物の案内には当然ながら階数の番号が振られているので、「third floor (3階)」と言われたら、エレベーターで「3」を押して行けばいい。

問題はエレベーターのない小規模なアパート(ない物件が結構あるのだ、イギリスでは)などの住宅で、階数表記が見当たらない建物だ。

部屋番号も階数に関係なく普通に下の階から「1、2、3」というようにふられているところもあるので、そういう時は頑張って階数を数えながら行くべし。でもすぐに慣れると思う。

逆に、ヨーロッパの人が日本に行ったら、同じ問題が起こる。日本のエレベーターや建物で「?」となっている観光客がいたら、思わぬ階についてしまったとか、そういったことで混乱している可能性もある。

このヨーロッパ式の数え方は中世から存在しており、ヨーロッパ諸国ではそれぞれの言語で昔から「ground floor」に相当する語があったとされる。

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他の国の階数の数え方

他の国ではどんな方式がとられているのか調べてみた。

世界の国々では、階数の数え方は主に日本と同じ方式と、ヨーロッパ式の二種類に分けられる。

日本と同じ数え方をしているのは、アメリカ、カナダ(一部は1階をグラウンドフロアと呼ぶところもあるらしい)、ロシア、ノルウェー(ヨーロッパでもノルウェーはこっちの方式)、中国や韓国、シンガポールなどの東アジアの一部の国。ただし、香港やマカオなどヨーロッパの国の植民地であったところはヨーロッパ式を使っているところもあるという。

ヨーロッパ式は、ヨーロッパの国のほとんど、オーストラリア、ニュージーランド、インド、アジアの一部の国、南米、エジプトの多くの国で使われているのだそうだ。中東、アフリカは調べてみてもどんなふうに数えているのかよくわからなかった。

やや複雑な国もあり、ベトナムでは南北で二種類を使い分けていたり、ハワイではハワイ語ではヨーロッパ式、英語ではアメリカと同じ方法、と言語によって違ったりするらしい。


なぜこの2種類の方法になったのか、日本で使われている数え方の起源はどこなのかは調べてもわからなかった。たまに「階数の数え方の違いはアメリカ英語とイギリス英語の違いだ」という説明を見かけるが、これは言語の違いを超えたものである。

各国でどちらかの方法を採用していった経緯が、おそらくあるのだろう。国の違いは、こんなところにも現れるのだ。

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