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ドイツ人の夫とドイツに行ったら人種差別された話

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ドイツ人の夫とドイツに行ったら人種差別された話

これはひとつの体験談として、記録しておこうと思う。

イギリスに来て2年経つが、私は人種差別を経験したことが一度もない。
夫がドイツ人ということもあって、ドイツにも数回行ったが、差別らしい差別を経験したのはこの時だけだ。

エアランゲンという小さな街での出来事

2016年5月、エアランゲンという、ニュルンベルクに近い街のビール祭りに行ったときのことだった。

関連記事(こちらはドイツビール祭りの楽しさを伝える記事です):ドイツのオクトーバーフェストの実態を暴露する

夫とその友達、私と私の日本人の友達(ロンドン在住)、計5人でロンドンからエアランゲンに行った。

ドイツ人の知り合いと会場で合流して、10人くらいのグループで飲み始めた。隣のテーブルにはドイツ人の男女混合のグループがいて、酔ってテンションが上がってくると皆混ざって交流していた。

「日本人をこのテーブルに連れてこないで」

私も隣のグループの女の子と、自己紹介などして少し話した。皆フレンドリーに見えた。
トイレに立って戻ってきた後、夫(当時は彼氏)が隣のグループから自分の席に戻ってきている。そして何やら怒っている。

追加のビールを買いに2人で席を離れたときに話してくれたことによると、

私が席を外していた間に、隣のドイツ人グループの女の子が彼に「日本人の女の子をこのテーブルに連れてこないで」と言ったらしい(まあ私はその場にいてもドイツ語がわからないのだが…)。

私だけでなく、私の友達の日本人もひっくるめての発言だったのだろうが、普段冷静な彼がブチ切れていた。

人種差別はドイツでも非常識なこと

ドイツ人である彼は、ドイツで大学卒業まで過ごし就職してロンドンにやってきたのだが、ドイツでもイギリスでも一度も人種差別を目にしたことがなく、そんな発言をする人がいること自体が信じられないようで、「信じられない」「そんなことを言うなんて頭おかしい」とずっと憤怒していた。

ロンドンに戻ったあと「ドイツに帰りたくない病」にしばらくかかってしまったくらいだった。

英語ドイツ語問わずその場で出会った人にそのことを愚痴っていた(ドイツ語で話していたのは雰囲気で何となくわかった)が、相手も「それはバカ女だね」という感じで話を聞いていた。

ドイツ人同士で「それはひどい」「やばい」と言い合っていたが、私は「まあ西洋人コミュニティにいたらそういうこともいつかはあるよなあ」と思っていたのであまりダメージはなかった。直接言われたわけでもないし。

日本人の友人も同じような感じで、「ひどいけどしょうがないか」みたいな雰囲気が私たちの中ではちょっとあった。

彼の友人のインド人も、「それはひどいけど、まあ、ね…。」みたいな感じで、ドイツ人とアジア人の温度差が出ていてちょっとおかしかった。

他の人はフレンドリー(少なくともそう見えた)だったので、その女の子1人だけ変な人だったのかもしれない。
ちなみにインド人は男性だが、「日本人の女の子」と限定して言われたので、アジア人というより私たち(もしくは日本人)が気にくわなかったんだろう。

見かけの違いというものは大きい

その時酔った頭で少し考えたのだが、もし私が単に見かけだけ日本人で、「ドイツで生まれ育った」人間だったらどうだろうか。

ドイツの文化で生きてきて、母語がドイツ語だったら?
その発言をしてきた女の子とは会話していないので、それでも差別されていたかもしれない。

ドイツも移民が多いので、そういう人もたくさんいるけれど、エアランゲンは小さな街で、東アジア人はほとんど見かけなかったので、あまり慣れていない人もいるだろう。

「外見」というのは、人を識別するうえでやはり重要なファクターなのだ。

日本でも、たとえ日本人と同じように育っていても外見が外国人である人を、差別する人もいるだろう。差別したいと思わなくても、無意識で差別してしまっている人もいる。

とはいえ、あまり気にしていない

「本格的な差別発言」を初めて体験したが、まああの程度なら受け流せる。実際に面と向かって言われていたらまた違うだろうけど。

外見での差別は、そりゃいい気持ちはしないけれど、性格とか人間性とかよく知られたうえで「あの人を連れてこないで」と言われるほうがよほどつらい。書いててすでに悲しくなってきた。

ドイツの名誉のために言っておくと、普通に観光として行った場合、こんな目にあうことはほぼないと思う。
どこにでも変な人はいるってことで、ね。

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コメント

  •  こんにちは。差別は私は時々感じています。
     以前ドイツのボンの友人に会いに行ったら、彼女(白人大学生)は私と一緒に歩く際に人種差別や嫌がらせ等を非常に気にしていました。「ドイツでは1990年頃からネオナチの活動が盛んで、夜に白人以外の人が歩くのは非常に危険。私のボーイフレンドは人種差別反対のグループの活動をしている」と言ってました。 私たちが入ったお店を出るときに店員が「チュース(じゃあな)」と言ってハハハと笑いちょっと馬鹿にしたような挨拶し彼女は嫌な顔をしてたのを思い出します。

    短い滞在でこれだから、ドイツに住んだら何度も差別体験すると思います。

    イギリスに住んでいた時も時々差別は感じました。滞在先のホステルで、電話で空き部屋があるか聞いたらあるとい答えで実際に行くと白人じゃないので嫌な顔をされ、翌日延泊依頼したら、「今日は満室です」と断られ、その横で、白人客が「やっぱり今日の部屋は確保しなくていいから、チェックアウトします。」といってチェックアウトしても、部屋は満室だと言って追い出された。ピザ屋では、2ピース欠けた食べかけのピザを出されて、苦情を言って出てきたこともあります。電車の切符窓口でも20人位並んでいて、やっと自分の番が来た時に窓を閉められ、後ろのイギリス人が[Oh, my god!]って言ってました。それは偶然かもしれないけど、ロンドンでは何となくそういう出来事が多くある。レストランに行っても10分以上たってもメニューを持ってこなっかったり、食べ終わって話をしていたら、「出て行ってくれませんか」と嫌がらせしに来たウエートレスもいました(私たちのテーブルにだけ来ました)もちろん苦情を言いました。カンフーの真似をして、”アチョー、アチョー”っといって馬鹿にしてちょっかい出してきたアホな男もいました。 
     イギリス、ドイツ、オランダ、オーストリア、デンマーク、フランス周辺はアジア人を見下してる人もそこそこいるようですよ。
     ドイツはより東側に行くと暴力を伴ったより危険な感じがします。東ヨーロッパはさらに危険だと思います。
     イギリスもロンドン以外の小さい町だと、差別というより珍しい感じの待遇をしてくれる人も多いけど、中国系などイギリス人からすると日本人と区別がつかない見た目の移民の多いロンドンは、特に差別が結構あると思います。

    by みい 2017年8月2日 10:27 PM

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プロフィール

塚田沙羅

塚田沙羅

1988年生まれ、東京出身のフリーランスライター。

東京芸大で美術史を専攻。卒業後、美術系出版社で編集者として勤務。その後、フリーランスに。
2014年冬よりイギリス/ロンドン在住。2016年にドイツ人と国際結婚。

このブログはイギリス生活情報・美術・旅の三本柱で成り立っています。

お仕事は常時募集中です。londonwriterinuk@gmail.comまでお気軽にご相談、お問い合わせください。
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