イギリスの「高級歯医者」がいろいろと予想外だった体験

広告
健康・医療

ロンドンのプライベート高級歯医者に行ってきたが、私の知っている歯医者とかなり違うシステムで驚きの連続だったので、一連の流れを書いてみる。

ちなみに、これがイギリスで初めて行った歯医者なので、イギリス内での比較はできない。

歯医者にはGPはおらず専門医のみ

通常、イギリスではGPと呼ばれる一般医の診察を受けてから、必要と判断されれば専門医(眼科や耳鼻科、婦人科など)にかかるというシステムだ。だが歯医者は別枠として認識されており、GPを通す必要はなく、いきなり専門医(歯医者)に行っていい。

イギリスの医療システムについてはこちらの記事を参照。

イギリスの医療システム:有料?無料?GP、NHS、プライベート病院すべて解説

だが歯医者にもNHSとプライベートがある。私は今年から歯科保険に入ったので、プライベートのデンタルクリニックに今回初めて行ってみた。

広告

高級プライベートクリニックが集まるHarley Street

今回は特に何か歯のトラブルがあったわけではなく、定期検診とクリーニングをしてもらう予定だった。半年前に日本に一時帰国した時に歯医者に行って定期検診をしたので、半年ぶりの検診となる。

ロンドンの中心部に、高級プライベートクリニックが集結した「Harley Street」という通りがある。

プライベート医院の中でも、特に質が高いとされるクリニックが集まっている。その分診察代も高い。だが保険でカバーされるからと強気になった私は、人にその中の1つを勧められて予約しようと思ったのである。

歯科医の携帯電話に電話して予約

まずそもそもこれに驚いた。人から「いい歯医者がいる」と紹介を受けた歯科医のところに行こうと思ったのだが、渡された電話番号が携帯の番号であった。

「普通病院の受付に電話するんじゃないの……? ウェブサイトでオンライン予約とかはできないの……?」と思ったが、ウェブサイトがないという。
ここで、「有名な歯医者なのにウェブサイトがないのか……」とちょっと不思議に思った。

そして医師に直接電話をして予約。フレンドリーな女性でここは一安心。

広告

医師一人だけの小さなクリニック

予約当日、Harley Streetにたどり着いた私は病院を探したのだが、歯医者があると思われる場所は住宅街のような場所にある建物。扉には10人くらい医師の名前が並んでいた。

入ったところにレセプションがあるが、どう見ても建物の受付で、病院の受付ではない。受付で予約した医師の名前を告げて待合室で問診票を書きながら待つ。

待合室はこんな感じで大変優雅であった。
数分待っていると、その歯医者さん自ら迎えにきた。そして院内に通されると……。

広い診察室に1台の診察台、そして助手さんが一人。完全に個人クリニックなのね。

私が思い浮かべていた、クリニック専用の受付があって、歯科医も複数人いて、助手さんもたくさんいて……というものとは大違い。イギリスでもそれが普通らしく、ここまでプライベートなクリニックは珍しい(おそらくこのHarley Street界隈だけ)とのちに聞いた。

診察の質は大変よかった

だが、診察は評判なだけあった。
流れとしては、短い問診→口内診察→X線→クリーニング。

密なコミュニケーション

日本の歯医者の診察では、「痛かったら手を挙げてください」くらいで、あとは会話はないのが普通だったが、今回の診察は、患者と医師がかなり密にコミュニケーションをとりながら進んだ。

横になって実際に口内を見てもらう診察では、口を開けながら質問に答えなければならないこともあるので、ちょっとやりにくいかもしれない(笑)。

歯や歯茎だけでなく、あごの筋肉の状態まで見てくれ、「かなり筋肉が硬いけど、ストレスある? 頭痛や首の痛みは?」などと質問された。

患者に何をしているかを理解させてくれる

歯茎の健康状態を見る段階で、使う器具の説明、そして「今からあなたの歯茎を診察して、歯1本ごとに数字を言っていくけれど、10段階で1、2なら問題なし、それ以上だと問題あり、ということだからね」と説明があった。

実際の診察では確かに「2、1、4、2、3……」など助手に番号を告げて記録をとっている。終わった後に、「少し傷んでいる歯茎もあったけれど、表面だけだから、これから歯石とりをすればそれで十分対処できる」と教えてくれた。

こんなに丁寧に手順を説明されたことは日本の歯医者ではなかった。

撮影したX線を見る際は、気になる部分だけを説明するのではなく、以前自分が治療した歯が現在どうなっているかも見せてくれた。

このように、なんにしても「プラスアルファ」という感じで、とても明快な診察を受けられて、大変すっきりいい気分で病院を後にすることができた。

私が日本人だとわかると「日本にいつか行きたいのよ~」と言ったり(西洋人は日本と聞くとこう言う人が多い)あなたの苗字はなんて発音するの? と訊いてくるなど、フレンドリーな対応でそれも好きだった。

保険の書類記入もその場でさっとすませてくれたし、いい先生だったと思う。

気になるお値段は

全部ひっくるめて390ポンドなり。

ひえ~。初診料込みだからとはいえ、高い……! 日本だと、初診+クリーニング(3割負担)で高くても5000円くらいだよね……。ということは全部自己負担なら1万7000円くらい? 

そう考えるとやっぱりイギリスのプライベート歯医者は高い。今回は保険でカバーされるからいいけれど。

従来の歯医者とはだいぶ違った新しい体験ができた。また半年後の定期検診もこちらに通おうと思う。

イギリスでの子宮頸がん検診の手順、問診の様子は? 

イギリスの病院で血液検査を受けるには? 

コメント

タイトルとURLをコピーしました