舌を石に取り替えられた人間の骨がイギリスで見つかったらしい

2017年2月7日ロンドン・イギリス生活

こんなニュースを見つけた。→Archaeologists discover man whose tongue was replaced by a stone

「舌を石に取り換えられた男」だと…?なんだそれは。ここでは、このニュースを読んでわかったことを書いていく。なかなか興味深い説が挙げられていたので。

舌を石に取り換えられた古代ローマ時代の男性

イギリスのノーザンプトンシャーで見つかった古代ローマ時代の男性の遺骨に、本物の舌の代わりに平たい石、「石で作った舌」がハマっていたというのだ。

この男はうつ伏せに寝かせられて埋葬されていたというが、「起き上がるかもしれない」と当時の人々は考え、うつ伏せに埋めたのだと考えられている。

この墓地と考えられる遺跡は、3~4世紀頃に小さな農村の集落があったとされる場所らしい。1991年に発見されたが、現在まで研究が行われていて、この男性の骨がやっと調べられたそうだ。

男性は死んだ当時30歳代であったと見られる。

なぜ舌が石にされていたのか?

※写真はイメージです。

なぜ舌が石にされていたのか、その理由を考古学者たちはこう考えている。

彼には精神疾患があり、自分で舌を引き抜いた説、または何かの罰で舌を抜かれた説だ。

後者の説が有力らしい。舌を切られた、という根拠としては、舌を切るとそこから細菌が蔓延するが、実際にこの男性の骨からは細菌感染の痕が見つかったそうだ。

ゲルマン人の法には、悪質な悪口を広めた人間には舌を切るという決まりごとがあった。だが、ただこの男はローマ人であり、ローマにも同じ法律があったかはわかっていない。

これは、日本の文化でも似たものがあるよね。地獄に落ちた噓つきは閻魔様に舌を抜かれるという話とか。
「嘘=舌が引き起こすもの」という考えは人類共通なんだろうか。

以前、V&A美術館で見つけた「真実と欺瞞」という彫刻作品を思い出す。「真実」が「欺瞞」の舌を道具で引っこ抜こうとしているダイナミックな彫刻だ。

石で体の一部を取り換えるという文化

石で体のパーツを補うという文化が当時あったようで、他にも、頭蓋骨などの体のパーツの一部を石や壺など硬いものに取り換えられた人骨が、同時代のローマン・ブリテンの遺跡から発掘されている。

この目的として、まったく異なる2つの説がある。

  • 1つは、欠けたパーツを石で補うというもの。
  • もう1つは、体を不完全にするために、一部を無機物に取り換えたというもの。

後者の方はより興味深い。ある研究者は、この男性の骨がうつ伏せで埋葬されていたのは、この男性が周囲の人々から恐れられており、復活しないようにするためという説を唱えている。

もし何かタブーを犯して罰として舌を抜かれているのだとしたら、コミュニティ内で忌み嫌われていたという可能性もあり得る。

結局、100%真実である証拠は見つかっていないのだが、人間の性質は古代から変わっていないのだと思うと、なんだか面白い。